タカがピッチに帰ってきた
ワールドカップでの日本の戦いを振り返ることはあっても、代表チームから重要な選手が一人欠けた経緯については忘れられやすいものである。
誤解しないで欲しいが、中村俊輔のことを言っているのではない。
今回取り上げたいのは、ジュビロ磐田のストライカーであり、肺血栓でワールドカップ出場を断念しなければならなかった高原直泰のことである。
現在、ありがたいことにタカは元気で、そして燃えている!
彼は土曜日、ジュビロがホームでベガルタ仙台を4-0で破った試合で3度ゴールを決め、今シーズンの通算得点は12試合出場で12点となった。
病に襲われる前、ワールドカップを見据えた時期に、高原は5試合に出場して2度ゴールを決めていた。つまり、シーズンが再開されてから高原は7試合で10ゴールを決めたことになるのである。驚異的な得点率というほかはない。
まだ23歳のタカがもしワールドカップを絶好調で迎えていたなら、柳沢敦と並んでストライカーの一番手となっていたはずである。
これはシドニー・オリンピックにおける、前の代表監督、フィリップ・トルシエのお気に入りのコンビであり、トルシエがワールドカップでもこのコンビを続けて起用することは確かなように見えた。
高原は、ストライカーが成功するために必要な要素をすべて持っている。そのなかには、ワールドカップ出場経験のある歴戦のフォワード、中山雅史という最高の教師までも含まれている。
今シーズンこれまで、ファースト・ステージ優勝を目指すジュビロにあって、中山は得点王争いでは高原に大きく水を開けられていた。34歳の「ゴン」は、13試合に出場して、5ゴールしか上げていなかった。
しかし、ペナルティー・エリアに中山がいるだけで、もう一人のストライカーである高原のためのスペースが生まれ、若きストライカーは目の前に現れた自由なスペースで暴れ回ることができるのである。
181センチで75キロの高原は長身で、細く、柳沢と同じようにボールから離れた位置で素晴らしい走りを見せる。
ペナルティー・エリア内では神出鬼没で、すばしっこく、絶妙のファースト・タッチによってゴールのチャンスを高めることができる。
この点が、高原と柳沢の違うところである。柳沢はファースト・タッチにまだ改善の余地があり、ゴール前で高原が見せるような、プレッシャーがかかった状況での冷静さにも欠ける。
高原は自信ももっているし、得点することを楽しんでいる。
ベガルタ仙台戦で3ゴールを上げたときの彼の反応を見れば、それは明らかである!
そう、ワールドカップで日本が高原を欠いたのは痛かった。トルシエのチームにはストライカーが一人欠けていて、その一人がタカであった。
現在、ワールドカップで高原がどれだけできるかを見るためには、我々は2006年まで待たなければならないのである!
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