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日本が本当に認められた日

2002/06/11(火)

日本サッカー最高の夜!
 ロシアを見事1-0で破った試合の戦術やスタイルの見事さだけを言っているのではない。横浜国際競技場のファンタスティックな雰囲気だけを言っているのでもない。日本人のファンが夜遅くまで勝利を祝ったことを言っているのである。

全てはゲームのため
 勝たなければセカンドラウンド進出が難しくなる日本は、過去4年間フィリップ・トルシエが育んできた結束力を見せ、強敵ロシアを破った。

稲本潤一、またも殊勲のゴール
 2-2で引き分けたベルギー戦では、稲本は強引な走りでベルギー・ディフェンスを突破し、左足の強烈なシュートをゴールネットに叩き込んだ。
 今回の試合の51分、稲本は長い距離を走り前線に辿り着いた。中田浩二が左サイドからペナルティー・エリアに供給したボールに対して、柳沢が絶妙のタッチで稲本にボールを流す。
 オフサイドの疑いもあったが、稲本が右足で冷静にシュートしたボールは、ロシアのゴールーキーパー、ルスラン・ニグマトゥリンの横をすり抜けた。
 過去1年間をアーセナルの練習場で過ごし、時折ベンチに入るだけで、アーセン・ベンゲルからプレミア・リーグでプレーするチャンスを与えられなかった稲本は、自分をアピールしたい若手選手のようなプレーを見せた。

ついに、サッカーの虜
 ワールドカップでの日本の初勝利は、実際にはチームワークの勝利であった。
 4年前のフランスでは、日本は3戦全敗を喫し、今回の緒戦はベルギーとドロー。
 いわば、勝利は論理的帰結であったわけだが、現在、日本はセカンドラウンドに進出する公算が高い。ファーストラウンドで残っているのは、金曜日大阪で行われる、チュニジア戦のみ。チュニジアはグループHの4チームのなかでいちばん弱いと見られている。

 スタジアムの雰囲気は信じられないくらいであった。6万6千人以上のファンがほとんど全て、青を着ていたのである。
 試合後、スタジアムから新横浜駅までの道筋では思いがけない光景が展開されていた。
 羽目を外さないことで知られる日本人が、感情をほとばしらせ、南米でよく見られるような国民的自尊心をあらわにしていたのである。
 自動車のドライバーがクラクションを鳴らしながら、日の丸を窓から出して振っている。サポーターのグループが路上で応援歌を歌い、ビールをまき散らしている。知らないもの同士が抱きあい、ハイタッチをしている。

 私は道路沿いのバーで、数人の同僚とともにこの光景を間近に見ていた。我々がイギリス人だとわかると、日本のサポーターたちは、「ベッカム! ベッカム!」と連呼し始めた。
 我々は、「イナモト! イナモト!」と応えた。

ワールドカップ・パーティーへようこそ、日本
 やって来たのは遅かったけど、今日から君たちも大切なゲストだ。

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