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ワールドカップはアジアの誇り

2002/12/26(木)

 1年の終わりが近づくこの時期、その年の出来事についてのアンケートに参加するのは、いつもなかなか楽しいものだ。
 私は、CNNテレビと雑誌のスポーツ・イラストレイテッドが行うスポーツ人気投票の投票者であり、ここで日本が1位に選ばれたことを報告できるのを嬉しく思う。
 投票のカテゴリーは、「2002年最高のスポーツ・ストーリー」と「2002年の年間最優秀アスリート」の2つであった。
 主催サイドから候補がいくつか上がっていたが、「最高のスポーツ・ストーリー」で私は、ためらうことなく「アジア初のワールドカップの成功」に投票した。
 日本と韓国がピッチの内外で成し遂げたことは、アジアのサッカーの地平を広げるものであった、と私は心から思う。ワールドカップのような大規模なイベントの共催を見事にやり遂げたことにより、現在、選手やリーグ、ファン、運営サイドにはこれまで以上の敬意が払われている。

 アメリカ合衆国と日本が明らかな例外となっているものの、世界の大部分ではワールドカップはオリンピックよりはるかに重要なイベントであるとみなされている。
 おそらく今後数年間で、日本もワールドカップを重視する傾向に変わってゆくだろう。
 特定のスポーツの会場に若干の例外があるものの、オリンピックが1つの都市が主催するものであるのに対して、ワールドカップは国全体で行われるものであり、さらに今回は2つの国で共催された。
 私の投票後、最新の結果が発表され、アジアのワールドカップが有効投票の50パーセント以上を獲得しているのが明らかになった!
 この結果は世界中を驚かせるだろう。FIFAも日本と韓国を誇りに思うだろう。

 2つ目のカテゴリーである「年間最優秀アスリート」では、私はリストには上がっていたものの、ロナウドには投票しなかったことを告白しなければならない。
 ロナウドはワールドカップの月という、まさにタイムリーな時期に登場したため、「FIFA年間最優秀選手」や「フランス・フットボール誌ヨーロッパ年間最優秀選手」、「ワールド・サッカー誌年間世界最優秀選手」といったサッカーのあらゆるタイトルを独り占めすることとなった。
 しかし、このカテゴリーで私が投票したのはアメリカのサイクリスト、ランス・アームストロングであった。この選手は今年、ツール・ド・フランス4連覇を達成した。
 ツール・ド・フランスは世界でもっともタフなスポーツ・イベントである。1度の優勝でも素晴らしい偉業である。アームストロングのように何回も優勝する選手は、そのまま生きる伝説と言っていいだろう。
 さらに、癌の病から復帰してこのようなことを達成するなどというのは、この世のものとは思えないほどだ。
 ロナウド自身は、まだ生きる伝説となる過程にいるのであり、ワールドカップ以外の場における活躍はあまりなかったことも考慮されなければならない。
 偉大なワールドカップといえども、ピッチ内の出来事はいつまでも記憶に残るわけではないかもしれない。しかし、ピッチ外の記憶はそうではない。
 だからこそ、今年最高のストーリーなのだ!

 読者の皆さんに、メリー・クリスマス!

*このコラムは2002年12月24日に書かれたものです。

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