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胸を張れ、ジェフ・ファン

2003/11/27(木)

 日曜日の午後に市原スタジアムで観戦した気分は、ハッピーでもあり、悲しくもあった。
 悲しかったのは、ジェフがトリニータと1−1で引き分けたため、ジェフユナイテッド市原のセカンドステージ制覇の可能性が事実上消えてしまったからだ。
 ハッピーだったのは、試合終了後に熱心なファンが選手たちを暖かく受け入れる姿を見たからだ。選手たちはできる限りのことをしたが、この日、この1年を通じて、何かが足りなかった。

 残り1試合の時点で、ジェフのステージ制覇の可能性は、数字上まだ残されているものの、複数の試合の結果がすべて都合の良いようになった場合にという、奇跡に近い確率である。
 したがって、優勝争いは基本的に3つのチームに絞られることになる。まず、ジュビロ磐田。次に、土曜日にジュビロと戦う横浜F・マリノス。それから、鹿島アントラーズ。アントラーズは、土曜日に埼玉で浦和レッズとナビスコカップ決勝戦のリターンマッチを戦う。ジュビロ磐田にとっては悪くない組み合わせだ、と私は思っている。
 日曜日に勝ち点3を取っていれば、ジェフも混とんとした優勝争いに加わっていたのだが、残念ながらそうはならなかった。
 ジェフは前半にリードを許したが、後半に崔龍洙(チェ・ヨンス)がこぼれ球を決め同点に追いつき、以降は勝ち越しゴールをひたすら追い求めた。

 ジェフの問題は、私の感じたところでは、早い時間帯からパニックになり、必死に攻撃を仕掛けすぎたところにあった。
 「韓国の鷲」こと崔龍洙が同点ゴールを決めた時、まだ28分も残っていたのに、ジェフはまるでロスタイムのような戦いぶりで、大分にカウンター・アタックのチャンスを与えてしまっていた。
 この時のジェフで感心したことが1つあるとすれば、このようなことをチーム全体の姿勢として貫いたことである。チーム全体で云々というのは、監督やテクニカル・ディレクターが好んで使う、いわば常套句のようなものであるが、きわめて大切なものである。
 特に、阿部をはじめとして、見事にゲームをコントロールしていた佐藤、両サイドの坂本と村井、2人のストライカーの背後でプレーする羽生が構成する、5人の中盤では、チームとして機能することが基本となる。

 私は阿部が大好きだが、日曜日は大事な時のパス出しが正確ではなかった。
 また、さすがの崔もプレッシャーを感じていたようだ。前半には、これまでの崔なら決めていたはずのチャンスをもらっても、驚いたことに、自分でシュートを打とうとせず、パスを出す相手を探していたくらいだ。
 監督のイビチャ・オシムは、このようなことが起るのではないかと危惧していたそうで、ジェフはこうした重要な試合で勝てるチームにはなっていなかった、と語った。
 これは、ファーストステージとセカンドステージに共通して見られた、今シーズンのホームゲームでおなじみのパターンである。
 ただし、ささやかではあるがパワフルな応援を受け(とりわけ寒くて、風の強いコンディションのなか)、今シーズンのジェフは持てる戦力以上に勇敢な戦いぶりを見せてくれた。
 ジェフのファンは失望などせず、自分たちのチームを誇りに思って欲しい。

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