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2003年10月

ジェフ・ファンの皆さま、もう少々お待ちを

2003/10/30(木)

 ジェフユナイテッド市原の監督、イビチャ・オシムは、全15節のうち11節が終了した時点でのセカンドステージの順位表を見て、内心喜んでいることだろう。
 ジェフは4位で、トップとはわずか1ポイント差だが、セカンドステージで優勝する可能性があるチームだと思っている人はそうは多くない。
 ファーストステージの王者の横浜F・マリノスとナビスコカップの決勝戦に進出した浦和レッズが本命の2チームと考えられており、その評価は順位表のトップにいる東京ヴェルディ1969よりも高いようだ。
 まさにオシムが望んでいた状況である。

 ファーストステージの第14節、ジェフが清水エスパルスに惨敗したあと、私は日本平で彼と長い、長いおしゃべりをした。
 セカンドステージを見越して、オシムは、自分のチームにはあまり早い時期にトップに立って欲しくない、と語った。ジェフの選手たちはプレッシャーに対処できないと考えていたからだ。
「トップに近いポイント差で4位か5位につけていられたらと思うんだ」とオシム。
「そうすれば、最後の2試合で優勝に向けてスパートをかけられるからね」
 上位のチームがいずれも勝利できなかった先週末の試合が終了した時点で、ジェフは終盤に追い込みをかけるのに完璧な位置にいる。
 ヴェルディとマリノスが勝ち点20で、レッズとジェフが19。さらに少しの差でFC東京が勝ち点17の5位につけている。

 もっとも、ジェフの残り試合の相手も見てみなければならない。
 ナビスコカップの中断後の11月8日、ジェフは低迷する京都パープルサンガと西京極で戦う。
 翌週も、順位表のトップより最下位に近いチームとホームで戦う。相手は、セレッソ大阪である。
 その後、最後から2番目の試合はホームでの大分トリニータ戦。
 もしジェフが上記の3試合のうち1つでも落とすことがあれば、オシムにとって大きな失望となるだろうが、本人は当然全勝で勝ち点9を奪うつもりでいることだろう。
 シーズンの最終戦は優勝を賭けた大一番になる可能性が高いが、11月29日、ジェフは味の素スタジアムでヴェルディ相手にアウェーのゲームを戦う。
 京都、セレッソ、ヴェルディ…この対戦相手はジェフに有利に働くかもしれない。

 土曜日のジュビロ戦で崔 龍洙(チェ・ヨンス)が挙げた終盤の同点ゴールは、スタンドにいた熱烈な市原ファンの涙を誘ったことと思う。
 そして、たぶん、涙を流す機会はまだ何度かやって来るだろう。
 嬉し涙か、悔し涙か?
 結果はすぐに明らかになる。

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FIFAの大きな一歩

2003/10/27(月)

『ジョゼフ・ブラッター氏は毎日50もの新しいアイデアを考える・・・そしてそのうちの51はくだらないものだ』
かつてあるドイツ人のジャーナリストがこう語った。
こうした揶揄は、このFIFA会長をバカにしたものだが、FIFAがワールドカップ直前の会長選を行わないという今回のニュースは大歓迎である。
私はこれまでに、1998年のパリ、に2002年のソウルと、2度のFIFA会長選挙に出席した。 FIFAがこのような重要な選挙を、キックオフの前日に行っていた事は、まったく信じられない事だった。
この時期は、皆がサッカーとサッカー選手のことを考えていなければならないというのに、新聞記事になるのはサッカー界の権力闘争と裏取引のことばかりだった。
フランスではジョアン・アベランジェ氏が引退した後を受け、ブラッター氏がレナート・ヨハンソン氏を破った。
ソウルでは、ブラッター氏がイッサ・ハヤトウ氏を相手に、圧倒的な強さで2期目を勝ち取った。

