« 2003年11月 | トップページ | 2004年1月 »

2003年12月

2004年は嘉人の年?

2003/12/31(水)

 2004 年はサルの年だそうだ。
 しかし、日本では嘉人の年になるかもしれない。
 セレッソ大阪のダイナミックな若きストライカーは、2003 年は常に”ニュースな”人物であった。
 良いニュースもあった。たとえば、Jリーグオールスターのファン投票で史上最多の票数を獲得。J1で16ゴールを記録して、5月の韓国戦では20歳で代表デビューを果たした。
 悪いニュースもあった。リーグ戦での14枚のイエローカードと2枚のレッドカード。さらに、東アジアサッカー選手権ではペナルティーエリア内でのダイブによって2枚目のイエローカードをもらい、退場処分を受けた。試合後、ジーコは大久保をかばったが、それはお門違いであった。レフリーの判断は正しかったのである。
 あの試合以降、大久保はセレッソ大阪で大活躍を見せ、元旦に行われるジュビロ磐田との天皇杯決勝戦にチームを導いた。
 準決勝のアントラーズ戦での2ゴールは見事であった。1点目は、右サイドにいた酒本からの絶妙なクロスに合わせたダイビング・ヘッド。2点目は、30メートル付近からゴール隅への強烈なシュート。

 クラブでは、大久保が韓国戦のレッドカードを教訓ととらえ、より責任感をもって振る舞うようになってほしいと考えているようだ。
 もっとも、大久保はまだ21歳で、プロサッカー選手としても、1人の人間としても、まだ成長途上にある。ピッチでは激しい気性を見せるが、これが大久保の良いところでもある。
 できれば、大久保にはこの気迫とエネルギーを正しい方向に導くようになってもらいたい。不必要なファールや、レフリーへの無駄な抗議はやめてもらいたい。

 2004年の日本代表には、大久保が体調万全で、集中力に満ちた状態を保つことが不可欠である。目前には、オリンピック代表の親善試合とアテネ大会のアジア予選が控えているし、予選を突破すれば8月にはギリシャでの本大会がある。また、A代表でも親善試合とともに、ワールドカップの2006年ドイツ大会の第1次予選があり、さらに6月には中国でアジアカップもある。それだけでなく、クラブでも忙しいシーズンとなるだろう。

 大久保がなによりも避けなければならないのは、イエローカードとレッドカードをどっさりと頂戴することだろう。
 2003年は大久保がブレークした年であったが、2004年の大久保はさらに良くなるだろう。
 ジュビロ磐田戦で、大久保がどのように1年のスタートを切るのか見てみよう。
 ファンタスティックなゴールか?
 レッドカードか?
 あるいは、その両方か?

*このコラム(原文)は2003年12月30日に書かれたものです

固定リンク | | コメント (0)


外国人選手に無駄遣いするなかれ

2003/12/29(月)

日本のチームがよく知りもしない外国人プレイヤー、特にブラジル人プレイヤーのためにどれだけのお金をいまだに無駄にしているのか、ただただ驚くばかりである。
それはおそらく、新しいブラジル人プレイヤーを連れてくる事が魅力的で魅惑に溢れていると考えているからだろう。さらには、将来の代表選手を発掘できるのではないかという大当たりを望んでいるのであろう。
そうは言うものの、私が最近耳にした何人かの移籍選手、移籍予定の選手を見るとようやく日本のいくつかのチームは気づき始めたようだ。

まず、FC東京を退団したアマラオは湘南ベルマーレと契約した。
これは、チームが彼の獲得によって何を得られるのか、十分承知しているベルマーレにとって賢い選択である。
37歳のアマラオは選手としては高齢かもしれない。しかし、チームのために全力を尽くし、体調管理も十分、そして若い選手に良い刺激を与えられる本当のプロである事を示してきた。
選手の資質を知り尽くした上で契約をする事は、お金の事しか頭にないようなエージェントを当てにするよりよっぽど道理に叶う。

