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宙ぶらりんのユ・サンチョル

2002/09/05(木)

 ユ・サンチョルはなんとも不思議な窮状に陥ったものだ。
 数週間前は、彼はワールドカップのヒーローであった。中盤での力強いプレーぶりで韓国の準決勝進出に貢献し、FIFAの技術委員会が選出する16人のオールスター・チームにも加えられた。
 しかし今、ユ・サンチョルには所属するクラブがなく、ヨーロッパへの移籍話が不成立に終わってしまったため、数か月間試合に出場するチャンスさえないかもしれないのである。

 ワールドカップ期間中、ユは柏レイソルの選手であった。このJリーグのクラブはきわめて寛大な態度で、彼が6月末にチームを去り、ヨーロッパでプレーするという夢を追うことを許してくれた。
 その時点では、少なくとも5つのクラブが彼との契約に強い関心を示しており、そのなかにはドイツのレバークーゼンや、ワールドカップの韓国代表監督、フース・ヒディンクが現在指揮を執っているオランダのクラブ、PSVも含まれていた。
 レイソルは交渉権を韓国にあるユのマネージメント会社に譲渡した。しかし、ヨーロッパの移籍期限が終了する8月31日の土曜日までに、交渉はひとつも成立しなかった。
 ユをこのような状況に導いて、どうしようというのだろう?

 彼の代理人たちは、興味を示したクラブにあまりに多額の金を要求したのだろうか? なんといっても、この選手は現在30歳で、来月には31になるのであり、今回が夢に見たヨーロッパ進出の最後にして、最大のチャンスであったはずだ。
 さらに問題なのは、おそらくヨーロッパ・サッカーの景気が後退したことによってクラブには余剰な現金が不足しており、クラブとしては新たな選手を加入させるよりは増えすぎてしまった選手の数を減らすことに重きを置いているということである。
 ユは日本で年間約8千万円を稼いでいた。おそらく彼の代理人たちは、ヨーロッパに移籍するとしても減俸に応じるつもりはなかっただろう。クライアントが世界の最高峰に対して素晴らしいプレー見せたあとでは、なおさらである。
 ヨーロッパで次に移籍が認められるのは来年の1月という現状ではあるが、ユにはまだもう一つ選択肢がある。日本への復帰だ。しかし、レイソルでは不可能だろう。レイソルはすでに彼の代役にブラジル人ストライカー、エジウソンを獲得している。

 ユのワールドカップでのチームメート、アン・ジョンファンが、来年1月にドイツのブンデスリーガに移籍するまでJリーグでプレーするという噂もある。
 しかし、たとえ4か月だとしても、アンとの契約に必要な金額を支払える日本のクラブは、どれくらいあるのだろう?
 間違いなく、アンは絶大な人気を得るだろう(サッカー・ファンだけでなく、信奉者の女性たちからも)。彼のマネージメント会社は、何の問題もなくスポンサーを獲得できるだろう。
 アンが日本で素晴らしい4か月を過ごすことを心待ちにしているのに対して、ユは、一体どこで何もかもがおかしくなったのだろうと考え込んでいるに違いない。
 ヨーロッパはひょっとして、ワールドカップにおける韓国の活躍をもう忘れてしまったのだろうか?

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