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鈴木の帰国は日本の現実

2003/05/04(日)

 鈴木隆行の1年間のレンタル契約が切れ、ゲンクは再契約をしないという事だが、これは十分に予想しえたことだった。
 理由は明白。鈴木はゲンクに貢献できなかったという事だ。
 ベルギーリーグにはアンデルレヒトやブルージュといった古豪チームはあるものの、ヨーロッパではメジャーなリーグとは言えない。
 スペイン、イタリア、イングランド、そしてドイツがトップ4リーグと呼ばれ、フランス、ポルトガル、そしてオランダがそれに続く。
 すなわち、鈴木がベルギーリーグの中堅チームの中でポジションを得られなかったという事は、仮に彼がヨーロッパ残留を望んだとしても、彼のヨーロッパでの未来は決して明るくないということだ。
 現時点では恐らく、彼はレンタル移籍するまで所属していた鹿島アントラーズに戻るしかないだろう。
 それでは、鈴木にとって日本を出てシーズンをベンチで過ごした事は結局間違っていたのだろうか?
 いや、そんな事はない。
 フィジカルなベルギーサッカーのゲームペース等、学んだ事は決して少なくないはずだ。

 ワールドカップの数ヶ月前、私はゲンクの試合を見る機会があり、その試合後にウェスリー・ソンクにインタビューする事ができた。
 サッカーのスタイル、そしてスタジアムの様子などは「リトル・イングランド」と呼んでも良いくらいだと思った。スタジアムは大歓声に包まれ、選手たちは試合の経過に関わらず諦めずに得点をあげようと走る事をやめない。
 こうした文化的側面から見ても、鈴木はサッカーというものに対する視野が広がったはずであり、日本に戻った時には、相変わらずプロレベルとしては初歩段階にある日本のサッカーにショックを受けるかもしれない。

 ワールドカップ、対ベルギー戦での鈴木のゴールが、彼のベルギーへの移籍を決定させたわけであり、彼のフィジカルなプレースタイルとフォワードラインでの彼の存在がベルギー人たちを感心させたのは間違いないのだ。
 鈴木にとって良いワールドカップだったのは確かであり、そしてフィリップ・トルシエは今でも、鈴木と柳沢でなく、アレックスと西沢をトルコ戦で起用した事を後悔しているはずだ。
 鈴木がベルギーでポジションを得られなかった事実は、すなわち日本の選手たちがまだまだ成長しなければならないということの裏返しでもあるのだ。

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