« 松井の大成には自制心が必要 | トップページ | 大久保は日本の将来を担う »

後味の悪いカフーの移籍話

2003/05/12(月)

 カフーはそもそも横浜Fマリノスに移籍する意志を持っていたのだろうか?
 それとも、彼の代理人は移籍話を単に道具として使ったのだろうか。
 カフーが7月に日本へ来る可能性は、ここ数週間のイタリアでの動きから見て、ほぼなくなったと見るべきであろう。
 母国のため、過去3回のワールドカップ決勝に出場したカフーは、6月30日までのASローマとの契約が切れ次第、7月上旬にも来日する予定になっていた。
 今年1月、マリノスはカフーとの2年半、400万ドル(約4億8千万円)の契約を発表した。
 そしてその数週間後には、カフーはまだ決心していないという噂がイタリアから聞こえてきた。

 私は、3月のナビスコカップ、対FC東京戦の後に岡田武史監督にこのことを尋ねてみた。すると彼も、もしかするとカフーは来ないかもしれないという噂をチームのフロントから聞いたと認めた。
 岡田監督は、カフーが仮契約に署名したという事で本契約を結ぶつもりなのだと考えていたようだ。ただし、契約書は見ていないと彼は付け加えた。
 その後イタリアで、カフーはACミランと交渉中であり、またローマにさらに1〜2年残留するかもしれないという報道がされた。
 どちらにせよ6月30日をもってカフーはフリーエージェントとなり、移籍金が発生することなく、巨額な契約金を手にできるのだ。

 3週間前、私はあるサッカー関係者から電話を受けた。彼の話によると、カフーの代理人は既にマリノスに、カフーは日本へ行かないと伝えたという。どうやら、SARS感染を恐れてアジアへは行きたくないということらしい。
 マリノスは、カフーが既に公式な契約書に署名したものをファックスで返送してきた事を強調しており、依然として彼がチームに移籍してくれる事を望んでいる。
 しかし、選手とその代理人は通常最終的な決断をするまでオプションを残しておくために、いくつもの仮契約にサインするものである。
 代理人の権限は強まる一方で、今やまったく逆らえないと言う人もいる。移籍事情を根底から一変させたボスマン裁定以来、法的にもチームの権利より選手個人の権利を重視する傾向にある。
 カフーと彼の代理人がJリーグのチームと交渉を始めた段階では、彼らは純粋に移籍を意図していたと信じたい。
 マリノスの発表が早すぎたのだろうか?
 はたまたカフーの代理人が、他のチームとの交渉のためにマリノスの契約条件を利用したのだろうか?
 いずれにせよ、日本の他のチームには良い勉強になったことだろう。

固定リンク | | コメント (0)

コメント

この記事へのコメントは終了しました。