また、ガンバ大阪はヴィッセル神戸のシジクレイを獲得しようとしていると聞いた(※)。彼もまたいわゆるJリーグの“ベテラン”であり、私も日ごろから彼のプレーと態度に感心していた。
彼は“スター”ではないかもしれない。しかし、彼はバックでも、ミッドフィルダーとしても、さらには得点能力も備えた信頼のおけるプロである。
ガンバはこれまで、何億というお金を外国人プレイヤーに注ぎ込んできた。しかし、彼らがよく知るシジクレイなら支払った金額に見合う価値を得られるはずだ。

移籍先を探しているもう一人の選手がマルセロ・バロンだ。
最初のシーズンに9得点とそこそこの成績をあげたが、セレッソ大阪の保護選手にはなれなかった。そしてJ1、J2のチームから興味を持たれている。
バロンもまた、ヴァンフォーレ甲府から始まって、ジェフ市原、清水エスパルスと、常に彼のやるべき仕事をやってきた。
彼は常に得点を挙げてきたし、ハードワーカーであり、安定した選手だ。
アマラオやシジクレイのように、彼と契約したチームは良い買い物をする事になるだろう。

以前にも言ったが、チームは海外の選手にかける必要は無い。エージェントや過大評価された選手に高すぎるお金を失う事になるだけだ。

※このコラム(原文)は12月27日に書かれたものですが、ガンバ大阪は24日、すでにシジクレイ選手の獲得を正式に発表していました。

 

固定リンク | | コメント (0)


岡田監督が語る、天皇杯の問題点

2003/12/25(木)

 火曜日の天皇杯準々決勝、横浜F・マリノスは鹿島アントラーズに1−4で敗れ、リーグ戦とカップ戦の両方を制覇する「ダブル」の希望はついえた。
 私の母国イングランドでは、リーグ戦とFAカップの「ダブル」は、各クラブの羨望の的となっている。
 しかし、日本では天皇杯の不自然な開催時期が理由となって、状況は同じとは言えないようだ。天皇杯が佳境に入るのはリーグ戦が終了してからで、選手も、ファンも、年度末の休養を必要としている時期であるからだ。
 この点に関しては、マリノスの監督である岡田武史も、12月23日の時点で天皇杯から脱落したのは、「我々にとっては良かった」と認めている。

「天皇杯は我々にとってはさほど重要ではありませんでした。モチベーションの上がらない選手もいますし、外国人選手のなかには国に帰りたがっている選手もいますからね」
 アントラーズに敗れた後、岡ちゃんはこのように語った。
「この大会は、プロのチームにとってはとても難しい大会だし、我々は次のシーズンに備えて休養しなければなりません。2月11日にはアジア・チャンピオンズリーグが始まりますから。だから、良かったと言ったのです」

 岡田のこのコメントはまさに核心をついたもので、日本サッカー協会(JFA)は、かつてはサッカーシーズンの注目イベントであった大会について、時間をかけて真剣に考えたほうが良いだろう。
 天皇杯は今年で83回目だが、正直言って、私はこの大会を見るのがとても好きである。この大会は大体が完ぺきなサッカー日和に―つまり、明るい冬の陽射しがあって、結構寒いが凍えるほどではないというコンディションのもとで―行われるからだ。
 元旦の決勝戦はいつも晴れ晴れしい雰囲気になり、たくさんの観客が国立競技場に詰めかける。
 しかし、この大会には、リーグ戦が終了してから1ヶ月間もプロの全チームにコンディション維持を余儀なくさせるほどの価値があるのだろうか?
 JFAにとっては難しい判断となるだろうが、近い将来に変更するべきである。

 さきの岡田の発言は、見事な勝利を飾った鹿島を貶めようとするものではない。
 アントラーズの選手の反発心と勝利への気迫は試合を通して衰えることがなく、まさに他のJリーグチームのお手本となるものであった。ただし、本山と深井が絶えず故障したフリをするのだけは止めて欲しかった。
 ゲームは終わった時、柳想鉄(ユ・サンチョル)が激怒していた。本山と深井の悪い影響を受け、曽ケ端がずっと倒れ込んでいたからだ。
 選手たちよ、立ち上がってゲームを続けろ!

