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海外でプレーすべき選手、松田

2002/08/08(木)

 成功の度合いはさまざまだが、海外に渡った日本人選手に思いを巡らせるのは楽しいものである。
 ゴールキーパーは一人、川口能活だ。
 ミッドフィールダーは何人かいる。中田英寿、名波浩、小野伸二、稲本潤一に中村俊輔が新たに加わった。
 さらにフォワードも数人。1994年の三浦知良に始まり、城彰二、西沢明訓、高原直泰がいて、今回の鈴木隆行だ。
 日本がいまだ選手を輸出していないポジションは、ディフェンダーだけとなった。
 しかし、現在、日本にはJリーグを後にして、ヨーロッパでキャリアを積み重ねることのできるディフェンダーがいる、と私は信じている。その選手とは、松田直樹である。

 横浜F・マリノスの25歳のキャプテンは、つねに才能に恵まれた選手であった。
 しかしかつては、集中力の欠如や時折見せる日本人らしからぬ逆上ぶりによって、評価を落とすこともあった。
 前の日本代表監督・フィリップ・トルシエのもと、松田は大きく成長し、フランス人監督の在任期間最後の年には、日本代表でもっとも安定性のあるディフェンダーとなっていた。
 日曜日、京都で行われたマリノスの試合での松田を見れば、この選手がJリーグを凌駕しているのは明らかであった。
 つまり、松田はJリーグのレベルでは突出しており、その能力をさらに向上し続けるには、より高いレベルに移らなければならないのである。
 一般的には、25歳という年齢はセンターバックにとってはまだまだ若年であり、松田がそのポジションでのピークを迎えるまでには、少なくとも6年か7年の余裕があるだろう。

 ワールドカップ以前の西側世界の認識は、日本人選手は身体的に小さいので、とくにディフェンダーは、トップレベルのサッカーには対応できないだろうというものであった。
 しかし、日本代表チームを見渡せば、これが思い込みに過ぎないということがわかる。
 松田は、身長が1メートル83で、体重が78キロ。俊敏さもあるし、ゲームもよく読める。
さらに、相手のペナルティー・エリア内でフリーになれると見れば、リベロとしてしばしば前に攻め上がることもできる。
 日本代表で、松田は外国チームを相手に必要不可欠な判断力と気迫を見せてきたが、もし彼が海外でのプレーを望むなら、これは長所となるだろう。国際舞台でも、松田は臆することもないし、ためらうこともない。名波は臆し、ためらったがゆえに、イタリアで成功できなかったのである。

 Jリーグは松田にとっては簡単すぎる。ヨーロッパのクラブが日本選手を物色に来るのなら、攻撃的ミッドフィールダーやストライカーだけでなく、ディフェンダーを獲得することも考慮して欲しい、と私は思う。
 松田は、ヨーロッパのクラブの期待に応えられるだけの選手である。

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