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アメリカ遠征中止は正解

2003/03/23(日)

 日本サッカー協会(JFA)が、当地で2試合戦う予定であった日本代表の米国遠征を取りやめる決断を下したのは、予想できたことであり、当然だと思えた。
 さらに言えば、正しい選択であった。
 JFAに批判的な人々もいる。とくに日本に住む北米出身の人々は、JFAはパニックに陥っており、危険はないはずだと申し立てている。
 しかし、先のことはだれにもわからない。ましてや、米国を中心とした軍隊が国連の承認なしにイラクを攻撃したあとの世界がどうなるかなんて、だれにわかるというのだろう?
 いちばん怖いのは、もちろん、イラク攻撃をジハード(キリスト教徒対イスラム教徒の聖戦)の始まりと考えるイスラム過激派の反撃であろう。
 このようなテロリストに2001年9月11日に起ったようなことができるのなら、連中はどんな場所で、どんなことでもできることになる。
 それゆえ私は、JFAが選手の安全を最優先に考えたのは正解であり、適切であると考える。

 試合をやって欲しいと思うのはみんな共通であるが、たとえわずかであってもテロの恐怖が存在するなか、戦時国家に飛行機で遠征し、西海岸の都市から都市へと飛行機で移動するという不必要なリスクを、いまの時点で負う必要はまったくない。
 世界がこのような状況になってしまったのは悲しいことだが、JFAに責任はほとんどなく、用心しすぎであるとJFAを批判するのは的外れである。
 自国に留まり、ジーコが希望するように合宿を行うほうがずっと良い策であろう。さらに3月29日に親善試合を、できればウルグアイを相手に組めれば良いと思う。

 ジーコがアメリカ遠征メンバーとして選出した23人の代表メンバーには、ヨーロッパでプレーしている選手が7人含まれているが、7人が日本までやって来るかどうかは疑問である。
 中村俊輔が所属するイタリアのクラブ、レッジーナは、中村が米国に行くことも好ましく思っていなかったくらいだから、合宿するためだけに日本に帰国するのには賛成しないだろう。
 ハンブルガーSVも高原直泰に対して同じように感じており、現在のようなデリケートな状況下で高原には世界中を飛行機で移動するような真似はして欲しくないと考えているようだ。

 遠征中止のニュースを私が聞いたのは、金曜日の午後のジュビロ磐田対横浜F・マリノスのJリーグ開幕戦の前であった。
 JFAの決定にはだれも驚いてはいなかったが、ジュビロが開始10分で2点をリードされ、岡田武史が刷新したチームに4-2で敗れたことにも、驚いた人はそれほど多いというわけではなかった。
 ジュビロはシーズン前の調整が順調ではなかったし、ベテラン選手の何人かは疲労しているように見え、動きも鈍かった。
 これは、練習不足というよりは練習過多が原因であるように思える。新監督の柳下正明がハードな練習を選手に課しているからである。
 もっとも、今シーズンの柳下の使命は達成不可能なものであると言える。昨シーズン、ジュビロは鈴木政一指揮のもとすでに両ステージ制覇を達成しているからだ。
 今年のジュビロには下がり目しかなく、上り目はない。
 柳下は、チームをオーバーホールして新戦力を使うか、2002年と同じベテラン選手でシーズンを乗り切ろうとするかを決断しなければならない。
 Jリーグの魅力的な新シーズンは、まだ始まったばかりである。

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