固定リンク | | コメント (0)


最多入場者数の答えは“Xファイル”にあり

2003/12/22(月)

2003年、Jリーグは過去最高の680万人の入場者数を記録した。
これは、1995年の単一シーズン記録、644万人を上回った。
この入場者数増加の理由は明白である。
理由はXファイルを見ればわかる。
いや、つまり“Albire X(アルビレックス)ファイル”である。
28あるJリーグのチームの中で、今期J2の優勝を遂げたアルビレックス新潟はダントツの1試合平均30,339人の入場者数を記録した。
これは浦和レッズ(28,855人)、横浜マリノス(24,957人)、そしてFC東京(24,932人)といったJ1のトップ3チームを大きく引き離す数字である。

今年のJ1の1試合平均入場者数17,351人は、94年(19,598人)以来最多で、リーグ11年の歴史上でも94年、そしてリーグ創設シーズンの93年(17,976人)に次いで史上3番目の数字である。
これはJリーグにとって大きな励みになる事であり、サッカーがそれぞれの地域に根付き始めた証であろう。
来シーズンのJ1の目標入場者数は今年より2,600人増加の1試合平均20,000人である。アルビレックスのJ1昇格を考えると、03年に平均入場者数21,708人を記録したベガルタ仙台のJ2降格を考慮しても十分現実的な目標である。

今週、Jリーグの理事であり事務局長の佐々木一樹氏は、01年のコンフェデレーションズカップが新潟の人々のターニングポイントになったと語った。
この大会が地域住人にサッカーの面白さを伝え、そして彼らがホームタウンチームをサポートする原動力となったと言う。
「新潟の人々は、新潟がまだ世界レベルに及ばないことをよくわかっています。しかし彼らは一つにまとまって自分達のチームを応援したいと願っているのです」佐々木氏はそう続けた。
「たとえチームが負けたとしてしても、これが彼らの団結を強めます。そのぐらい人々は新潟に誇りを持っていますし、アルビレックスを応援することによってその誇りを示しているのです」

J1の試合と重なる事が多いので、シーズン中に多くのJ2の試合を見ることは難しい。
しかし多くのファンやメディアにとって来季の新潟は、ビッグスワンがオレンジに染まる光景を見に集まる場所となるだろう。
今シーズンのJ1、J2、ナビスコカップ、オールスターサッカー、そしてゼロックススーパーカップの総入場者数は史上最多であった。しかし、アルビレックスがJ1に昇格する来年の平均入場者数20,000人は不可能な数字でないと思う。

固定リンク | | コメント (0)


エメルソンのMVP受賞に異議あり

2003/12/18(木)

 エメルソンが2003年のJリーグMVPを受賞すると聞いたとき、私は正直言ってびっくりしたし、がっかりもした。
 MVPはJリーグのファーストステージとセカンドステージを連覇した横浜F・マリノスの選手が受賞するものと思っていたし、私見では、中澤佑二と奥大介、久保竜彦の3人が候補であった。
 私が1人を選ぶとすれば、MVPは中澤佑二である。監督の岡田武史の言葉を借りれば、中澤はピッチの内外でチームのムードメーカーの役割を務めていた。
 私は、マリノスの選手にはMVPを受賞する資格はあるが、エメルソンにはないと考えていた。

 でもね、落ち着いて下さいよ、レッズ・ファン!
 私は、エメルソンが良い選手ではないとは一言も言ってはいない。
 もちろん、エメルソンは素晴らしい選手で、彼のスピードと決定力が勝敗を左右するのは良く知られている。純粋な才能だけを言えば、おそらくエメルソンはJリーグで最高の選手であろう。
 エメルソンはJリーグのレベルを超えた選手であると言っても過言ではないし、ヨーロッパの主要リーグでも成功できると思う。浦和が払っているのと同じくらいの金額を、ヨーロッパのクラブが彼に払おうとするかどうかは、また別の話だが。
 しかし、高額のサラリーには、チームメートやコーチ、ファンに対する責任も含まれているのである。日本の外国人選手はみんな特権的な地位を与えられてプレーしているのだから、このことは認識しておいたほうが良い。
 この点において、エメルソンは自分の価値を下げているのである。
 監督のハンス・オフトがシーズン終盤に私に語ったところによると、エメルソンが今シーズンに課せられた、練習遅刻の罰金は総額で6万ドルにもなるそうだ。

