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2003年9月

“キーパースィーパー”楢崎へ、パナディッチの応援

2003/09/28(日)

ヨーロッパの各リーグのシーズンが本格化してきた今、海外に拠点を置く日本人選手たちがニュースを賑わしている。
来月早々に行われる2つの親善試合、対チュニジア戦、そして対ルーマニア戦に、ジーコ監督は全員ではないにせよ、その選手たちの多くを呼び戻すようだ。

日本で常に興味深い話題になるのは、Jリーグのどの選手が次にヨーロッパへ行くのかということである。
ファンにはそれぞれ独自の考えがあるようだが、それには正しいとか間違っているという事はない。なぜなら我々の話題に上るほとんどの選手にはヨーロッパに渡るチャンスはないからだ。
我々がそうした選手を考える場合どうしてもフィールドプレーヤーばかり考え、ゴールキーパーの事を忘れがちだが、私は楢崎正剛こそヨーロッパで成功できると考えている。
身長185㎝、これはキーパーとして充分であろう。しかし体重76kgはやや軽すぎるように思える。もし彼が、例えばイングランドに行くとしても、熾烈なセンターフォワードとセンターバックの闘いの中でゴールを守るために、ラフで激しいペナルティボックスでの戦いを覚悟しなくてはいけない。そのためにももっと体を大きくする必要がある。

しかし、楢崎は今や、不運続きの川口能活を大きく引き離して日本のベストキーパーに育ったと思う。現在では曽ヶ端準がスターティングスポットを争うライバルである。
楢崎はペナルティエリアを支配し、川口よりも空中戦においてクロスに飛び出すタイミングに優れている。さらに、彼は勇敢で優れたシュートストッパーでもある。但し、これはほとんどのキーパーにも言えることである。ポジショニングと判断能力が大きな違いを生むのだ。

楢崎の所属する名古屋グランパスエイトは今週末を迎え、リーグ首位である。私は、金曜日にグランパスのディフェンダー、アンドレイ・パナディッチと楢崎について話をした。
この長身のクロアチア人選手は「彼には非常に安心感がある。とても良いよ」と話した。
「人柄もすごくいいしね。だからキャプテンなんだ」

パナディッチは楢崎の最大の弱点はコミュニケーション不足だと言う。ディフェンダーと協力せねばならないゴールキーパーにとって、これは致命的とも言えるものだ。
「時として、彼は寡黙すぎる。ただし、これはほとんどの日本人選手にあてはまる事だけど」彼は言う。
「何をしなければならないか、お互いに声をかけあわなきゃ。自分もチームメートも助け合わなきゃならないよ」
とは言え、全般的にはパナディッチは楢崎がヨーロッパへ移籍しても何の問題もないだろうと言う。
「彼はヨーロッパでやっていけるだけの資質は持っているよ。バルセロナやレアル・マドリードのようなチームではなく、普通のチームならね」
「彼はとても強いし、試合を読むのもうまい。特にディフェンスの上を越すようなロングボールへの対処は良いよ。まるでリベロみたいだね」
「コミュニケーションについては、これから学べるよ」

次にどの選手が海外でプレーできるかと誰かに尋ねられたら、忘れられたゴールキーパーへも思いを巡らせてみると良い。

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「シックス・ポインター」を制するものが、セカンドステージを制する

2003/09/25(木)

 今シーズンのファーストステージは熾烈な優勝争いが見られたが、セカンドステージの優勝争いはさらに激しくなるかもしれない。
 全15節のうちの7節が終了した時点で、勝ち点3差で上位8チームがひしめき合っている状況は、「シックス・ポインター(six pointer)」がたくさん残っていることを意味する。
 日本でどう言うのかは分からないが、イングランドでは、「シックス・ポインター」は、優勝、昇格、あるいは降格をかけたチーム同士の重要な直接対決を意味する。
 直接対決で勝利したチームは勝ち点3を得ることができるが、大切なことはそれだけでなく、ライバル・チームが貴重な勝ち点3を得るチャンスを奪うこともできるのだ。「シックス・ポインター(勝ち点6の価値がある試合)」と呼ばれる所以だ。

