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マリノス−仙台戦に見るワールドカップ余熱

2002/07/17(水)

 先週土曜日、ワールドカップフィーバーを引き継ぐように、長かった休みをはさんでJリーグが再び始まった。
 いくつも好ゲームがあったのだが、私は横浜の三ツ沢スタジアムで行われたFマリノス対ベガルタ仙台を見に行った。
 そしてその試合は私の期待を裏切らない好ゲームであった。

 14,762人の観衆でスタジアムはほぼ満員で、そのうえスタジアム周辺のマンションのバルコニーからは、無料で観戦できる特等席だとばかりに住人たちが試合開始のかなり前からピッチを見下ろしていた。
 スタジアムはまるでヨーロッパでよく見られるサッカー風景のように、一方のゴール裏には黄色のシャツを身にまとったベガルタ仙台のサポーターの一団が、もう一方にはマリノスブルーの一団が陣取っていた。

 試合はと言うと、レッドカード1枚、イエロー3枚が出されたにもかかわらず、テンポの良いフェアな試合だった。
 ベガルタ仙台の森勇介は55分に1枚目のイエロー、そして試合終了6分前にはマリノスの俊足FW坂田大輔の足をひっかけ2枚目のイエローをもらい退場になった。
 とは言うものの、その時点で既にマリノスは奥大介とブラジル人DFナザのゴールにより2−0でリードしていた。
 レッジーナへの移籍が決まった中村俊輔が怪我で出場できなかった為、2トップ下中央で司令塔としてプレーしていた奥が58分に均衡を破るゴールを決め、続いてナザが30メートルの距離からFKをディフェンスの壁を突き破り右隅にゴールを決めた。
 しかし一方のベガルタも決して試合を諦めることなく、なんとか追いつくべく素晴らしいプレーをしていた。

 また主審の松村和彦氏の主審ぶりも素晴らしく、できるだけ試合の流れを断たないように、そして怪我を装いピッチに倒れ込む選手達にもすぐに立ち上がるよう指示していた。
 特に15分、ブラジル人FWマルコスが上野良治にファールされた時の主審は素晴らしかった。
 マリノスの主将、松田直樹がマルコスの手を引いて立たせようとしたのだが、マルコスは足をひどく痛めたフリをして見せ、松村氏は即座にイエローカードを提示した。マルコスはあくまで怪我をしているフリを続けるしか術がなく、30メートルほど足を引きずりながらサイドラインまで歩き、試合が続行されるなか治療を受けていた。
 この主審の毅然とした姿は素晴らしいものだった。こうしたことが、選手が無用にプレーを止めてファンの楽しみを奪うことを防ぐのだ。

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