 もっとも、私にはピッチ上のエメルソンの態度のほうが気になる。
 私は、相手選手が警告を受けたり、場合によっては退場処分を受けたりするのを狙って、大ケガをしたふりをしてピッチ上に倒れ込み、のたうち回る選手が好きではない。
 危険で、敏捷な選手だから、エメルソンがしょっちゅうファールを受けているのはわかるが、芝居っ気たっぷりにレフリーをごまかそうとするケースもよくある。

 たとえば、残り4試合の時点でJ1の首位に立っていたヴェルディとのホーム戦。
 前半終了直前の時点で、レッズが2−0と楽勝ペースであったのに、エメルソンはダイブでペナルティ・キックを得ようとした。エメルソンにはイエローカードが与えられ、累積警告により、次の2試合が出場停止処分となった。
 エメルソンが欠場したのは、アウェーの清水戦と名古屋戦であった。シーズンの趨勢を決めるこの時期、レッズはどうしても必要だったエース・ストライカーを欠いたため、2試合とも敗れてしまい、優勝争いから脱落した。

 エメルソンに対して厳しすぎるかもしれないが、チームがセカンドステージで優勝するチャンスを、彼が台なしにしたのも確かだと思う。前に述べたように、高額のサラリーをもらっている外国人選手として、エメルソンはクラブやチームに対して責任を負わなければならないのである。
 これでも、MVPなのだろうか?
 1人の選手としては、もちろん、エメルソンはゲームのカギを握る選手であるが、フェアプレーも評価の対象に加えられるべきではないだろうか。
 Jリーグの選考は間違っていたと思う。日本人選手や、試合を観戦している若者にとって、エメルソンは良き模範とはならないからである。

固定リンク | | コメント (0)


岡ちゃんのMVP最有力候補は中澤

2003/12/15(月)

横浜F・マリノスの岡田武史監督は、月曜日に行われる2003Jリーグアウォーズで、マリノスのセンターバック、中澤佑二こそがMVPにふさわしいと信じている。
監督就任1年目で横浜を両ステージ制覇に導いた岡ちゃんは、中澤はシーズンを通して、チームの大黒柱としての頭角を現したと言う。
「彼が1対1の場面で非常に優れたディフェンダーだとは常々思っていました。しかし彼のポジショニングとカバーリングには正直驚かされました」
岡ちゃんは東戸塚にあるチームの練習グラウンドで先日そう語った。
「ピッチ上での意思決定能力は成長しましたし、とても強い精神力の持ち主でもあります」
「さらに、常にポジティブであり、決して諦めません」
岡田監督は、この25歳の日本代表ディフェンダーを堅実で信頼のおけるプロだと評する。「練習でも試合でも、彼は常にチームのムードメーカーです」
1998年ワールドカップで日本代表監督を務めた岡田監督は言う。

岡田監督が名前を挙げたもう一人の選手はオリンピック代表であり、セントラルMFの新星、那須大亮である。
那須は3人いる新人王候補のうちの一人である。そして彼がFW深井正樹(鹿島アントラーズ)、DF永田充(柏レイソル)をおさえ新人王の最有力候補である。

横浜の韓国人DF柳想鐵はMVPについて岡田監督とはまた違った意見を持っている。
柳はマリノスの主将、奥大介にその栄誉が与えられるべきだと考えている。
「彼のプレーはシーズンを通して非常に安定していた。さらにそれだけでなく、チームを引っ張る力強いリーダーシップを見せてくれた」
東アジア選手権で韓国代表の主将を務めた柳はそう言う。

事情を知り尽くした人たちの意見を聞くのは非常に興味深いものだ。そして彼らの選択は、中澤、奥、そしてセカンドステージでマリノスを優勝争いに留まらせるいくつかの重要なゴールを決めた久保竜彦の3人に落ち着く。
しかし、誰が岡田監督に異を唱えるだろうか。
結局、今シーズンの彼は何をやっても正解だったのだから。

固定リンク | | コメント (0)


藤田より羽生だったのでは?

