フィリップ・トルシエ、充電中
答えは、ノー。日本対ジャマイカは見なかった。
次の答えも、ノー。少なくとも今後6か月間はクラブ・チームも、代表チームも指揮するつもりはない。
フィリップ・トルシエは、ほんのしばらくの間であったとしても、自宅でひっそりと過ごす生活を気に入っているようだ。
「見なかった。見るつもりもなかったけどね」トルシエは、ジーコが初めて指揮をとった、先週水曜日の日本代表の試合について、こう語った。
「6か月の休息が必要だし、日本についても語りたくはない。日本について語ってくれという申し出は、すべて断ったよ。少なくともこの6か月間は、何もする気はないんだ」
現在、トルシエの心中では、来月の初めにパリで予定されている手術が最も差し迫った用件となっている。
「右ヒザの手術を受けることに決めたんだ。リハビリテーションには、2か月かかるだろう」とトルシエは言う。
「20年前、選手だった頃からの古傷なんだけど、そろそろヒザもきれいさっぱりと治す時期がきたようだね。
「時々痛むけど、そんなにひどくはない。私も年なんだろうね」
7月、日本代表をワールドカップのセカンド・ラウンドに導いた後、トルシエは日本を去った。
それ以来、トルシエのもとにはクラブや各国協会からのオファーが殺到したが、次に指揮するチームについては結論を急ぎたくない、というのがトルシエの回答であった。
「先週のイプスウィッチ・タウンからのオファーを断ったのも、そんな理由からだし、中国、セネガル、チュニジア、モロッコ、イラン、サウジアラビアからのオファーも同じ理由だった」と47歳のフランス人は語った。
「サンダーランドやスタンダール・リエージュからも打診があったし、3日前にはクロアチア代表チームから話があったよ。
「中国には興味がなかった。4年前日本でやったのと同じようなことに取り組むことになるからね。即断を求められたので、休息が必要だ、と答えたよ。
「自分を檻の中のライオンみたいに感じたりする。女房が調教師でね。まあ今は、3本足のライオンだけどさ」
「6か月経てば、体調も万全になって、誰とでも戦えるようになるよ」とジョークも出た。
日本再訪は1月上旬に予定されている。前の雇い主である日本サッカー協会の招きにより講演を行う予定だ。
日本について語るのは休養のあと、と言っていたにも関わらず、トルシエは浦和レッズがJ1の首位にいることを知っており、鹿島アントラーズの若手ミッドフィールダーで、ワールドカップでは人気者の中村俊輔を犠牲にしてまで代表入りさせた、小笠原満男の調子について知りたがった。
「浦和レッズには驚いていない。素晴らしい攻撃力のあるチームだからね」とトルシエは語る。
「首位の座が入れ替わるのはいいことだ」
注目すべき選手の一人として、トルシエは浦和レッズのストライカー、永井雄一郎の名を挙げた。
「彼は、1999年にナイジェリアで戦った私のユース・チームでも指折りの素晴らしい選手で、準決勝のウルグアイ戦では見事なゴールを決めたんだ。私は、彼を代表候補の40人にも選んだ。彼は代表チームでもとても特別な選手になれると思ったからね。
「小笠原も考え方のしっかりした、とても良い選手だね。とても将来性のある選手だね」
トルシエが語っていた場所はパリの自宅であったが、今後はモロッコのラバトでリハビリ期間を過ごすそうだ。
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