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残念なコンサドーレの降格

2002/10/31(木)

 日曜日、カシマ・サッカースタジアムで心動かされる経験をした。コンサドーレ札幌のJ2降格が決定した日だ。
 コンサドーレはとてもおもしろい試合を見せてくれ、小倉隆史のゴールで2度のリードを奪った。
 そのたびに鹿島アントラーズが挽回した。柳沢敦が巧妙なゴールを2つ決め、ゲームは2−2で延長戦に突入した。
 大方の予想に反して、コンサドーレはJ1残留をかけてなおも勇敢に戦っていた。
 しかし、102分、鹿島の若きレフトバック、石川竜也のゴールによりアントラーズが3−2で勝利し、ジュビロ磐田を追うための勝ち点2を獲得した。と同時に、J1での試合を4つ残してコンサドーレ札幌の降格が決定した。
 来シーズン、私はコンサドーレがいないのを、とりわけJのトップリーグにいないのを残念に思うだろう。
 理由は、Jリーグ最北の地でがんばっているというだけでなく、北海道のチームであることをアピールした結果、コンサドーレには素晴らしいファンがついているからである。
 特にアウエーの試合で、ゴール裏などのアウエー・チームのサポーター席を特徴的な赤と黒のチームカラーで占めている光景は、いつも鮮烈な印象を与えてくれる。

 日曜日の試合の後、寛大な精神をあまり示したことのなかったアントラーズ・ファンが、長く辛いシーズンを送ってきたビジター・チームの苦労を讚えて、なんと「コンサドーレ」というチーム名の連呼を行なった。
 コンサドーレのファンも、「鹿島アントラーズ」というコーラスでこれに応え、それから威勢よく、そしてふてぶてしく「ウイ・アー・札幌」(「ウー・アー・カントナ」の憶えやすい節)で自分たちのチームへの忠誠を誓った。
 素敵な時間だった。Jリーグに関わる外国人がJリーグを見ていると、古き良き時代に戻ったように感じることがよくあるが、それは敬愛の念、家族的雰囲気があり、敵対するチーム間でも暴力沙汰がないからである。
 Jリーグにはずっとこうであってほしい!

 今シーズン、コンサドーレには3人の監督が次々とやって来た。最初は柱谷哲二であったが、監督業の厳しい洗練を受ける羽目になった。
 不運なケガにも見舞われた。特に、機転が利き、知性溢れる山瀬功治の故障は大きかった。
 しかし、コンサドーレはこれまでにもJ2からJ1に復帰した経験があり、今回も戻って来ることは可能である。コンサドーレは1998年にJリーグに加盟し、J1でわずか1シーズンを過ごしただけで降格。1999年と2000年のシーズンをJ2で過ごし、2000年のシーズンにJ2優勝を果たした。
 昨シーズン、コンサドーレ札幌はJ1リーグで11位であった。この成績は、24ゴールをあげたブラジル人選手ウィルに負うところが大きく、今シーズンは同じような強力な戦力には恵まれず、結果を出すことができなかった。
 コンサドーレが—その熱狂的なファンとともに—早くJ1に戻ってくれることを願う。

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