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新チェアマン、前途洋々のスタート

2002/07/25(木)

 Jリーグの新チェアマン、鈴木昌氏の口からはとても力強い言葉がいくつも発せられた。火曜日の午後、東京で行われた就任後初めての記者会見でのことだ。
 あるスポーツ・ジャーナリストの質問に答えて、Jリーグは近い将来に延長戦を廃止する意向である、と鈴木氏は述べた。
 個人的には、これはJリーグにとって大きな前進であると思う。世界各国の主要なリーグで、リーグの試合に延長戦を導入しているところはどこにも見当たらないからだ。

 鹿島アントラーズの前の社長である鈴木氏は、ワールドカップによって日本のファンも引き分けが刺激的な結末になりうることをわかったようだ、と語り、日本が2-2でベルギーと引き分けた試合を引き合いに出した。
 私は、鈴木氏が2002年ワールドカップの引き分けだけを引き合いに出したのに驚いた。というのも、私が憶えている、日本代表にとってもっとも意味深い引き分けは、前回のワールドカップの予選でのものだからだ。
 もちろん、私が言っているのは1993年10月、ドーハの日本対イラク戦の2-2の引き分けだ。この結果により、翌年アメリカで開催された本大会に日本が出場するチャンスがついえたのである。
 今も憶えている。残りほんの数秒まで日本が2-1でリードしていて、そしてイラクが追いついた。6チームのグループで日本は1位から3位に落ち、サウジアラビアと韓国に出場権を奪われてしまった。

 引き分けはサッカーの重要な一部であるが、リーグ戦を90分で終了させるというJリーグの決定は、いますぐ実行するというわけにもいかないだろう。
 Jリーグでは、次のシーズンの開幕から引き分けが廃止されるように取り計らってもらいたい。
 1993年にリーグが発足したとき、Jリーグ関係者は、ファンはどの試合でも決着がつくのを望んでいるとして、延長戦とさらにPK戦を導入した。90分の勝利では勝ち点3が与えられ、延長戦のVゴールでの勝利には勝ち点2、PK戦での勝利には勝ち点1が与えられた。
 この制度はあまりに複雑だったので、幸いにもリーグは、1998年のシーズン以降、PK戦を廃止した。
 延長戦やVゴール、PK戦は、リーグの試合ではなく、ノックアウト・システムのカップ戦にとっておくべきものである。

 さらに私は、Jリーグに2シーズン制ではなく、1シーズン制で戦って欲しいと思っている。いちばん多く勝ち点を獲得したチームが、プレーオフなしでリーグのチャンピオンとなるのだ。プレーオフは、世界のサッカー界ではきわめて特殊なものである。
 もっとも、1シーズン制を近い将来に実現させるのは容易ではないだろう。2試合のチャンピオンシップは、テレビ放映権料やスポンサー料、観客収入など多額の収益をもたらしてくれているからだ。
 とはいえ、延長戦をやめることは、正しい決定であり、大きな前進である。

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