エンゲルスのイチオシ、黒部光昭
日本代表が新ストライカーを探しているのなら、自分は一人知っている、と京都パープルサンガの監督、ゲルト・エンゲルスは思っていることだろう。ストライカーとは、黒部光昭のことだ。
24歳のセンター・フォワードは、昨シーズン41試合に出場して30ゴールを挙げてJ2で旋風を巻き起こし、京都のJ1昇格に貢献した。
黒部の勢いは依然続いており、今シーズンは7試合で6ゴールを挙げ、京都はJ1の6位に進出した。
出場停止処分により8試合のうちの1試合を欠場したが、6ゴールは、ジュビロ磐田の藤田俊哉と並ぶ今シーズンのJ1での日本人選手最多ゴールである。
得点王争いで黒部と藤田の上にいるのは、9ゴールのエメルソン(浦和レッズ)と7ゴールのマグロン(ガンバ大阪)という二人のブラジル人選手だけである。
エンゲルスは、元福岡大学生はさらに進歩を続けることができると考えている。
「うん。黒部は良いスタートを切れたね。ヴェルディ戦ではハットトリックもしたし」とドイツ人の監督。
「ヒザのケガのせいで、黒部はシーズン前の準備がそれほどでもなかったんだけど、現在7試合で6ゴールとは、すばらしい得点記録だね。」
「大学を卒業してからプロではまだ3年目なんだけど、彼はいつも学んでいる」
エンゲルスによれば、黒部は器用さも急速に身につけているそうだ。
「彼はもともとパワフルな選手で、いちばんの得意はヘディングだった。でも、現在では足技もずっとうまくなったし、緩急のつけかたも学んでいるところだ。」
「動き方は、改善の余地がある。黒部の場合、ゴール前でボールを待ちすぎる傾向がある。彼はディフェンダーの周りでもっと動く必要がある。そうすれば、ディフェンダーから離れてプレーできるんだけどね」
これまで見たかぎりでは、黒部は今後も学び続け、代表の座も獲得できるとエンゲルスは感じている。
「チャンスがあると思わないかい?」とエンゲルス。
「黒部は、フィジカルは強いし、スピードもパワーもある。テクニックも動き方もさらに向上させることはできるし、ゴール前での感覚も、経験とともに研ぎ澄まされるだろう」
今シーズン、エンゲルスは黒部の目標として15ゴールを設定している。昨シーズンJ2で記録した数の半分という計算だ。
「黒部は2試合に1度ゴールを決めてくれたら満足だ。今シーズン、黒部が最終的に15ゴールを挙げたら、私は嬉しいが、チームは良いプレーをして、黒部にチャンスを供給しなければならない。一人の選手のことより、そっちのほうがもっと大事なんだけどね」とドイツ人監督は付け加えた。
この記事へのコメントは終了しました。
コメント