仙台の賢明な選択
勝ち点48点中5点しかとれないという事は、チームは何かが変わらなければならないという事だ。
ベガルタ仙台の場合、去らなければならなかったのは今週早々に解任された監督清水秀彦だった。
仙台は最初の4試合を3勝1分けと、勝ち点12点中10点を獲得し、好調な滑り出しであった。
しかし、彼らの最後の勝ち試合は4月19日で、それ以来5分け11敗である。
両ステージ合わせて最下位の仙台にとって、監督解任は避けられないことだっただろう。
不調が続いているにもかかわらず、仙台のファンはチームを応援しつづけ、ホーム試合には毎回スタジアムを埋めてきた。このサポートを失うのはJ1にとって大きな損失であり、Jリーグの誰もが仙台のJ2降格を望むはずがないことは明白だ。
チームは新しい監督人事で2つの賢明な選択をした。
一つは、ズデンコ・ベルデニックを選んだことだ。
彼はジェフ市原でその敏腕を振るい、市原のフロントの怒りを買いつつも名古屋グランパスエイトに引き抜かれた。
名古屋では2002年のファーストステージで大きな期待を持たせたが、セカンドステージでは尻すぼみになった。
今シーズン、ファーストステージでは引き分けがあまりに多かったが、それでも上位に食い込んでいる。私が思うに、グランパスは彼を解雇するのが早すぎたように思う。なぜなら、シーズン当初から彼はファーストステージでチームの下地を作り(まさにそれが彼のした事だった)、セカンドステージで優勝を狙うと話していた。
間違いなくベルデニックは仙台を引き締めることができるはずだ。しかし試合に勝つためには得点をあげなければならない。
2つ目は、仙台がこのスロベニア人監督と2005年のシーズン終了まで、2年4ヶ月の契約を結んだことだ。
この事は、日本サッカー界にとって大きな前進だと思う。ちょうど、鹿島アントラーズのようなチームが主力選手達と1年契約でなく長期契約を結ぶのと同じである。
なぜなら、それはチームに継続性をもたらし、監督は安心して2〜3シーズンかけて何かを築く事ができるからだ。
ベルデニックは現在まだスロベニアでビザが発給されるのを待っているが、仙台をJ2降格から救う時間は充分ある。
まだ10試合残っており、すなわち30点の勝ち点がかかっている。監督の交代は得てして事態の好転を招いたりするものだ。
ただし、仙台が望んでいるものは長期展望のできる成長で、だからこそベルデニックとこのような契約を結んだのだ。
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