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またも真価を発揮した、藤田

2003/03/06(木)

 A3マツダ・チャンピオンズカップを無得点で3戦全敗したあと、ジュビロ磐田を新シーズンの優勝候補からはずしてしまった人もいるかもしれない。
 中国の大連実徳の監督、ミロラド・カサノビッチもその1人である。
 A3大会の最終戦でジュビロを1−0で破ったあと、カサノビッチ監督は、これからは大連の時代で、ジュビロの時代は終わりつつあると述べた。また、鹿島アントラーズが今シーズンのJリーグ・タイトルの本命であるとも言った。
 ただし、ジュビロの実力を疑わなかった人もいる。京都パープルサンガのドイツ人監督、ゲルト・エンゲルスである。
 先週土曜日のゼロックス・スーパーカップの前、エンゲルスは、3連敗後のジュビロとの試合は「危険」である、と語った。
 そして、予想は的中した。

 ぱっとしない0−0の前半を終えると、ジュビロはついに本来の動きを取り戻し、あっさりと3−0で勝利した。
 見た目はフランチェスコ・トッティそっくりのブラジル人ストライカー、ロドリゴ・グラウが2得点を挙げて多くの注目を集めたが、チームに活力を与えたのは、高い信頼性を誇る藤田俊哉であった。
 前半は京都のオフサイド・トラップが見事に機能し、ジュビロのフォワードはおもしろいように罠にかかっていた。
 状況を打破するには特別なことが必要であったが、藤田は特別なことをやってのけた。

 2001年のJリーグMVPも、昨シーズンは26ゴールを挙げた高原直泰の影に隠れてしまったが、調子自体は決して悪くはなかった。
 藤田はどの選手にも負けないくらいチームにとって貴重な存在であるが、それは彼がサッカーに必要な明敏な頭脳を持ち、常に考え、常に走っているからである。
 中盤から長い距離を駆け上がる藤田の動きで、京都のディフェンスは混乱をきたした。また、藤田はペナルティー・エリア内の密集の中でも冷静さと優れたテクニックを披露し、結局それが先制点に結びついた。
 2点目のゴールも藤田が演出したのもので、タイミング良く走り込んで打ったシュートにより、ブラジル人ストライカーにスペースが与えられることになった。藤田は3点目のアシストも決め、右サイドからの正確なコーナーキックを福西崇史がバック・ヘッドで後ろに流したボールを、グラウがダイビング・ヘッドで楽々とゴールした。
 その日の藤田は見事で、MVPを受賞した2シーズン前と同じような動きとリーダーシップを見せていた。

 先制ゴールを挙げてジュビロは気が楽になったようだが、昨シーズンのような強力なチームを作り上げるにはまだまだすべきことがたくさんある。
 ストライカーは自信によって成長するものであり、グラウが2ゴールを挙げたことは、本人にとっても、チームメートにとっても今後自信となるであろう。
 もっとも、グラウが今後もずっと中山のパートナーを務めるかどうかは、まだわからない。
 しかし、イキが良くて、聡明な藤田が今シーズンもジュビロ磐田のキーマンになることは、まず間違いないだろう。

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