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中田と中村の差

2002/12/12(木)

 中田英寿と中村俊輔のレベルの差は、パルマがレッジーナを2−0で破った、日曜日のイタリア・セリエAを見ればまったく明らかであった。
 日本代表監督のジーコもエンニオ・タルディーニの1万4000人の観客の中にいたが、そのコメントはまさにズバリであった。
 以下は、パルマのオフィシャル・ウエブサイトに掲載されたジーコのコメントである。
「彼(中田)のほうが、中村より大人であった。イタリアでの経験が長い分だけ中田は成長し、スターになれたのだろう」

 それぞれの年齢は25歳と24歳で、中田の方が1歳年上なだけなのだが、パルマのホームスタジアムでの2人は、まるで大人と子供であった。
 中田は個人として秀でていたというわけではないが、そのプレーぶりはとても成熟していて、自信に満ち、自分の責任をよく理解したものであった。
 昨シーズンの中田は、ローマからの移籍に支払われた2600万ドルに見合った働きをしようとしたのか、がんばり過ぎであった。相手ディフェンスを切り裂くようなパスばかりを狙ったり、ボールを持ったときには何か特別なことをしようとしたりしていた。
 そして何といっても、高給の新加入選手であり、背番号10であり、ゲームメーカーであったわけだから、自分の価値を証明しなければならないというプレッシャーがあったのである。

 しかし、今シーズンの中田は、ブラジル人のアドリアーノが中央、ルーマニア人のアドリアン・ムトゥが左に位置する、3人のパルマ攻撃陣の右サイドに新たな居場所を見つけた。
 今シーズン、アドリアーノとムトゥの2人はリーグ戦で13ゴールを記録しているが、中田のプレーも格段に良い。個人技が傑出しているというのではなく、チームの一員として見事に機能しているのである。
 日曜日の試合でもっとも印象に残ったのは、ボールを持った時の、中田の自己抑制の素晴らしさ、落ち着きとともに、ボールを機能させようとする新たな能力で、それはあたかも簡単なパス、簡単な選択のほうが、派手なプレーよりも効果を上げることがよくあるのだと言っているようであった。
 現在の中田は、日本代表のときと同じようにセリエAでもリーダーのように振る舞っているが、これは1998年にペルージャでデビューして以来中田がどれほど成長してきたかを示すものである。

 一方の中村はイタリアではまだ新人である。パスやドリブルに才能の片鱗は見えるが、現在の中田のような安定感を持ち合わせてはいない。
 ただし、中村は学習意欲の高い、クレバーな選手だから、これは時間が解決してくれるだろう。現在、中村は弱小チームで厳しいシーズンに直面している。レッジーナは13試合で勝ち点を7しか挙げておらず、わずか1シーズンでセリエBに逆戻りするのが確実な様相である。
 しかし、中村のプレーぶりは、たとえレッジーナが降格しても、セリエAに留まってプレーできるかもしれないと十分予感させるものである。ゲームが止まったときの左足のコーナーキック、フリーキック、ペナルティーキックはつねに相手チームの脅威となるだろう。
 しかも、イタリアではファウルがしょっちゅうあるため、ゲームがよく止まる。そのため、中村は今シーズンすでに挙げている5ゴールへの上積みも可能だろう。 とはいえ、日曜日にも素晴らしい動きやボールタッチがいくつかあったが、安定感やチームプレーでは、中村はまだまだ中田のレベルには達していなかった。

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