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疑問に思う大久保の処遇

2004/02/19(木)

 大久保嘉人は、なぜなのだろうと悩んでいることだろう。
 先週の木曜日、ジーコ・ジャパンとイラクとの試合で交代選手としてわずかな時間プレーしたあと、大久保は水曜日に行われる、オマーンとのワールドカップ予選の代表メンバーには選ばれなかった。
 4日後、意外なことに大久保は、3月1日から5日までUAEでオリンピック最終予選の第1ラウンドを戦う、山本昌邦のU−23代表からも外された。
 昨年末、嘉人は注目の的であった。
 そして不意に、誰にも声をかけられなくなった。

 月曜日のオリンピック代表の記者会見で山本は、日本ラウンド(3月14日〜18日)では大久保を招集することを考えていると述べた。山本はさらに、大久保には休養が必要で、チームに招集した4人のストライカーの調子には満足している、と語った。
 それでも、私には、大久保の処遇は疑問である。
 大久保は、ジーコの代表チームに招集されていたため、イランとロシアを相手にしたオリンピック代表の2つの親善試合には出場できなかった。鹿島でのマレーシア戦では出場停止処分となっていたのに、である。
 次のイラク戦、イタリアから帰ってきた柳沢がいきなり先発で起用されたため、大久保はベンチであった。

 私はこれまでずっと、大久保―それから同じ理由で茂庭と石川―は、オリンピック代表に加わり、田中や新顔の平山と一緒に練習したり、山瀬、松井、前田といったアタッキング・ミッドフィールダーとの連携を磨いたりしたほうが良いと思っていた。
 今年の大久保は忙しくなりそうだというのは本当であるが、アテネへの出場権を獲得できなければ休養させた意味がなくなってしまう。
 そういう理由で、私には、大久保がUAE遠征メンバーから外されたのは驚きである。

 端的に言えば、大久保は試合を決める選手である。爆発力があり、ただ一途にゴールを狙う選手である。
 平山が参加した今でも、私は田中と大久保のコンビはダイナマイトのように危険であると考えている。2人のスピード、積極的なランニング、底知れぬスタミナは、相手ディフェンスを疲労困憊させることだろう
 今となっては、大久保の登場は日本ラウンドまで待たなければならない。
 その時には、再登場する大久保に過剰なプレッシャーがかからないようになっていることを望む。
 さらに言えば、大久保の再登場が遅すぎたというような状況になっていないことを本当に望む。

*このコラム(原文)は2月17日に書かれたものです

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