 今週の土曜日、味の素スタジアムで東京ヴェルディ1969と名古屋グランパスエイトが対決する試合は、正真正銘の「シックス・ポインター」である。
 火曜日の祝日に組まれた試合が終了した時点では、グランパスが勝ち点13で首位に立っており、得失点差で鹿島アントラーズがこれに続いている。
 ヴェルディ、横浜F・マリノス、ジェフ市原、柏レイソルは、いずれも勝ち点12。さらに、浦和レッズが勝ち点11、ガンバ大阪が同10という状況だ。
 ファーストステージは、残り2試合の時点で6チームに優勝の可能性があり、最終日になっても3チームが優勝争いに参加していたが、最後は横浜F・マリノスが栄光を手にした。

 火曜日の試合は、味の素スタジアムのFC東京対ジュビロ戦と、駒場のレッズ対ジェフ戦以外、どれも観客にとっては少し物足りない内容であった。
 おそらくこれは、上位のチームが順位表の位置に相応しいような格別素晴らしいプレーをしているわけではないからであり、ファンもまだ半信半疑なのだろう。
 たとえばアントラーズは、セカンドステージの7試合で8ゴールしか記録していない。得点力不足は、アントラーズにとって、中田浩二の故障欠場と同じくらい大きな痛手となるかもしれない。
 少ない得点で勝ち点3を得るために、アントラーズを毎試合「帳尻」を合わせなければならない(つまり、ゴールを与えないようにしなければならない)。相手チームから見れば、1点を先に奪えばアントラーズにプレッシャーをかけることができるわけで、京都パープルサンガはこれを見事に実践し、火曜日のカシマスタジアムで1−1の引き分けに持ち込んだ。

 現時点では、確たる優勝候補と言えるようなチームはまったくなく、おそらく好内容の試合を最初に数試合続けることができたチームが混戦を抜け出すことになるのだろう。
 8月に、私はジュビロがセカンドステージを制すると予想した。現在、ジュビロは10位に低迷しているが、今も私の予想は変ってはいない。数字の上で注目すべき点は、ジュビロは現在勝ち点9で、トップとはまだ4差しかないということだ。
 このような差は、残り試合の勝ち点が最大24もあり、「シックス・ポインター」がまだたくさん残されている現状では、まったく無いも同然なのである。

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仙台の賢明な選択

2003/09/21(日)

勝ち点48点中5点しかとれないという事は、チームは何かが変わらなければならないという事だ。
ベガルタ仙台の場合、去らなければならなかったのは今週早々に解任された監督清水秀彦だった。
仙台は最初の4試合を3勝1分けと、勝ち点12点中10点を獲得し、好調な滑り出しであった。
しかし、彼らの最後の勝ち試合は4月19日で、それ以来5分け11敗である。
両ステージ合わせて最下位の仙台にとって、監督解任は避けられないことだっただろう。
不調が続いているにもかかわらず、仙台のファンはチームを応援しつづけ、ホーム試合には毎回スタジアムを埋めてきた。このサポートを失うのはJ1にとって大きな損失であり、Jリーグの誰もが仙台のJ2降格を望むはずがないことは明白だ。

チームは新しい監督人事で2つの賢明な選択をした。
一つは、ズデンコ・ベルデニックを選んだことだ。
彼はジェフ市原でその敏腕を振るい、市原のフロントの怒りを買いつつも名古屋グランパスエイトに引き抜かれた。
名古屋では2002年のファーストステージで大きな期待を持たせたが、セカンドステージでは尻すぼみになった。
今シーズン、ファーストステージでは引き分けがあまりに多かったが、それでも上位に食い込んでいる。私が思うに、グランパスは彼を解雇するのが早すぎたように思う。なぜなら、シーズン当初から彼はファーストステージでチームの下地を作り(まさにそれが彼のした事だった)、セカンドステージで優勝を狙うと話していた。
間違いなくベルデニックは仙台を引き締めることができるはずだ。しかし試合に勝つためには得点をあげなければならない。

2つ目は、仙台がこのスロベニア人監督と2005年のシーズン終了まで、2年4ヶ月の契約を結んだことだ。
この事は、日本サッカー界にとって大きな前進だと思う。ちょうど、鹿島アントラーズのようなチームが主力選手達と1年契約でなく長期契約を結ぶのと同じである。
なぜなら、それはチームに継続性をもたらし、監督は安心して2〜3シーズンかけて何かを築く事ができるからだ。
ベルデニックは現在まだスロベニアでビザが発給されるのを待っているが、仙台をJ2降格から救う時間は充分ある。
まだ10試合残っており、すなわち30点の勝ち点がかかっている。監督の交代は得てして事態の好転を招いたりするものだ。
ただし、仙台が望んでいるものは長期展望のできる成長で、だからこそベルデニックとこのような契約を結んだのだ。

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トップリーグは、Jリーグのライバル?