もともとこの任期は2006年のドイツワールドカップ直前で満了となるはずであった。
しかしFIFAは最近、ブラッター氏の任期を2007年まで延長することを決定した。
これは素晴らしいアイデアだ。
すなわち、2006年ワールドカップ間近には皆がサッカーに集中することができ、そうした政争や会長人事は本来あるべき裏方にもっていくことができる。
さらには、FIFAの会長は2006年ワールドカップ後、会長選挙まで数ヶ月をかけて、様々な未決事項の解決、帳簿の締め、そしてあらゆる業務書類や会計書類の決裁を終わらせることができる。

フランツ・ベッケンバウアー氏が2006年ワールドカップの運営を取り仕切り、そして2007年に立候補するのではないかという噂があるが、まさに見ものだ。
韓国の野心的な家柄出身で、自身も相当な野心家である鄭夢準(チョン・モンジュン)氏も会長選出馬を目指すかもしれない。
いずれにせよ、会長選挙を1年遅らせるという今回のFIFAの決定は素晴らしい事である。

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クジ運に恵まれたオリンピック代表

2003/10/23(木)

 サッカー日本代表がアテネ五輪に出場できるかどうか、多くの人が気にかけていることと思う。
 しかし、組み合わせ抽選が終わってみれば、不安は楽観に一変したに違いない。
 日本は明らかにクジ運に恵まれ、グループBからの出場枠1を獲得できそうである。
 全体を概観してみよう。
 グループAは韓国、中国、マレーシアが構成し、グループBは日本とバーレーン、アラブ首長国連邦(UAE)。そしてグループCはクウェート、サウジアラビア、オマーン、それからイラクまたは北朝鮮。
 それぞれのグループの1位がアテネ五輪の出場権を手に入れることになる。
 韓国、日本、クウェートの3ヶ国が第1シードとして3つのグループに振り分け分けられたのだが、日本にとってラッキーだったのは、中国およびサウジアラビアとの対戦を回避できたことだ。

 今回の日本チームは2000年の大会のチームに比べて個性や才能にかけているものの、私は出場権獲得についてはずっと楽観的に考えていた。ただし、中国との対戦だけは心配の種であった。
 1年前、韓国・プサンで開催されたアジア大会で日本と中国との試合を見て、中国にはとても感心させられた。
 この準々決勝の試合は、「ガンバのゴン」こと中山の素晴らしいゴールで日本が勝ったものの、中国の試合内容は見事で、とても危険な相手に思えた。
 だから、中国がグループAに入ってほっとしている。ちなみに、グループAは、韓国、イランが同居する大激戦区である。
 アジア・サッカー連盟の事務局長である、ピーター・ベラパン氏は、グループAを「死のグループ」と形容した。まさにその通りだが、それならグループBは「喜びのグループ」といったところか。日本が、アトランタ、シドニーに続く3大会連続の出場権を獲得する素晴らしいチャンスに恵まれたからだ。

 もちろん、日本もタフな試合に何度か遭遇するだろう。とりわけUAEは、巨費を投じてトップクラスの監督を招聘しているため、いつもベストコンディションで戦いに臨んでくるし、組織力もある。
 とはいえ、ハイレベルなJリーグで育まれてきた日本選手の能力、チームワーク、経験があれば、このグループは充分勝ち抜くことができるだろう。

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レッズを推す隠れたファン

2003/10/20(月)

横浜F・マリノスの強さが、昨年のジュビロ磐田のように両ステージ完全制覇を達成できるほどのものであることは、疑うべくもない。
もし、岡田武史監督率いるこのチームが2ステージ制覇を遂げたとしたら、東アジアサッカー連盟とジーコ監督にとっては喜ばしい事だ。なぜなら、12月4日から10日にかけて開催される東アジアサッカー選手権・決勝大会にすべてのJリーグ選手が出場可能になるからだ。
マリノス以外のチームがセカンドステージで優勝した場合は、12月6日〜13日のチャンピオンシップ大会出場のために、マリノス及びセカンドステージ覇者の選手たちは出場が不可能となってしまう。

