冷静さを保つオフト監督
水曜夜、味の素スタジアムはまさに接戦だった。
私が言いたいのはナビスコカップ準決勝、FC東京対浦和レッズの第2戦のことではない。
大事な試合に華を添えた二つのサポーターグループのことである。
公式発表の観客数は17,343人であったが、両サイドのサポーターから上がる歓声でその倍の観客数であったように感じた。
結果は皆さんもご存知の通り、ブラジル人FWエメルソンの絶妙な2ゴールで浦和が2−0で勝った。
このアウェーでの対FC東京2−0の勝利に加え、セカンドステージ緒戦、対ジュビロ磐田3−1の圧勝はレッズの大きな進歩の表れである。
試合後、ハンス・オフト監督と話をした際に、私はセカンドステージのタイトルが狙えるのではと彼に尋ねた。
「いや、まだだね」彼は慎重に答えた。
「1試合1試合、1週間1週間を大事にして、そして8試合か9試合、いや、10試合終わった時点でハッキリするんじゃないかな」
「過剰な期待はしてないよ。空想にふけることもしない」
しかし、オフト監督は彼のチームが、そして選手達が強くなってきている事は充分わかっている。
山田、坪井、そして永井は今年に入って日本代表の経験もした。さらに鈴木、山瀬、そして田中はオリンピックU−22代表メンバーだ。
FC東京戦では、ワールドカップのロシア代表、ユーリ・ニキフォロフが素晴らしい働きをした。不運にもハムストリングの負傷をしたゼリッチも間もなく復帰する。オフト監督は他の監督が羨むようなメンバー選択のジレンマに陥る事になる。
「すべては選手のおかげだ。この1年半、彼らは非常に頑張ったと思うよ。だからチームも強くなったんだ」彼は言う。
セカンドステージが始まったばかりのこの時期、選手達に無用なプレッシャーを与えないためにも、当然ながらオフト監督はチームのチャンスを控えめに受けとめなければならない。
しかし、私は心からレッズには充分チャンスがあると感じている。
さらには、横浜F・マリノス対浦和レッズのプレーオフは最高の見せ場になるのではないだろうか。
第1戦、横浜国際総合競技場での70,000人の観衆、そして埼玉スタジアムでの第2戦、60,000人の観衆を想像してみてもらいたい。
スタジアムを埋め尽くす日産ブルーと三菱レッド、まさに素晴らしい光景となることだろう。しかしまだ道のりは遠い。
オフト監督の言葉通り、空想に浸るヒマはない。
もちろんレッズのファンもである。
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