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おかえり、アツ

2003/10/02(木)

 今シーズンの開幕前、私は、京都パープルサンガの練習グラウンドである日の午後を過ごした。
 目的は、ドイツ人監督のゲルト・エンゲルスへのインタビューであった。エンゲルスは、横浜フリューゲルスを皮切りにジェフ市原、京都の監督を歴任し、Jリーグでさまざまな栄光と苦難を味わった。
 インタビューでヨーロッパの日本人選手の話題が挙がった時、エンゲルスはある選手のことをことさら話題にした。
 「僕が日本で一緒に仕事をした選手のなかで、ヨーロッパで大活躍できる可能性が一番高いと思ったのは、三浦淳宏だったね」とエンゲルスは言った。
 「何でもできたからね…。技術も、身体能力も抜群だったし…、フリーキックもコーナーキックも巧くて、クロスも良かった…、三浦ならヨーロッパでも全然問題ないと確信していたよ。プレースタイルがヨーロッパのサッカーに向いていたからね」

 もちろん、アツ(三浦淳宏)がヨーロッパでプレーすることはなかったが、日本代表選手にはなった。
 日本代表選手として16試合に出場して、1ゴールを記録している三浦は、今週、その実力から当然のことではあるが、北アフリカと東ヨーロッパで2試合を戦う日本代表の短期遠征のメンバーに久々に選ばれた。
 10月8日のチュニジアとの遠征の初戦は、三都主アレサンドロがナビスコカップ準決勝第2戦のため不在の予定で、ジーコには新しいレフトバックが必要であったのだ。
 そこで、ジーコは、アツを試してみることにした。ちなみに、アツは現在29歳で、今回選出された8人のディフェンダーのなかで最年長である。
 ここ数年は故障の連続と体調の不良で苦しんできたアツは、東京ヴェルディと同じく人々の注目から消える運命であるかのように見えた。
 しかし、アツは、オジー・アルディレスが進めたヴェルディ再興の中心的役割を務めるようになり、ジーコもアツは国際舞台でプレーできる段階にまで来たと判断をしたのだろう。

 エンゲルスが列挙した上記の資質とは別に、私は三浦のロングスローは日本の武器の1つになると思う。三浦のスローインは相手のペナルティー・エリアの中まで届くので、コーナーキックと同じ効果があるのだ。
 現在故障中の相馬直樹と同じく、三浦は右利きのレフトバックで、マーカーをかわして外側からクロスを上げることもできれば、内側に切れ込んでシュートを放つこともできる。
 ジーコには、良い働きをした選手は次の試合も起用するという傾向があり、「信用できるのは、前の試合の実績だけ」という方針が基本となっている。
 したがって、大型で当たりは強いが、動きは鈍いと思われるチュニジアとの試合でアツが良い働きを見せれば、その3日後にブカレストで行われるルーマニア戦でも続けて起用されることもあるだろう。

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