Jリーグはもちろん、収益とリーグのアピールのためにチャンピオンシップ大会の開催を望んでいる。
チェアマンの鈴木氏は、昨年ジュビロ磐田の両ステージ完全制覇による損失額を7億円と述べた。これは相当のお金持ちにとっても巨額のお金だ。
リーグとしてはもちろん特定のチームを贔屓するわけにいかない。しかし、リーグにとって最善のシナリオとは、浦和レッズがセカンドステージで優勝し、チャンピオンシップ大会でマリノスと対戦することだ。
満員の観客に埋め尽くされた収容人員70000人の横浜国際競技場と、63000人のさいたまスタジアム2002、チームカラーの赤と青はテレビで見ても壮観であろう。そして阪神タイガースとヤンキースの松井に話題を奪われた今年の最後にサッカーを目立たせることができる。

東アジアサッカー選手権・決勝大会はFIFAの国際マッチスケジュールに含まれておらず、各チームは選手を手放す必要がない事も手伝って、ジーコ監督が欧州組の主力選手を呼び戻すことはできないだろう。
欧州組に加え、マリノスとレッズ(もし彼らがセカンドステージ優勝の場合だが)の選手達を除くとなると、ジーコ監督はどうしてもニューフェースを代表として加えなくてはならなくなる。
個人的には、これはジーコ監督にとって良いテストになると思う。それはジーコ監督のゲームプランの重要性が高くなるからだ。

最高の選手達とピッチ上のキャプテン中田に指揮を任せてしまうかわりに、今回は比較的楽な対香港戦、そしてタフな試合になるであろう対中国戦、対韓国戦において、ジーコ監督は招集した選手に合わせたしっかりとした戦術と戦略を採用しなければならない。
レッズのセカンドステージ優勝、そしてジーコ監督の新代表選出、個人的にはどちらも良いのではないかと思っている。

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キング・アマラオの治世はいつまで?

2003/10/16(木)

 首都のJリーグファンにとって、今度の土曜日、全ての道は味の素スタジアムのFC東京対浦和レッズ戦に続いている。
 どちらのチームのファンも、けたたましく、色彩豊かなスペクタクルを提供してくれるので、エキサイティングな試合が観られ、すばらしい経験ができることだろう。
 FC東京は前回のホーム・ゲームで鹿島アントラーズを5−1と圧倒したし、浦和レッズは先日のナビスコカップ準決勝の第2戦、駒場で清水エスパルスから6点を奪っている。
 どう考えても、土曜日の試合が0−0の引き分けになるなんてことはない!

 FC東京対アントラーズ戦の前、とあるFC東京ファンから、セカンドステージ最終節の日は柏に行ってはどうかと勧められた。その試合は、「東京の王様」ことアマラオのリーグ最終戦となり、FC東京が特別なセレモニーを行うから、というのが理由だった。
 その親切なサポーターの話によると、これまでFC東京に多大な貢献を果たしてきたアマラオはその試合を最後に引退するらしい。

 アントラーズ戦でのアマラオは調子が良く、ファーサイドのゴールラインぎりぎりのところからヘディングで1ゴールを記録したほか、その他の得点にもからんでいた。
 試合後、私はアマラオ本人に引退説について訊いてみた。以下に彼の発言を記す。
「今シーズンが終わっても、あと2年はプレーを続けられると思うよ。モチベーションを高く維持できているからね」
 アマラオは木曜日(*10月16日)、37歳の誕生日を迎える。
「もちろん、できればFC東京でプレーを続けたい。このチームが好きだし、自分の経験を若い選手たちに伝えることもできる。」
「でも、J2でプレーすることにも興味があるんだ。FC東京のJ1昇格に貢献できた時も、すごい充実感があったからね。FC東京でプレーできないなら、他のクラブで同じような経験がしたいね。」
「僕はこれまで、1シーズンでだいたい15〜16ゴールを記録しているけど、今年はリーグ戦で2ゴールしか挙げていない。でも、チームには今でも大いに貢献しているし、他の選手のゴールもアシストしている。僕は、自分のやっていることに満足している。チームが強くなっているんだからね」
 アマラオは、浦和戦では自分のゴール数を増やそうと必死だろうし、今度の試合自体も激烈なものとなるだろう。相手が、東京の監督である原博実の古巣ということも、面白い伏線である。

