サッカーを愚弄したバーレーンの戦術
およそ2年間にもおよぶ苦しい歳月の成果が、木曜日の夜、90分に凝縮されて示される。その日、日本はオリンピック最終予選グループBの最終戦を戦う。
正直言って、アブダビでの3試合を勝点7で終えたとき私は、日本の本大会出場はもう決まったも同然で、その後も日本は充分な勝点を挙げ、木曜日のUAEとの最後の試合は「壮行パーティー」になるだろうと考えていた。
しかし、最近の結果が示すように、サッカーでは予測や予想は不可能である。
土曜日に埼玉スタジアムで日本がバーレーンに0−1で敗れたために、ライバルたちは新たな希望を抱き、日本は首位の座を維持するために、国立競技場でUAEに勝利しなければならない状況となった。
しかも、西が丘でバーレーンがレバノンに大差で勝った場合には、僅差の勝利では不十分かもしれない。2つの試合は同時刻にキックオフされるので、どのチームもライバルのスコアを知ってからプレーすることはできない。
その一方、日本は引き分けでもアテネに行けるかもしれないし、負けても予選を突破できるかもしれないのだ!
何が起るかはわからない。
現在も、主導権を握っているのは日本である。日本の得失点差はプラス6で、バーレーンの得失点差はプラス2であるからだ。勝点は両チームとも5試合を終え10となっている。また、UAEは、両チームとは3ポイント差の勝点7で3位に位置し、自分たちが日本に勝ち、バーレーンがレバノンに敗れれば出場権を獲得するチャンスが生まれる。
スポーツ精神およびフェアプレーの観点から、私は日本が出場権を獲得して欲しいと心から思う。
軽い接触があると負傷したふりをして倒れたままでいる、バーレーンのやり口は、最近の風潮がどうであれ、サッカーだけでなく「オリンピック精神」をも愚弄するものである。
埼玉スタジアムの日本のファンもすぐに事情を察し、バーレーンの選手に精一杯のヤジで対応していた。
土曜日の試合、ありもしないケガでピッチの外に出される前にゴールキーパーがボールをピッチ外に蹴り出したとき、日本の選手がバーレーンにボールを返さなかったのにも、多いに感心させられた。
バーレーンの選手のような振る舞いは見苦しいものであり、サッカーのためにも、テレビを見ている何百万の若者のためにもならない。
かつてエスパルスとレイソルで監督を務めたスティーブ・ペリマンはこの戦術が嫌いで、この戦術を行っている選手とそのコーチは、「自分たちにはフェアな試合をして勝つ能力がないと自覚しているのを露呈しているだけである」といつも言っていたものだ。
私はペリマンには100パーセント同意する。そして、木曜日の夜にはレフェリーもそうであって欲しいと思う。
日本にとってはタフな試合となるだろうし、選手たちは最大限に集中し、ゴールチャンスをものにしなければならない。
日本はアブダビでUAEを2−0で破っているものの、今度はたとえ勝つとしても、私には2点差以上の勝利は考えられない。
サッカーのためにも、そうなって欲しいとは思っている。
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