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それでも、ガンバが優勝候補

2003/03/13(木)

 第一印象がいちばん大切だとよく言われる。
 それが正しいのなら、ガンバ大阪が秘めたる実力を発揮し、今シーズンのJリーグの王者となるには、まだ足りない部分があるのかもしれない。
 土曜日の午後、私は万博スタジアムを訪れ、ナビスコ・カップでのガンバ対セレッソのダービー・マッチを観戦した。リーグ・シーズン前に関西の2チームの仕上がり具合を見る良い機会であったからだ。
 私はすでに今年の優勝候補にガンバを挙げている。その考えには変りはないが、攻撃陣の動きには多少物足りなさを感じた。
 ゲームでは、注目すべき点が二つあった。

 一つ目。デキは良くなかったが、途中出場の松波が試合終了間際にゴールを決め、ガンバは勝った。松波はスーパー・サブ的な働きをする選手だと思う。チャンスを与えられるとつねに全力を尽くすし、常に危険であるからだ。
 二つ目。ガンバは1点も与えなかった。セレッソの強力な攻撃陣を相手にしても、だ。何といっても、相手は、新キャプテンとなった西沢明訓が前線におり、早熟な才能、大久保嘉人が後ろからサポートし、ベテランの森島寛晃が駆け上がり、しかも空中戦で抜群の強さを発揮するマルセロ・バロンがベンチに控えているチームである。
 ガンバの3バックは堅実な守備を見せた。印象的な働きを見せた山口が右サイドに位置し、宮本が中央、キャプテンを務める陰の実力者、木場が左サイドを守った。
 ガンバの監督である西野朗は、新たに獲得した南米出身の二人の選手、右サイドのパラグアイ人選手フランシスコ(チキ)・アルセと中盤の中央を遠藤と守るブラジル人選手ガレアーノは、昨年のマルセリーニョ・カリオカとファビーニョのコンビを相当上回る活躍をすると感じていることだろう。
 アルセは、マリノスに入団が決まっているカフーと非常によく似た攻撃的な選手で、今シーズン、彼のフリーキックやコーナーキック、クロス・ボールは相手ディフェンスを苦しめ、長身のセンターフォワード、マグロンはアルセの加入によりずいぶんと良い思いができるだろう。左サイドからは新井場がクオリティーの高いクロスを上げることができるので、ガンバは両サイドからの攻撃が可能になる。

 アジア大会のヒーロー、中山悟志が左サイドを駆け上がる姿も印象的であったが、ガンバには吉原の活躍が欠けていた。
 吉原は、かつてフィリップ・トルシエがそのペナルティー・ボックス内の動きから「日本のロマーリオ」と呼んだこともあるくらい、ダイナミックで、積極的な選手で、相手選手にとっては本当に厄介な存在である。
 吉原が調子を上げれば、ガンバにとって大きな戦力となるだろう。
 セレッソにとっては、0−0の引き分けでも満足のゆく結果となっていただろうが、松波の土壇場のゴールにより、全てが台無しになってしまった。

 セレッソでは、私はミッドフィルダーの久藤に強い印象を受けた。ボールタッチが素晴らしいし、ボールを持ったとき、常にシンプルなパスを出すように選択していたからだ。
 選手というものは、野心的パスや冒険的なパスをしばしば狙うもので、そのようなパスは10回に1回くらいしか成功しないのだが、久藤は短く、シンプルなパスを選択していた。おそらく、監督の西村もイージーなパスを好んでいるのだろう。
 ゲームの終盤、久藤は右のバックに下がり、二川に突破されてしまった。その直後、ガンバのゲームメーカーが中央にクロスを上げ、松波のゴールが生まれた。
 久藤とセレッソにとっては痛恨のエンディングであったが、これがJ1とJ2の違いであり、セレッソの選手も試合の最初から最後まで集中し、どのようなボールにも激しく競りかけてゆかなければならないとわかっただろう。
 ガンバは優勝できるだけの実力を持ったチームであるが、フォワード・ラインには吉原の完全復調が不可欠である。

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