2003/09/18(木)

 Jリーグが、瞬く間に日本のスポーツ・シーンになくてはならない存在となったのは、誰もが認めるところだろう。
 発足はほんの少し前の1993年であったが、リーグはしっかりとした基盤を築き、ほとんどのクラブはそれぞれの地域に溶け込んでいる。
 だからといって、Jリーグの役員がふんぞりかえり、悠々と構え、将来の展望を考えてもいない、ということでもないようだ。
 今週私が耳にしたところによると、先週の土曜日、フェアプレーと面白いゲームを呼びかけたマッチコミッショナーが少なくとも一人はいたらしい。新たに全国リーグを発足させたスポーツが他にあり、新たなファンの獲得を狙っているから、というのがその理由だったそうだ。

 マッチコミッショナーが言及していたのはラグビー協会のことである。先週の土曜日、12チームが参加するラグビーの「トップリーグ」が東京・国立競技場で開幕したからだ。
 マッチコミッショナーは試合前に両チームの代表者を同じ席に集めるのも仕事の1つだが、この時のマッチコミッショナーは、ミーティングの席上で、スポーツファンの土曜日、日曜日の午後の過ごし方にラグビー観戦という選択肢が増えたのだ、と述べたそうだ。
 つまり、今後も観客が集まるようにするには、健全かつ公正で、楽しいショーを披露することがJリーグにとって大切である、ということらしい。

 この話を聞いて、私はとても興味深いニュースだと思った。
 これは、Jリーグがラグビーを恐れているということではなく、選手たちがもっと大きな視点を持ってゲームに臨まなければならないということなのである。
 スポーツ記者として私は、イングランド、香港、日本でラグビーのニュースを伝えてきたし、ラグビーの魅力も知っている。
 特に今年は、10月と11月にオーストラリアでラグビーのワールドカップが開催され、そして日本は、スコットランド、フランス、フィジー、米国と対戦する予定だ。

 イングランドと香港では、それぞれの競技の観客層は完全に異なっている。
 イングランドでは、ラグビーはアッパーミドルクラスのためにあり、サッカーは労働者のスポーツだった。
 ラグビー・ファンは、サッカー・ファンはみんなフーリガンで野蛮人だと考えていて、サッカー・ファンには、ラグビー・ファンはお上品な家柄に育ったスノッブだと考えていた。
 香港では、サッカーは地元の中国人のためにあり、ラグビーは英国、オーストラリア、ニュージーランドや他の国々から来た外国人のものだった。

 おそらくJリーグにとっての大きな懸念は、1993年のJリーグ・ブームと同じように、2003年にラグビー・ブームがおこるかもしれないということだろう。
 新たなラグビー・シーズンの開幕を告げる神戸製鋼対サントリーの試合に3万5000人の観客が詰めかけたという事実は、興味を抱いている人がそれだけいるといことであり、大学ラグビーの大人気から推し量っても、ラグビーにそれだけの集客力があったということだろう。
 しかし、ラグビーのクラブはいまだに企業に所属しており、ホームタウンそのものとの結びつきはさほどではない。
 この点については、Jリーグのやり方は見事で、クラブは企業の支援を受けるだけでなく、地域全体に貢献するものであると言い続けてきた。
 Jリーグはラグビーをそれほど恐れる必要はないと私は思う。いろんなタイプのスポーツファンがいるのだから、二つのスポーツは両立できるはずである。
 それでも、Jリーグが新たな挑戦者の存在を意識している様子は、なかなかに興味深い。

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守備ではなく、攻撃で光る三都主

2003/09/15(月)

ジーコ監督と日本代表がここまでの親善試合で何を学んだのか、一口に言うのは難しいが、ある1点については明白である。
その1点とは、三都主アレサンドロはディフェンダーではなく、ジーコ監督の4バックシステムの左サイドバックをやらせるべきでないという事である。
三都主の左サイドバック起用はジーコ監督の思い切った大胆な決断ではあるが、私にはそれが的確な起用であるとはどうしても思えない。
理由は明らかである。彼は攻撃の選手であって、守備の選手ではないという事だ。

