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大久保は日本の将来を担う

2003/05/15(木)

 火曜日の午後、渋谷にある日本サッカー協会事務局でジーコが発表した、東アジア選手権の日本代表候補は、楽しみの多いメンバー構成となった。
 30人の候補選手のなかには、オリンピック代表チームのメンバーが3人含まれていた。松井大輔と石川直宏、そして大久保嘉人である。
 5月28日の大会初日までにメンバーは20人に絞られるが、上にあげた3人のうち1人が代表入りすることになる、とジーコは語った。
 この発言後、瞬く間にさまざまな憶測が入り乱れた。
 3人の才能豊かな若手選手のうち、日本のエリートに仲間入りできるのはだれか?
 石川は頭の良い、スピードのある右ウィンガーで、いまだ横浜F・マリノスからのレンタル移籍中という立場でありながら、FC東京のファンから確固たる支持を受けている。しかし、ジーコは中盤ではなく、フルバックから仕掛ける、奥行きのある攻撃を指向しているので、石川が選ばれる可能性は低いのかもしれない。

 そうなると、松井と大久保の一騎打ちということになる。
 個人的には、大久保が選ばれて欲しいと思っている。
 私は、国見高校にいたときから大久保に注目していた。大久保は、これまでに大きなケガとJ2降格を経験しているが、そのような経験を力に変えてきた。とはいえ、まだ20歳、J1に昇格したセレッソ大阪に所属している。
 今シーズンの初めに、万博スタジアムで行われたナビスコカップのガンバ対セレッソ戦を取材したときのことを憶えている。
 大久保の速さと積極的な動きに、ガンバのディフェンダー、宮本恒靖もなかなか手を焼いていたように見えたが、セレッソの若手選手は終了前に交代させられてしまった。
 試合後、更衣室の外で大久保は西村監督と話しながら泣いていた。まるで1990年のワールドカップの準決勝でドイツに敗れ、人目もはばからず号泣する、イングランドのポール・ガスコインを彷彿とさせる光景であった!

 西村によれば、どの試合でも全力を尽すのを旨とする大久保がベストのプレーを見せることができなかったので、フラストレーションがたまっていただけ、だそうだ。
 私は、このような姿勢が好きだ。そして、ピッチの大久保を見るのが好きだ。チャンスでしくじると、大久保は、芝生とか、ゴール脇にある水のボトルとか、いろんなものを蹴ろうとする。ゴールを決めると、大久保は得意満面になる。
 大久保のプレーは情熱と感情に溢れており、あまりにも控えめな態度が目立ち、勝とうが負けようが気にしていないようにさえ見える選手が多い日本では、際立った個性となっている。
 大久保のプレーには荒っぽい一面もある。空中戦では相手選手にヒジが入ってくることもあるし、自分の思い通りに物事が進まない時にはファールも辞さない。
 大久保を候補の30人に選んだのは、ジーコにとって大きな前進であり、私は大久保には20人の代表枠に入って欲しいと思っている。
 松井に対する私の想いは、すでに発表済みだ。素晴らしくて、才能豊かな選手であるが、プレーに自制心が欠けている。(*)
 しかし、ジーコは才能があり、派手なプレーをする選手を好む傾向があるので、おそらくは松井が選ばれるのだろう。

*5月8日掲載 『松井の大成には自制心が必要』

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