サッカーが他のスポーツから学ぶべき事
サッカーは実に素晴らしいスポーツである。しかしこれはサッカーが完璧であるという事ではない。
むしろサッカーは完璧からほど遠い。
私はサッカーには他のスポーツからまだまだ学ぶべき点があると思っていた。そして、ここ釜山でアジア大会の試合を見て、その思いをますます強くした。
その日は、男子ホッケーの日本対インド戦を観戦した。
チーム構成と戦術面において、ホッケーはサッカーと非常によく似ている。1チーム11人のプレーヤーで闘う事、ゴールキーパー、リベロの存在、そしてマンツーマンのマーク、中盤のゲームメーカーとエースストライカーの存在等である。
また、ディフェンダー、ミッドフィールダー、そしてオフェンスに分かれているため、サッカーファンにとって観戦していて非常にわかりやすいのだ。
私がホッケーについて特に感心したのは、選手交代の仕方だ。
皆さんがどう考えておられるかは分からないが、私はサッカー観戦の際、特にゲーム終了間際の選手交代にイライラする事がある。
1−0で勝っているチームが、あるいはなんとか引き分けのまま試合を終わらせようとするチームが、残り数分という場面で選手を交代し、またロスタイム残りわずかの場面でさらに選手を交代するといった場面をこれまで何度見させられた事だろう。
もちろんこれらはルール違反ではないが、ファーサイドにいる選手をベンチへ引き上げさせ、またその選手もベンチまでゆっくり歩き、そしてベンチ前で他の選手と握手を繰り返す。そんな事のために、試合は30秒以上も中断されてしまうのだ。
なぜこんな三文芝居のためにスタジアム中が待たねばならないのだ。
それならば、サッカーはホッケーから学べば良いのではないだろうか。
ホッケーの試合において、選手交代の時は代わるべき選手の背番号を書いたボードを持ちハーフラインへ向かう。
ボードに書かれた背番号の選手はサイドラインへ走り、そのボードを受け取ってベンチへ走って帰るのだ。
その間、ゲームが止まる事はない。
ピッチ上には11人の選手しか入れない。その為に交代して下がる選手は速やかにピッチを去らねばならない。
このシステムは非常に上手く機能しており、サッカーの試合でも試してみると良いのではと私は思う。きっと無用で反則スレスレの時間稼ぎは減り、試合終了まで熱戦を楽しむことができるはずだと思う。
もう一つ、サッカーが見習うべきスポーツはラグビーだ。ラグビーには7人制と15人制がある。
ラグビーは激しく、またスピードもあり選手が負傷する事も多い。
ラグビーの場合、選手が負傷して治療が必要な時には、たとえプレーが続いていても、チームドクターがピッチ内に入る事が許されている。
まったく怪我などしていないのに、怪我をしているように装って審判を欺き、プレーを止めるといった行為をやめさせるためには、これをサッカーに取り入れてみると有効であろう。
サッカーが世界中でも最も素晴らしいスポーツの一つであることは間違いない。
ただし、問題点がないわけではないのだ。
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