コンフェデレーションズ杯で表面化した問題点は未だ解消されていない。そしてそれはワールドカップ予選で日本代表に重くのしかかってくる可能性が高い。
例えば、スタッド・ドゥ・フランスで行われた対ニュージーランド戦、試合が始まってまもなく、特に危ない状況でもなかったのに三都主はまずいファールでイエローカードを受けた。前半その後、ニュージーランドペナルティエリア内でのあからさまなダイビングで、三都主が退場となるはずの2枚目のイエローカードを受けなかったのはラッキーとしか言えない。
わずか1点のリードでチームが10人になってしまっていたら、試合結果がどう違ったか考えてみると良い。
対コロンビア戦では、三都主は自陣ゴール上にヘディングでボールをクロスさせるという中学生並みのミスをした。これはGK楢崎の素晴らしいブロッキングにより、コロンビアに先制を許す事を免れた。
今週、新潟で三都主は経験不足からくる不注意なヘディングでセネガルにコーナーキックを与えてしまうという同じ間違いを再び犯した。これは、セネガルがまったく同じ状況でゲーム唯一の得点を挙げた直後の事であった。

常に上がり気味で、後方にスペースを空けてしまいがちな彼のポジショニングと、彼のヘディングの弱さは、ディフェンダーの一番の仕事は守ることであるということを考えると、このポジションに彼が適していないという表れである。
仮に日本が3−5−2システムを適用するのであれば、三都主の攻撃能力、速さ、そしてトリッキーさは中盤の左サイドにあって有効である。さらに、彼のディフェンスの甘さも守備的MFがカバーしてくれるし、その後方にはまだ3人のバックが控えているため、チームにそれほどの打撃は与えない。
それでも私は、三都主は日本代表に必要だと思う。ただし、控えかもしれないが左ウィングとしてである。現状では左バックとしては的確ではない。
ジーコ監督のこの起用はワールドカップ予選早々の弱いアジア諸国相手ならば、何とか切り抜けられるだろう。しかし、新潟でのセネガルのアンリ・カマラのような強い相手にはトラブルを自ら招くようなものである。

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アントラーズが来た!

2003/09/11(木)

 週末のJリーグは、あまりぱっとしなかった。
 もちろん、鹿島アントラーズのファンは、そうは思っていないだろう。
 アントラーズが、東京・国立競技場で手に汗握る戦いの末、ジェフユナイテッド市原を3−2で破り、セカンドステージを4試合戦った時点で、早くも首位に躍り出たからだ。
 さらに、アントラーズのモチベーションが本当に高くて、気迫がみなぎっているようにも見えたからだ。

 昨シーズン、アントラーズは宿命のライバルであるジュビロ磐田が両ステージを制覇するのを甘んじて受け入れなければならなかったし、今シーズンのファーストステージも優勝の望みすら持てないままであったのだから、今回は気合いが入っているのだろう。
 中盤の中田浩二をケガで欠いてはいても、アントラーズは青木剛が立派に代役を務めていたし、その後、本田泰人も途中出場した。本田は、あまり熱心でない評論家には過小評価されることが多いが、実際はコーチが好むタイプの選手で、中盤や、時にはディフェンダーのうしろでルーズ・ボールをことごとく処理し、他の選手が前線に上がろうとするときは、背後のスペースを埋めるような働きもする。
 本田はオーガナイザーとしても優秀で、ピッチ全体を見渡すことができ、ゲームのあらゆる局面で自分が居るべき場所を心得ているのである。監督のトニーニョ・セレーゾにしても、本田を途中出場用の万能選手にしておくのはもったいないことだろう。

 本当に楽しいゲームで、得点もたくさん入ったし、カードもたくさん出たし、両チームの選手がエキサイトする場面もたくさんあったが、ジェフはまたも惜敗してしまった。
 ジェフのイビチャ・オシム監督は、ファーストステージの厳しい試合のあとにいつも言っていたことを、正確に繰り返した。つまり、ジェフはまだ首位にいるようなチームではなく、首位にいると毎週プレッシャーがかかりすぎて、毎試合100パーセントの力を発揮するのが難しくなる、ということだ。
 セカンドステージ開幕前、オシムは、ジェフにはシーズンのほとんどを4位か5位の位置につけていて、残り2〜3週の時点で「ラストスパート」をかけ、ゴールを目指して欲しい、と述べていた。
 しかし、オシムの選手たちはまたもスタートダッシュをかけてしまい、最初の3試合を連勝してしまったのである!

