アジア人選手のヨーロッパ侵攻、ついに始まる
はじめに若干のつまずきはあったものの、間違いなくアジア人選手はヨーロッパ・サッカーに侵攻しつつあるようだ。
8月27日火曜日は日本サッカーにとって意義深い一日となったが、中国や韓国の選手だって、ヨーロッパ大陸のあちこちでその存在をアピールしている。
火曜日にもっとも輝かしい活躍を見せたのは、ワールドカップでも日本のために見事なゴールを2度決めた稲本潤一であった。
元ガンバ大阪のミッドフィールダーは、UEFAインタートト・カップ決勝の第2戦、フルハムがイタリアのボローニャを3−1で破った試合でハットトリックを達成したのである。
「イナ」は2−2で引き分けた第1戦でもゴールを決めており、その結果、通算得点5−3でフルハムは勝利した。
インタートト・カップはUEFAカップの予選トーナメントに過ぎないとしても、アーセナルで悲惨な一年間を過ごした稲本の活躍は、フルハム・ファンの間で稲本の人気を高めるものとなるだろう。
今回の活躍は、少数の皮肉屋が間違っていたことを証明したかもしれないが、もちろん、シーズンはこれからまだまだ続く。稲本はさらに、フルハムのプレミアリーグ用のチームでもレギュラーでやっていけることを立証しなければならない。彼のサッカー人生では、このことが当分の目標でなければならないのである。
もう一段高いレベルに目を移してチャンピオンズ・リーグの予選ラウンドを見てみると、フェイエノールトがトルコでフェネルバフチェを2−0で破った試合で、小野伸二が先制ゴールを決めている。最終的には、ロッテルダムのクラブが通算3−0で勝利し、お金の儲かるチャンピオンズ・リーグの出場権を獲得した。
トルコでの試合は、個人にとって厳しい試練の場となるのが常である。ホームのファンは、その情熱と迎え撃つ相手チームに対する敵意でよく知られているからだ。
このような状況下で、小野が自身の評価をさらに向上させるようなプレーを見せたことは、まさに偉業である。
チャンピオンズ・リーグの1次リーグには、フェイエノールトだけでなく、ベルギーのチャンピオン、ゲンクも参加する。ゲンクはチェコ共和国のアウエー戦ではスパルタ・プラハに4−2で敗れたが、ベルギーでの初戦を2−0で勝利しており、アウエー・ゴールのルールが適用され、1次リーグ進出を決めた。
ホーム・アンド・アウエーの2試合のスコアの合計がこの試合(4−4)のように等しい場合、アウエー・チームのゴールは2倍して計算されるため、プラハでゲンクが奪った2ゴールが勝敗の分かれ目となったのである。
鈴木隆行は、ヨーロッパでの最初のシーズンにしてチャンピオンズ・リーグ出場のチャンスをつかんだわけである。
ヨーロッパの他の地域では、中国の李鉄(リ・ティエ)はエバートンの中盤の即戦力としてやっていけることを立証したし、同じくイングランド・プレミアリーグ、マンチェスター・シティーの孫継海(スン・ジハイ)も上々のデビューを飾っている。
ワールドカップでの韓国のスター、ソル・ギヒョンはベルギーのアンデルレヒトで4ゴールをあげ、得点ランキングのトップにいる。しかし、同胞であるアン・ジョンファンのブラックバーン・ローバーズ入団は、イギリス政府が労働許可証の発行を拒否したため、不可能となった。
9月中旬に開幕するイタリアのシーズンでは、セリエAの古株でパルマ所属の中田英寿と、新入りでレッジーナ所属の中村俊輔にあらゆる注目が集まり、日本を中心としたアジア全域で熱狂が巻き起こることだろう。
さあ、新たな世代のサッカーのパイオニアたちが好調を維持し、より多くの日本人選手、韓国人選手、中国人選手がサッカーの主流に加わることができるよう門戸を広くしてくれることに期待しようではないか。
ワールドカップにおける韓国と日本の活躍は、海外のアジア人サッカー選手に対するいくつかの誤解を間違いなく、取り除いてくれたのである。
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