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チャンスをモノにした久保

2003/12/08(月)

ある日本人ストライカーが東アジア選手権で、代表初ゴールを挙げたのは至極当然の事であった。
何と言っても、今回代表に選ばれた4人のストライカーの誰もが、日本代表で1点も挙げたことがなかったのだ。
水曜日に東京で行われた対中国戦が近づくにつれて、フォワードの得点力不足はトレーニングでも最大の論点であった。
しかし、久保竜彦の得点のおかげで日本代表がその不安を打ち消すのにわずか4分30秒しかかからなかった。

横浜F・マリノス所属の彼は、ポストに当てるシュートを放った後、試合終了10分前に再び得点を挙げた。この試合まで、そのほとんどが途中出場だったとはいえ、14試合の代表出場で無得点だった久保は、これで15試合で2得点になった。そして、日曜日に埼玉で行われる対香港戦でも得点を挙げるだろう。
私はふと「1時間もバス停でバスを待っていた末に2台のバスが同時に現れた」という英国のお粗末な公共交通機関、バスの笑い話を思い出した。
久保はこうした数字は気にしないと言うが、この2ゴールが彼のプレーの心理的な壁を打ち破ることだろう。

久保の最初のゴールは小笠原の視野と粘りに負うところが多い。左サイドでの小笠原のフリーキックがそのまま中国選手に渡った時、私は思わず唸ってしまったが、アントラーズのプレイメイカーはすぐさまボールを奪い返し、久保へボールを浮かせたのだ。
その典型的な果敢なスタイルで久保はディフェンダーとゴールキーパーを突破し、右足でボールをゴールに押し込んだ。この左足一辺倒の選手にとって非常にめずらしいことだ。2得点目は、中央右寄りを突破した彼がその得意の左足で非常に冷静に決めた。
対香港戦は特に問題もないだろう。しかし、水曜日の対韓国戦は厳しい戦いになるだろう。

久保のパートナー、大久保嘉人は依然として初ゴールを待っている状態だ。現時点での彼はまるで正しい事をやっているにも関わらず、チャンスをものにできない「柳沢症候群」にかかっているようだ。
前半1対1の場面で大久保のシュートを中国のキーパーは素晴らしいセーブで止めた。後半は決めなければならない場面でクロスバーに当ててしまった。
対香港戦は、彼にとって代表初ゴールを決めるこれ以上のチャンスはないだろう。彼はきっとこの試合で決めてくれると思う。だからリラックスしましょう。嘉人ファンの皆さん。
もし嘉人もリラックスできるとすれば、それはゴールの前だろう。

*このコラム(原文)は12月6日に書かれたものです

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