 もちろん、連勝を止めたのはアントラーズであった。
 平瀬のあのゴールは、なんと素晴らしかったことか! あの試合の前半を2−1で折り返せるなんて、なんという運の強さ! そして、決勝のゴールをヘディングで決めた秋田は、なんというキャプテンなのだ!
 そう、セカンドステージ、強いアントラーズが戻ってきた。

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鹿島の暗雲を晴らす本山の代表復帰

2003/09/08(月)

ここ数日、鹿島アントラーズには良いニュースと悪いニュースがあった。
悪いニュースとは、私のお気に入りの選手の一人であり、個人的には酷使と言って良いと思うほどジーコ監督に使われていた中田浩二の故障である。
中田が後方でどっしりと構えてくれているからこそ、攻撃的MFはより前線へ上がる事ができる。すなわち、私は彼が日本代表の中盤によりバランスとまとまりを与えると思っている。

先週土曜日(8月30日)の対大分トリニータ戦で膝の靭帯断裂を負った中田は、少なくとも6ヶ月、戦列を離れることになった。
彼は今月末に手術を受け、その後完治まで長い辛抱の道のりが始まる。
来シーズンの始まる頃には復帰できるだろうが、12月に行われる東アジア選手権にジーコ監督がヨーロッパ組を召集できなかった場合、彼の不在は痛いところである。

数日後、本山雅志が代表チームに復帰したというニュースが入ってきた。
本山と中田はもちろん1999年にナイジェリアで行われたFIFAワールドユース大会で決勝戦まで進出したU−20日本代表のチームメートだ。
この大会で、中田は負傷欠場の金古聖司に代わってフィリップ・トルシエのフラット3の左サイドを勤め、出来が良かったため、トルシエは彼をオリンピック代表、日本代表、そして2002年ワールドカップ代表へと抜擢してきた。

当時トルシエは本山を左サイドウィングとして起用していた。私は特にナイジェリアで行われた対ウルグアイ戦での彼の素晴らしいプレーを覚えている。本山のスピードにウルグアイ代表はタックルどころか、ファールする事すらできなかった。
トルシエは本山を日本のライアン・ギグスと評し、実際本山を対ボリビア戦、対アラブ首長国戦、そして対韓国戦と、すべて2000年のことだが、3回代表に選んでいる。

ブラジル人司令塔ビスマルクが鹿島を去った後、本山は左サイドウィングよりむしろ攻撃的MFとしてプレーしてきた。そして、これが来週水曜日に行われる対セネガル戦でジーコ監督が彼に与える役目でもある。ジーコ監督は、先発MFはナイジェリア戦と同じでいくと決めているので、当然途中出場になるだろう。
本山は自信に満ち溢れており、また陽気な性格の持ち主でもある。彼のその個性が代表チームに加わる。
たとえ彼の役割は変わったとは言っても、彼の俊足とゴールへの目は試合を左右することができる。
彼が前回代表入りしたのは、ほぼ3年前のことになる。しかし彼はまだ24歳であり、力は充分にある。

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はかなく消えた、ガンバ優勝の夢

2003/09/04(木)

 土曜日、柏でガンバ大阪の戦いぶりを見られて良かった。
 今になって、私には、なぜガンバがチャンピオンシップに届かないのかがわかってきた。
 シーズン開幕前、私はガンバが2つのステージのうちの1つをとり、プレーオフでも勝つと真剣に思っていた。
 次のような、優勝を裏付けるファクターがあったからだ。
・ 宮本が率いる、経験豊かな3バックのディフェンス陣。
・ 変幻自在な5人の中盤。とりわけ、右サイドに新外国人選手チキアルセ、左サイドに新井場が控える両サイドが強力。
・ 両サイドのチキアルセと新井場から、ブラジル出身の長身選手、マグロンにクロスが供給される。
 マグロンはヘディングで直接ゴールを狙ってもいいし、ペナルティエリアでどん欲にチャンスを待っている吉原にボールを落とすこともできる。