2003/12/11(木)

 東アジアサッカー選手権の期間中、ジーコはJリーグ・プレーヤーについて多くを学んだに違いない。
 結局、ジーコにはJリーグの選手を選び、テストするしか選択の余地はなかった。大会の日程が、FIFAの定める国際Aマッチデーと重ならなかったからだ。
 つまり、ヨーロッパから選手を呼び戻せなかったわけで、私はこのことはジーコにとって良かったと思っている。

 ほんの少し前、日本がホームでたくさんの親善試合を戦ったとき、ジーコは常に最強のチームを作ろうとしていた。
 このような姿勢は、ハンブルガーSVをはじめさまざまなクラブの逆鱗に触れただけでなく、選手たちにも厳しいスケジュールを課すことになった。
 数日間チームを離れるという余分な負担がなくても、すでにヨーロッパ組の選手たちはチームに溶け込み、ポジションを獲得するためにタフな生活を余儀なくされているのである。
 それに加え、ジーコの方針は、クラブ・サッカーとは異なったリズム、異なったプレッシャーのなかで戦われる、国際試合の感覚をJリーグ・プレーヤーから奪うものでもあった。
 このような観点から見れば、Jリーグ・プレーヤーを選び、彼らが国際試合のレベルでプレーするのを間近に見るのは、ジーコにとって意義あることであった。現在、ジーコに必要なのは、代表チームではなく、代表候補である。2月に始まるワールドカップ予選のための選手選考が、ケガや出場停止処分の影響を受ける可能性も考慮しなければならないからだ。

 水曜日の夜に横浜国際競技場で行われる日本と韓国の決戦が近づくなか、藤田俊哉は、オランダからわざわざ帰ってくる必要があったのだろうか、と悩んでいることだろう。
 私には、なぜジーコが藤田を選んだのかが本当にわからない。藤田にはプレーするチャンスさえ与えられないかもしれないからだ。
 火曜日の公開練習のあと、ジーコは、小笠原を先発で起用すると述べた。ハムストリングの負傷だけでなく、他にも具合の悪い部位があるため、小笠原は火曜日に練習をしていないのに、である。
 小笠原が練習を休んでいる間は奥が先発組でプレーし、藤田は他の選手とともに控え組に入っていた。
 ジーコは、藤田はまったく試合に出ないかもしれないし、途中出場のチャンスがあるかもしれない、と述べた。
 どうなるにせよ、ジーコは藤田の人間性と情熱が好きだと言った。つまり、試合に出ても出なくても、藤田にはそれだけの価値があるということなのだろう。

 もし私がジーコなら(みんなだって、自分は偉大な代表監督なれると思っているでしょう!)、今大会ではヨーロッパ組は招集せず、Jリーグの選手だけを選考対象にしていたと思う。
 そして私は、ジェフユナイテッドの羽生を選んでいただろう。羽生は、小笠原と奥の控えとして充分使えるだろうし、代表で経験を積むのも彼にとってプラスになっていただろう。
 羽生は大学を出てから、プロとして2回目のフルシーズンを終えたばかりである。とても利口な選手だと思うし、トルシエがよく言っていたように、非常におもしろい選手である。
 結局、藤田は韓国戦でプレーすることになるかもしれないが、ジーコは代表候補をさらに増やし、新たな才能を発掘するチャンスを逸した、と私は今でも思っている。

*このコラム(原文)は12月9日に書かれたものです

固定リンク | | コメント (0)


チャンスをモノにした久保

2003/12/08(月)

ある日本人ストライカーが東アジア選手権で、代表初ゴールを挙げたのは至極当然の事であった。
何と言っても、今回代表に選ばれた4人のストライカーの誰もが、日本代表で1点も挙げたことがなかったのだ。
水曜日に東京で行われた対中国戦が近づくにつれて、フォワードの得点力不足はトレーニングでも最大の論点であった。
しかし、久保竜彦の得点のおかげで日本代表がその不安を打ち消すのにわずか4分30秒しかかからなかった。

