アルディレスが惚れ込む、小林の才能
オジー・アルディレスは、一目でミッドフィルダーの才能を見分けることができる。
今、アルディレスは、東京ヴェルディ1969で小林慶行という素晴らしい才能に出会ったと感じているようだ。
「彼があまりに素晴らしいのには驚きました」
1978年のワールドカップで優勝したアルゼンチン代表チームのミッドフィルダー、アルディレスの言葉である。
「代表入りも間近でしょうね。他にも代表入りの候補はいるけど、ヨシ(小林のこと)が最有力でしょう」
アルディレスは、6月に監督に就任して以来、かつて栄華を誇ったヴェルディの建て直しを進めてきた。
Jリーグが発足した1993年と翌年の1994年に2年続けてチャンピオンシップを制した名門ヴェルディは、降格ゾーンから抜け出し、セカンドステージでは降格候補どころか優勝候補と見られるようにまでなった。
小林は、劇的な変貌を遂げたチームの象徴でもある。
「私が就任した当初は、彼はプレーしていませんでした。ベンチにもいなかったので、どこかに移籍するのかと思っていました」とアルディレス。
「前の監督から批判を受け、起用もされなかったので、自分は用無しだとヨシは思ったのです。」
「これまで私が見た限りでは、ごく近いうちに代表入りを狙える選手になるでしょうね」
小林の素晴らしい点を挙げてほしいと頼むと、アルディレスはこう答えた。
「パサーとして優秀ですし…知性的で…ポジショニングがいつも良く…空中戦が強くて…シュート力もありますね。一言で言えば、とても素晴らしい選手なのです」
25歳の小林は、1999年に駒沢大学からヴェルディに入団し、J1での出場試合数は、日曜日の鹿島アントラーズ戦で92となった。
ゴール数がわずかに3というのは明らかにこれから改善しなければならない点である。とりわけ、ワールドカップのカメルーン代表ストライカーである、パトリック・エムボマが、日曜日に傷めた右足の外転筋が原因となり長期の離脱を余儀なくされるようであれば、小林にとって得点能力の改善は緊急の課題となるかもしれない。
アルディレスが指摘するように、小林はエレガントで、ボール扱いに秀でた、天性の素質を持つミッドフィルダーである。
小林は、スペインに短期留学の経験もあるが、そのときもケガに悩まされた。
しかし、今年予定されている国際試合のいくつかで、ジーコが中田英寿や中村俊輔、小野伸二、稲本潤一などの招集を断念するようなことがあれば、代表監督の注目が小林に向けられるときが来るかもしれない。
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