*1966年10月16日生まれ

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代表デビュー、輝く加地

2003/10/13(月)

木曜早朝の日本対チュニジア戦を観るために4時25分に起きた皆さんの体内時計は元に戻っただろうか?
きっとFC東京のファンの皆さんは、加地亮と茂庭照幸の活躍のおかげで早朝スタートの試合にもかかわらず早起きの後遺症はないことだろう。
両選手は代表チームのデビューを果たし、2人共素晴らしい出来であった。
特に加地の態度はプロフェッショナルで、自信に満ち、職人気質を感じさせるものだった。
彼は非常に運動能力に優れた右サイドバックであり、後半にはもう少しで得点を挙げることができた。

日本が1−0でリードしていたにも関わらず、加地は後ろに下がって守備をする事に満足しなかった。
彼は右サイドを駆け上がり、鈴木隆行からの絶妙なパスを受けた。
そして加地はサイドステップでコールキーパーをかわしシュートを放った。しかし、それは大柄でたくましいチュニジアのキャプテンで、センターバックのハレド・バドラに阻まれた。
加地の攻撃に対する決断と責任感は、プレーそのもの以上に、キャプテン中田英寿にも感銘を与えたようだ。
茂庭もまた、ディフェンスの中心で中沢とともに落ち着いて見えた。そして、柳沢の見事なゴールは茂庭の中央のパスから生まれたのだ。

さて、ジーコ監督は土曜夜の対ルーマニア戦に向けて何をするだろうか?
彼はこの一時的な、加地―中沢―茂庭―三浦のディフェンスラインをそのまま使うのか、それとも山田、坪井、三都主に戻すのだろうか。
山田―坪井―宮本―三都主のラインは、対アルゼンチン戦の失敗でジーコ監督が色々な変更を重ねた後、コンフェデレーションズ・カップ前の親善試合、対パラグアイ戦で採用したものだ。
しかし、彼らがパラグアイ戦で得点を許さなかったため、ジーコ監督がディフェンスのラインとしてフランスでも選択したのだ。
監督はチュニジア戦でプレーした4人を同じように使うのだろうか?
それは20%の視聴率が見込まれる土曜夜のテレビ放送で明らかになるだろう。チュニジア戦の視聴率はわずか2.1%だったが・・・。

*本コラム(原文)は10日に書かれたものです

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アントラーズ時代の終焉?

2003/10/09(木)

 土曜日の味の素スタジアム、FC東京が5−1で鹿島アントラーズを圧倒している試合を観戦していたら、自分は1つの時代の終焉を目撃しているのかもしれないと思えてきた。
 1996年以来4度のリーグ制覇、3度のナビスコカップ優勝、2度の天皇杯優勝を誇った、アントラーズ時代の終焉である。
 かつてのアントラーズはそこにはなかった。もちろん、どんなチームだって、2人が退場を食らっていれば勝負にはならないもので、アントラーズは、前半に名良橋がペナルティーボックスのすぐ外で戸田を倒し、後半には小笠原が2枚目のイエローカードをもらって退場処分となっていた。
 小笠原は前半に石川に対するファールで1度警告を受け、後半には茂庭との小競り合いのあとに2枚目のイエローカードをもらった。正直言って、私はどちらのケースもFC東京の選手が要領良く立ち回った結果だと思う。とりわけ、茂庭はきわめて巧妙であったし、2枚目のイエローカードは小笠原には気の毒であった。
 とはいえ、それだけが、アントラーズがゲームのあらゆる局面で圧倒された理由とはならないだろう。