横浜F・マリノス所属の彼は、ポストに当てるシュートを放った後、試合終了10分前に再び得点を挙げた。この試合まで、そのほとんどが途中出場だったとはいえ、14試合の代表出場で無得点だった久保は、これで15試合で2得点になった。そして、日曜日に埼玉で行われる対香港戦でも得点を挙げるだろう。
私はふと「1時間もバス停でバスを待っていた末に2台のバスが同時に現れた」という英国のお粗末な公共交通機関、バスの笑い話を思い出した。
久保はこうした数字は気にしないと言うが、この2ゴールが彼のプレーの心理的な壁を打ち破ることだろう。

久保の最初のゴールは小笠原の視野と粘りに負うところが多い。左サイドでの小笠原のフリーキックがそのまま中国選手に渡った時、私は思わず唸ってしまったが、アントラーズのプレイメイカーはすぐさまボールを奪い返し、久保へボールを浮かせたのだ。
その典型的な果敢なスタイルで久保はディフェンダーとゴールキーパーを突破し、右足でボールをゴールに押し込んだ。この左足一辺倒の選手にとって非常にめずらしいことだ。2得点目は、中央右寄りを突破した彼がその得意の左足で非常に冷静に決めた。
対香港戦は特に問題もないだろう。しかし、水曜日の対韓国戦は厳しい戦いになるだろう。

久保のパートナー、大久保嘉人は依然として初ゴールを待っている状態だ。現時点での彼はまるで正しい事をやっているにも関わらず、チャンスをものにできない「柳沢症候群」にかかっているようだ。
前半1対1の場面で大久保のシュートを中国のキーパーは素晴らしいセーブで止めた。後半は決めなければならない場面でクロスバーに当ててしまった。
対香港戦は、彼にとって代表初ゴールを決めるこれ以上のチャンスはないだろう。彼はきっとこの試合で決めてくれると思う。だからリラックスしましょう。嘉人ファンの皆さん。
もし嘉人もリラックスできるとすれば、それはゴールの前だろう。

*このコラム(原文)は12月6日に書かれたものです

固定リンク | | コメント (0)


噂にしても不似合いな、リバウドとFC東京

2003/12/04(木)

 英国のサッカー月刊誌『ワールド・サッカー』の12月号の表紙には、リバウドの写真が掲載されている。
 「バルセロナ、ACミラン、それともスパーズ? ブラジルのさまよえるスターが次に行き着く先は?」というのがヘッドラインだ。
 このとおり、FC東京はまったく話題になっていない。
 FC東京とリバウドが接触を持っているという噂を私が聞いたのは先週末であったが、すぐに忘れてしまっていた。
 その後、月曜日にもう1度同じ噂を聞いたので、いろいろと考えてみた。
 まず、噂は本当なのか?
 次に、FC東京は資金面の問題をどうクリアするのか?
 最後に、FC東京にリバウドは必要なのか?

 ジャーナリストとしては、もちろん噂の真偽をクラブに確かめるべきであったが、私はしなかった。クラブ側に、まったくのでたらめだと否定されでもしたら、とてもおもしろい話の種が消えてなくなってしまうからだ。
 何よりも、私は噂が真実でないことを願っているし、そう確信している。
 FC東京は、Jリーグでも屈指の経営上手なクラブである。このクラブは選手の獲得でミスを犯すことはあまりないし、これまでの例を見ても明らかなように、昔からお金にはとても細かいようだ。
 これまで、私はいろいろなメディアでディフェンダーのジャーンと攻撃的ミッドフィールダーのケリーを賞賛してきた。2人は、日本でプレーしている最高の外国人選手に数えられ、もっとも安定した活躍を見せていると思っているからだ。いくら支払っているかは知らないが、2人はその金額をはるかに上回る価値を生み出しているのではないだろうか。

 リバウドを獲得すればメディアには格好の話題となるだろうが、クラブはかなりの金額を支払わなければならないだろう。結果的に、チームの和を乱すことになるのではないだろうか?
 また、リバウドの獲得費用が、クラブの財政に大きく響くようになるのではないだろうか?
 さらに大胆に言えば、リバウドのポジションはあるのだろうか?