 どうです、わかりやすいでしょう?
 しかし、ガンバは優勝とはほど遠い、下から数えたほうが早い位置でファーストステージを終えた。
 2人の新外国人選手、チキアルセとガレアーノは戦力を大幅に向上させると予想されていたが、予想通りにはならなかった。
 昨シーズン、私は、ファビーニョは中盤の底で遠藤とコンビを組み、精力的で気の利いた仕事をしていると感じていたのだが、そのファビーニョを解雇してまで獲得したガレアーノも、今シーズン半ばで解雇されてしまった。
 チキアルセは、右サイドで期待されていたような、突進力と運動量を未だ披露できないでいる。
 そのため柏では、西野監督は当初の3−5−2のシステムを断念して、3−4−3のシステムを採用し、橋本と二川がそれぞれ中盤の右サイドと左サイドを務めた。
 宮本、キャプテンの木場とともに3バックの一翼を担い、ガンバ優勝のカギを握る選手の1人と見られていた山口は、中盤の中央に押し出され、遠藤とコンビを組んだ。また、實好がディフェンスの右サイドに入った。
 マグロンが故障のため欠場していたので、「ガンバのゴン」こと中山が最前線に位置し、吉原が右サイドから、大黒が左サイドからサポートしていた。

 ガンバのプレー内容は、ひどくはなかった。ひどいことはまったくなかったが、セカンドステージで優勝できるほどの力があるとも思えなかった。
 ガンバの選手には、ためらいや自信のなさそうなプレーが目立ち、まるで自分たちも勝つとは思っていないかのようであった。
 ガンバは、ピッチの左右を自由自在に駆け回って来た遠藤がきれいに決めて先制したが、印象的な働きをしていた柏の玉田が見事なシュートを決め、ゲームは振り出しに戻った。
 リカルジーニョがガンバ・ディフェンス陣の中央を破ったあとのこぼれ球を、格好のポジションにいた玉田が、ペナルティー・エリアの端からゴールの下隅に左足で会心のシュートを決めたのである。
 おそらく、ガンバは良くなっているのだろう。終盤にゴールを許して負けるかわりに、1−1のドローで踏ん張ったのだから。
 しかし、シーズンは目論み通りには進んではいない。なにもかもが変ってしまっているのを見ても、それは明らかだ。
 サポーターは、フラストレーションを感じていることだろう。

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冷静さを保つオフト監督

2003/09/01(月)

水曜夜、味の素スタジアムはまさに接戦だった。
私が言いたいのはナビスコカップ準決勝、FC東京対浦和レッズの第2戦のことではない。
大事な試合に華を添えた二つのサポーターグループのことである。
公式発表の観客数は17,343人であったが、両サイドのサポーターから上がる歓声でその倍の観客数であったように感じた。
結果は皆さんもご存知の通り、ブラジル人FWエメルソンの絶妙な2ゴールで浦和が2−0で勝った。

このアウェーでの対FC東京2−0の勝利に加え、セカンドステージ緒戦、対ジュビロ磐田3−1の圧勝はレッズの大きな進歩の表れである。
試合後、ハンス・オフト監督と話をした際に、私はセカンドステージのタイトルが狙えるのではと彼に尋ねた。
「いや、まだだね」彼は慎重に答えた。
「1試合1試合、1週間1週間を大事にして、そして8試合か9試合、いや、10試合終わった時点でハッキリするんじゃないかな」
「過剰な期待はしてないよ。空想にふけることもしない」

しかし、オフト監督は彼のチームが、そして選手達が強くなってきている事は充分わかっている。
山田、坪井、そして永井は今年に入って日本代表の経験もした。さらに鈴木、山瀬、そして田中はオリンピックU−22代表メンバーだ。
FC東京戦では、ワールドカップのロシア代表、ユーリ・ニキフォロフが素晴らしい働きをした。不運にもハムストリングの負傷をしたゼリッチも間もなく復帰する。オフト監督は他の監督が羨むようなメンバー選択のジレンマに陥る事になる。
「すべては選手のおかげだ。この1年半、彼らは非常に頑張ったと思うよ。だからチームも強くなったんだ」彼は言う。

セカンドステージが始まったばかりのこの時期、選手達に無用なプレッシャーを与えないためにも、当然ながらオフト監督はチームのチャンスを控えめに受けとめなければならない。
しかし、私は心からレッズには充分チャンスがあると感じている。
さらには、横浜F・マリノス対浦和レッズのプレーオフは最高の見せ場になるのではないだろうか。
第1戦、横浜国際総合競技場での70,000人の観衆、そして埼玉スタジアムでの第2戦、60,000人の観衆を想像してみてもらいたい。
スタジアムを埋め尽くす日産ブルーと三菱レッド、まさに素晴らしい光景となることだろう。しかしまだ道のりは遠い。
オフト監督の言葉通り、空想に浸るヒマはない。
もちろんレッズのファンもである。

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