名選手ジーコは果たして名監督になれるか?
正直なところ、ジーコが新しい日本代表監督に就任すると聞いて驚いた。
私はてっきり日本サッカー協会は、トルシエの後を引き継いで日本代表チームを次のレベルに引き上げてくれる、経験あるヨーロッパ人の監督を選ぶだろうと思っていた。
今年の正月、トルシエがワールドカップ後に日本を去る事を正式に発表した直後、私はすぐにフース・ヒディンクこそ次の監督にふさわしいと思った。
その当時、ヒディンクは韓国代表で結果を出せずに苦悩の日々を送っていたが、ワールドカップで準決勝まで進出するや一転、素晴らしいコーチであることを証明してみせた。
今となってはもちろん、ヒディンクを雇う事など遅すぎるのだが、果たして彼に日本サッカー協会から代表監督の就任要請があったかどうか興味深いところだ。
ジーコ監督の就任はどうやら一人の人物の一存によって決められたようだ。川淵三郎。岡野俊一郎の後継者として日本サッカー協会会長就任がほぼ決定している人物だ。
ファン、メディアを通じて有名で、且つ日本のサッカー界をよく知っていること、それこそ川淵が徹頭徹尾望んでいたことだからだ。
もちろん日本のサッカー界を知っていることは利点と言えよう。しかし、知名度や人気は、良い監督の条件だろうか?
今の段階では答えは見つかるべくもない。
事実、ジーコは監督としての経験はないに等しい。
1994年の現役引退以来、鹿島アントラーズのテクニカルディレクターを数シーズン務めてきた彼だが、実際の指揮はあくまで監督代理として12試合にすぎない。
1999年のセカンドステージは11試合中8勝をあげ、2000年トニーニョ・セレーゾが監督に就任する前、彼の最後の1試合は負け試合だった。
ブラジルの伝説的なプレーヤーと並び、現役時代は名選手として活躍したジーコだが、トルシエがしっかりとした基盤を作った日本代表を次のレベルに引き上げるための戦術的な知識や、代表選手達とのコミュニケーション能力はあるのだろうか?
選手達がヨーロッパ的なサッカーを身につけてしまった今、日本サッカー協会がジーコを代表監督に就任させるのは、ある意味とてつもなく大きな賭けだと思う。
もしかすると、私はあまりにも悲観的なのかもしれない。しかし私にはやはり経験あるヨーロッパ人の監督が最適だったように思えてならない。
今はただ黙って見守っていくしかないだろう。
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