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ジーコ・ジャパンの今後を占う一戦

2003/08/21(木)

 ジーコが代表監督に就任してから1年以上経つというのに、未だにこのブラジル人監督が率いるチームのホーム初勝利が待ち望まれている状況である。
 しかし、東京・国立競技場で行われる、水曜日のナイジェリア戦は、不名誉な記録を終わらせる、願ってもないチャンスであり、おそらくは最大のチャンスとなるだろう。

 ナイジェリア代表チームはスーパー・イーグルスの異名で知られているが、今回の試合の準備状況にはスーパーなものは何も見当たらない。
 アーセナルのカヌ、エバートンのヨボ、そしてボルトン・ワンダラーズ所属で変幻自在のオコチャといったスターの名前は今回の代表メンバーにはなく、火曜日の夜に行われた国立競技場での練習に間に合うように到着したのは、ほんの12名に過ぎなかった。
 運営者によれば、火曜日の夜にさらに3名が東京に到着し、さらに試合当日の朝に4名がやって来る予定らしい。
 どう考えても、万全の準備とは言いがたい!

 対して、日本はどうか。
 不運な小野伸二を除けば、ジーコはトップクラスの選手を全て呼び戻しているので、日本は7戦目にしてホームでの初勝利をなんとしても勝ち取ろうと、ワールドカップに出場した経験豊かな選手を多数揃えてくるだろう。
 これまで日本代表は、ジーコが監督に就任してから、ホームではジャマイカ、ウルグアイ、パラグアイと引き分け、アルゼンチンと韓国に敗れている(アルゼンチンには2敗)。

 今週の初めに、私は宮本恒靖と話しをした。ちなみに、6月のコンフェデレーションズカップでは、日本は宮本のミスにより、グループリーグ突破をかけたサンテティエンヌでのコロンビア戦に1−0で敗れている。
 ツネ(宮本)は、サポーターもホームでは勝つものと期待しているだろうし、自分自身も「家族のため、ジーコのため」に勝ちたい、と述べた。
 ツネによると、合宿では勝利に向けて盛り上がっていたそうだ。
 「コロンビア戦のあとでも、雰囲気は良かったよ」とツネ。
 「たぶん、みんな良い試合をしたと感じていていたんだろうね。結果が良ければもっと良かったんだろうけど。フランスでは良い経験をしたけど、まずい、と思う瞬間もあった。ミスが出たときなんかそうだったね。僕のミスも含めて」

 準備状況はひどいものであっても、ナイジェリアを取るに足らない相手と考えてはいけない。なんといっても、国際舞台では最近、素晴らしい実績を残しているチームである。
 ナイジェリア・チームはいつも予想外のことをやってのける能力を持っているし、選手たちは真のサッカー文化のなかで育ってきている。ナイジェリアの選手の多くが外国でプレーしているのも、そういうバックグラウンドがあるからだ。彼らには、ヨーロッパで成功するだけの基本的なスキル、戦術知識、強靱な身体能力がそなわっているのである。
 だが、今回は日本が勝たなければならない試合であり、私は勝つものと思っている。

      *本コラム(原文)は8月19日に書かれたものです。

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