キャプテン浩二、変身中
中田浩二は、その短いキャリアのなかでピッチ上で多くのことを成し遂げてきた。
中田はまだ23歳であるが、これまで1999年ナイジェリアで開催されたFIFAワールド・ユース選手権、2000年のシドニー・オリンピック、2002年のワールドカップで日本の代表となった。
クラブ・レベルでは、帝京高校から入団した鹿島アントラーズで、さまざまな国内タイトルを手にしてきた。
現在開催されているA3マツダ・チャンピオンズカップで、中田のキャリアはさらにレベルアップした。というのも、鹿島のブラジル人監督、トニーニョ・セレーゾが、チームの緒戦となった先週土曜日の大連実徳戦で中田をキャプテンに指名したからだ。
アントラーズが見事なスタイルを見せて3-1で勝利した試合のあと、自分は中田が子供から大人の男に成長するのを2000年の監督就任以来ずっと見守ってきた、とトニーニョは語った。
トニーニョによれば、中田をキャプテンに指名したのは、より大きな自信と責任を持たせるためであるとともに、監督が信頼しているのだということを彼にわからせるためでもあった。
守備的ミッドフィールダーという鹿島での中田のポジションは、キャプテンとして理想的である。守備、中盤、攻撃のあらゆるプレーに目を配ることができるし、戦術、戦略の中心にいるからだ。
トニーニョは中田のゲームでの「広い視野と深い洞察力」は大いに評価しているが、キャプテンとなるためにはまだ成長しなければならないと感じている。
それは、なぜか?
あまりもシャイだ、とトニーニョは言った。これは月曜日、西が丘競技場での練習後にトニーニョと話したときのことである。
「キャプテンというものは活発に話をして、チームメートを鼓舞しなければならない」
トニーニョによれば、土曜日まで開催される今回のA3大会では中田は引き続きキャプテンを務めるそうだが、これは今シーズンのJリーグでも中田がキャプテンとなる可能性が大きいことを示唆するものである。
昨シーズンは本田泰人がキャプテンを務め、もう一人のベテラン秋田豊が補佐をしていた。本田がケガをしたときには、トニーニョは将来を見据えたかのようにキャプテンの腕章を秋田ではなく、中田に手渡していた。
中田は素晴らしい実績を残し、日本でも屈指の万能プレーヤーに成長した。
タックルもパスも、ゴールを入れることもできるし、試合の読みも鋭い。フィリップ・トルシエのもとではスリーバックの左サイドで起用されて多くを学び、今では国際的なレベルでも豊富な経験を持つようになった。
中田がシーズンを通じてキャプテンを務めるかどうかは、まだわからない。
トニーニョは中田を近くから見守り、リーダーとしてチームメートにズバズバと指示を送るように中田を指導するだろう。
もっとも、先週の土曜日はキャプテン浩二としてはなかなかのスタートであった。
この早い時期に他に目立った選手といえば、中田とともに鹿島の中盤の機関室を担当した青木剛がいる。
青木はかなりの選手になると思う。長身で、強靱で、ボール扱いにも自信を持っているし、ゲームを成熟した目で見ている。ボールを奪ったときには楽々と前線に駆け上がるし、画家が絵筆を持ってキャンバスに向かい合っている姿を連想させる芸術的なパスも繰り出す。
中田と青木が中盤でダイナミックなコンビ・プレーを見せれば、鹿島の今シーズンがエキサイティングなものになることは約束されたようなものである。
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