 FC東京は、右サイドに石川、左サイドに戸田を擁する、スピードが身上のチームである。
 前線では、ケリーがすべてを完ぺきに掌握している。
 FC東京がアマラオに代わる新しいセンターフォワードを求めているのだとしたら、リバウドは適役とは言えない。
 このような議論を突き詰めると、実際はどうであれ、私にはFC東京でリバウドが守るポジションは1つしか思い浮かばない。宮沢が守っていた「左ボランチ」である。
 もう少し現実的になってみると、リバウドは最近出場機会に恵まれていないので、身体的コンディションとスタミナは、原博実監督の、若くて、積極性溢れるチームにも充分対応できるだろう。
 ニュースは憶測に過ぎないと私は信じている。
 実際、そうであって欲しいと思う。FC東京にはこのような取引に関わってもらいたくないからだ。
 Jリーグのクラブに、このような選択をして欲しくはない。先には破滅しかないのだから。

固定リンク | | コメント (0)


夢見る岡田監督

2003/12/01(月)

コーチングキャリアを通して、岡田武史はいつも思慮深く、非常に論理的な監督であると見られてきた。
だから、今週東戸塚にある横浜F・マリノスの練習グラウンドを訪れ、話を聞いた時私は少し意外に感じた。

土曜日のホームゲーム、対ジュビロ磐田戦を目前に控え、岡ちゃんは2003年のシーズンスケジュールが発表される以前に、こうした状況になる夢を見たのだと話してくれた。
「シーズン最終戦、ジュビロ磐田と優勝を賭けて戦う夢を見ました」彼はこう言った。「大観衆の横浜でジュビロを破り優勝した夢です」

シーズンスケジュールの発表があり、ジュビロとマリノスはファーストステージ初戦を静岡エコパで、そしてセカンドステージ最終戦を横浜国際競技場で戦うことになった。
「夢が現実になろうとしています」岡ちゃんは言う。
「我々は今、非常に良い立場にあり、こうした状況で戦えることは喜ばしいことです」彼の夢の中ではマリノスが2−1か3−2でジュビロを破ったという。そして彼は大事な事は多くの良いプレーと多すぎないゴールの楽しめる試合であることだと言った。
第15節、そして最終節を迎え、ジュビロ(勝ち点26)が2位鹿島アントラーズ(勝ち点24)を2ポイントリードし、マリノスとジェフが勝ち点23で続く。

今週、ほとんどの評論家がそうであるように私も、マリノス対ジュビロ、レッズ対アントラーズの試合結果いかんでの可能性をすべて計算してみた。
私の考える最も可能性の高いシナリオは、マリノス対ジュビロが引き分け、アントラーズが引き分けもしくは負けに終わりジュビロが優勝するというものだ。
アントラーズがこうした状況に豊富な経験を積んできているのはよくわかっているが、出場停止からエメルソンが戻ってくるレッズが勝つだろうと思う。彼を止めるのは無理だ。エメルソンのいないレッズは全く違うチームだ。なぜなら、対戦チームのディフェンダーは田中、永井、そして彼らをサポートするMF山瀬を集中してマークできるからだ。

岡ちゃんの見た夢にはアントラーズは出てこなかった。そしてジュビロ戦に向けて、どう準備するのかもだ。
「アントラーズが勝つか負けるかなんて考えているわけにはいきません。ジュビロ戦に勝つ事に集中するだけ。プレッシャーもありません。とにかくベストをつくすだけです。何が起こるかは神様にしかわかりません」
ジュビロ戦でのマリノスの勝利、そして鹿島の引き分けもしくは敗戦、そうすると岡ちゃんのチームが1ゴール差でタイトルを手にする。これも十分可能である。
あながち夢ではない。

*このコラム(原文)は11月28日に書かれたものです

固定リンク | | コメント (0)


« 2003年11月 | トップページ | 2004年1月 »