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柳沢よ、リラックスしてチャンスをものにせよ

2003/07/06(日)

人気ストライカー、柳沢敦が来週鹿島アントラーズからサンプドリアへ1シーズンのレンタル移籍をし、海外移籍組の仲間入りをする。
ジュビロ磐田ファンも含め、全ての日本人のファンが彼の活躍を祈っていることだろう。もちろん私もその中の一人である。柳沢は過去数シーズンに渡って、私のお気に入りの選手の一人だった。
私はこれまでも、多くの場面で彼のいわゆる「決定力不足」を取りざたす他のジャーナリストから擁護してきた。
そう、確かに柳沢はこれまで何度か決定的な場面でミスしてきた。しかしそれはどのストライカーだって同じだ。あのペレでさえ全ての場面で得点していたわけではない。
最も重要なポイントは、次のチャンスにどう活かすかだ。

柳沢のフォワードとしての総合的な評価は悪くない。
土曜日に鹿島で行われる対ジュビロ戦以前、177試合に出場して70回の「アツシゴール」を決めている。
ストライカーの合格点が3試合に1得点と言われるなか、彼は2.5試合に1得点である。
すなわち、統計的には柳沢は優れていると言える。
ただし、この記録はあくまでイタリアと比較してディフェンスの甘い、Jリーグでのものである。
もし柳沢がイタリアで成功したいと思うなら、なすべき事は一つ。得点を重ねる事である。
しかし、世界屈指の百戦錬磨、巧妙なディフェンス相手では決して簡単な事ではない。
サンプドリアはセリエA再昇格を果たしたばかりで、来シーズンの目標は昨シーズンのレッジーナのように、リーグに残留することである。
柳沢がチームになるだけ長く残り、彼自身の居場所を確立させるためには、最初のシーズンに8〜10得点を目標とすることは決して多すぎない。

柳沢にはイタリアでうまくやっていけるだけの資質がある。
ボールを持たない場面でもよく走れるし、ディフェンダーをポジションから引きずり出す事もできる。また、瞬発力も素晴らしい。
さらには、左右どちらの足でも、またヘッドでも決める事ができるし、何よりペナルティエリアで恐れ知らずだ。
もしイタリアでチャンスが到来したら、柳沢は落ち着いて得点を焦らないことだ。
例えばガブリエル・バティストゥータのような偉大なストライカーの証は、ゴールが見えたらパニックになるのではなくリラックスする事なのだ。
だからヤナギよ、落ち着け。サンプドリアのサポーター達が「アツシゴール」の歌を歌う日も近い。

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