 前半、FC東京が2−0でリードしていた時にはすでに、ホームのファンはパスが通るたびに「オーレ!」と揶揄の声を上げていた。ファンは、闘牛士に翻弄される、年老いて、くたびれきった闘牛にアントラーズの選手を見立てていたのだ。闘牛と同じように、結果は火を見るより明らかで、FC東京はさらに3点を上げ、哀れな生贄にとどめの剣を突き刺した。
 アントラーズの広報によると、鹿島がリーグ戦でこれほどの大敗を喫したのは、1995年にベルマーレ平塚に7−0で敗れた時以来だそうだ。
 鹿島の守備陣は年をとりつつあり、それに取って代わるべき羽田や金古といった選手たちはいつも故障を抱えているように見える。

 試合前、クラブの社長である牛島洋氏に聞いたところによると、不運な中田浩二はヒザの手術を受け、復帰は来シーズンのセカンドステージになるかもしれないそうだ。
 中盤に中田浩二の狡猾さときめ細かさを欠いているのが、アントラーズの泣き所だろう。私自身は、日本の歴代の名選手に比べて優るとも劣らない才能を持つ青木に大いに期待したいところではあるが。
 攻撃陣では、柳沢と鈴木がヨーロッパのクラブにレンタル移籍しており、エウレルは故障、長谷川は引退で、残っているのは平瀬とルーキーの深井だけで、ティーンエイジャーの中島が交替要員を務めているという有り様である。
 アントラーズには明らかに得点力が不足しており、今シーズンのセカンドステージ制覇はかなり厳しいのではないかと思う。
 アントラーズのファンは優勝慣れしているが、しばらくは忍耐が必要になるだろう。

 最後に、FC東京にも一言。約3万人の観客が詰めかけた、土曜日の「ブラジルDay」は、活気に満ちた、色彩豊かなスペクタクルであった。ホームチームが攻勢に出て、ゴールのアナウンスがポルトガル語で流されるたび、アントラーズのトニーニョ・セレーゾ監督は背筋がぞっとしたことだろう。
 アントラーズが、憎らしいほどに強かった数年前の状態に戻るには、まだまだ時間がかかるようだ。

*本コラムは、10月7日に書かれたものです。

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“ブラジルDay”の主役、加地

2003/10/05(日)

今週土曜日、FC東京の対鹿島アントラーズ戦は、“ブラジルDay”である。しかし注目すべきは初の日本代表入り間近の一人の若い日本人選手だ。
味の素スタジアムでエキゾチックなサンバダンサーズがファンを迎え、ミニ・リオ・カーニバル・パレードが行われた後、FC東京の右サイドバック、加地亮はジーコ監督が彼を10月8日、チュニスで行われる対チュニジア戦のメンバーになぜ選んだのか、証明してみせる事だろう。

兵庫県出身、23歳の彼の選出は、特に、今シーズン初めに早稲田大学の学生でもある徳永悠平にポジションを奪われていた事もあって、多くの人を驚かせた。
しかし、クラブの常務取締役、村林裕氏は加地の能力について一度も疑ったことがないと言う。
「シーズンの始まる前、1月や2月に私は、加地は今年、代表候補になると言い続けていました」村林氏は言う。
「ですから彼の選出は私にとっては驚きではありませんでした。選出後、火曜日に彼と話をしましたが、彼はいつも落ち着いているので、どう感じているのかはわかりませんでした」
「ただ、チームメイトが言うには、すごく喜んでいたようです」
村林氏は加地がオリンピック代表、徳永にポジションを奪われた後も、ポジションを奪い返そうという固い意志を見せていたと付け加えた。
「徳永が良かったので、加地はベンチに座る事になってしまいました」
「しかし、彼は一切不満も言わず、練習でも成果を上げ、また、ピッチ外でも常にポジティブでした。そうした時期の彼にクラブの皆は非常に感心していました。こうした経験が彼をより強くしたのだと思います」村林氏は言う。

