「シックス・ポインター」を制するものが、セカンドステージを制する
今シーズンのファーストステージは熾烈な優勝争いが見られたが、セカンドステージの優勝争いはさらに激しくなるかもしれない。
全15節のうちの7節が終了した時点で、勝ち点3差で上位8チームがひしめき合っている状況は、「シックス・ポインター(six pointer)」がたくさん残っていることを意味する。
日本でどう言うのかは分からないが、イングランドでは、「シックス・ポインター」は、優勝、昇格、あるいは降格をかけたチーム同士の重要な直接対決を意味する。
直接対決で勝利したチームは勝ち点3を得ることができるが、大切なことはそれだけでなく、ライバル・チームが貴重な勝ち点3を得るチャンスを奪うこともできるのだ。「シックス・ポインター(勝ち点6の価値がある試合)」と呼ばれる所以だ。
今週の土曜日、味の素スタジアムで東京ヴェルディ1969と名古屋グランパスエイトが対決する試合は、正真正銘の「シックス・ポインター」である。
火曜日の祝日に組まれた試合が終了した時点では、グランパスが勝ち点13で首位に立っており、得失点差で鹿島アントラーズがこれに続いている。
ヴェルディ、横浜F・マリノス、ジェフ市原、柏レイソルは、いずれも勝ち点12。さらに、浦和レッズが勝ち点11、ガンバ大阪が同10という状況だ。
ファーストステージは、残り2試合の時点で6チームに優勝の可能性があり、最終日になっても3チームが優勝争いに参加していたが、最後は横浜F・マリノスが栄光を手にした。
火曜日の試合は、味の素スタジアムのFC東京対ジュビロ戦と、駒場のレッズ対ジェフ戦以外、どれも観客にとっては少し物足りない内容であった。
おそらくこれは、上位のチームが順位表の位置に相応しいような格別素晴らしいプレーをしているわけではないからであり、ファンもまだ半信半疑なのだろう。
たとえばアントラーズは、セカンドステージの7試合で8ゴールしか記録していない。得点力不足は、アントラーズにとって、中田浩二の故障欠場と同じくらい大きな痛手となるかもしれない。
少ない得点で勝ち点3を得るために、アントラーズを毎試合「帳尻」を合わせなければならない(つまり、ゴールを与えないようにしなければならない)。相手チームから見れば、1点を先に奪えばアントラーズにプレッシャーをかけることができるわけで、京都パープルサンガはこれを見事に実践し、火曜日のカシマスタジアムで1−1の引き分けに持ち込んだ。
現時点では、確たる優勝候補と言えるようなチームはまったくなく、おそらく好内容の試合を最初に数試合続けることができたチームが混戦を抜け出すことになるのだろう。
8月に、私はジュビロがセカンドステージを制すると予想した。現在、ジュビロは10位に低迷しているが、今も私の予想は変ってはいない。数字の上で注目すべき点は、ジュビロは現在勝ち点9で、トップとはまだ4差しかないということだ。
このような差は、残り試合の勝ち点が最大24もあり、「シックス・ポインター」がまだたくさん残されている現状では、まったく無いも同然なのである。
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