クラブは毎年1回“ブラジルDay”を開催する。優勝候補の対鹿島戦には35000人の観衆を予測している。
ファンのために、ブラジルビールとブラジル料理が用意され、また、スペシャルゲストとして駐日ブラジル大使が招待される。
またFC東京は、キックオフ前にアントラーズのトニーニョ・セレーゾ監督を含め、両チームのブラジル出身選手に花束を贈呈する。
しかしお祭りはここまでである。
「まだセカンドステージ優勝を狙えると思っています」村林氏は言う。
「7試合を残して、首位とはわずか5ポイント差です。まずは対鹿島戦をはじめ、4試合のホームゲームに勝つことです」
「今回は5回目の“ブラジルDay”です。なんと言っても過去4回は全て勝っているのですから」

 *本コラム(原文)は10月3日に書かれたものです。

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おかえり、アツ

2003/10/02(木)

 今シーズンの開幕前、私は、京都パープルサンガの練習グラウンドである日の午後を過ごした。
 目的は、ドイツ人監督のゲルト・エンゲルスへのインタビューであった。エンゲルスは、横浜フリューゲルスを皮切りにジェフ市原、京都の監督を歴任し、Jリーグでさまざまな栄光と苦難を味わった。
 インタビューでヨーロッパの日本人選手の話題が挙がった時、エンゲルスはある選手のことをことさら話題にした。
 「僕が日本で一緒に仕事をした選手のなかで、ヨーロッパで大活躍できる可能性が一番高いと思ったのは、三浦淳宏だったね」とエンゲルスは言った。
 「何でもできたからね…。技術も、身体能力も抜群だったし…、フリーキックもコーナーキックも巧くて、クロスも良かった…、三浦ならヨーロッパでも全然問題ないと確信していたよ。プレースタイルがヨーロッパのサッカーに向いていたからね」

 もちろん、アツ(三浦淳宏)がヨーロッパでプレーすることはなかったが、日本代表選手にはなった。
 日本代表選手として16試合に出場して、1ゴールを記録している三浦は、今週、その実力から当然のことではあるが、北アフリカと東ヨーロッパで2試合を戦う日本代表の短期遠征のメンバーに久々に選ばれた。
 10月8日のチュニジアとの遠征の初戦は、三都主アレサンドロがナビスコカップ準決勝第2戦のため不在の予定で、ジーコには新しいレフトバックが必要であったのだ。
 そこで、ジーコは、アツを試してみることにした。ちなみに、アツは現在29歳で、今回選出された8人のディフェンダーのなかで最年長である。
 ここ数年は故障の連続と体調の不良で苦しんできたアツは、東京ヴェルディと同じく人々の注目から消える運命であるかのように見えた。
 しかし、アツは、オジー・アルディレスが進めたヴェルディ再興の中心的役割を務めるようになり、ジーコもアツは国際舞台でプレーできる段階にまで来たと判断をしたのだろう。

 エンゲルスが列挙した上記の資質とは別に、私は三浦のロングスローは日本の武器の1つになると思う。三浦のスローインは相手のペナルティー・エリアの中まで届くので、コーナーキックと同じ効果があるのだ。
 現在故障中の相馬直樹と同じく、三浦は右利きのレフトバックで、マーカーをかわして外側からクロスを上げることもできれば、内側に切れ込んでシュートを放つこともできる。
 ジーコには、良い働きをした選手は次の試合も起用するという傾向があり、「信用できるのは、前の試合の実績だけ」という方針が基本となっている。
 したがって、大型で当たりは強いが、動きは鈍いと思われるチュニジアとの試合でアツが良い働きを見せれば、その3日後にブカレストで行われるルーマニア戦でも続けて起用されることもあるだろう。

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