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クロアチアの凋落

2002/06/06(木)

 4年前のフランス、ワールドカップ初出場のクロアチアが3位になったときには、だれもが驚いた。
 しかし、月曜日の午後、新潟でのメキシコ戦に1−0で敗れたときには、だれもまったく驚きはしなかった。

 ロベルト・プロシネチキ、ダボル・シュケル、アレン・ボクシッチと、クロアチア代表にはおなじみの名前が揃っていたが、さて、これらスター・アタッカーたちの生年月日はご存知だろうか。

 ワールドカップ・フランス大会で6点をあげ、得点王となったシュケルは、日本に苦杯を舐めさせた選手でもあるのだが、現在は34歳で、チームのキャプテンである。
 月曜日、シュケルは試合の開始早々に積極的に左足でボレー・シュートを打ったが、見せ場はそれだけで、64分には交替させられてしまった。
 プロシネチキは33歳。柔らかいボールタッチから生まれる技術は健在だが、中盤での動きが緩慢で、何本かのコーナーキックとフリーキックを無駄にしてしまった。プロシネチキはハーフタイムで交替。
 前回のワールドカップを故障で棒にふったボクシッチは、32歳にして攻撃陣の「最年少」であったが、まったく見せ場はなく、67分に交替した。

 メキシコが自分たちに敬意を払うとクロアチアが思っていたのなら、それは勘違いというものだ。
 クロアチアがボールを持つたびにメキシコのファンはひっきりなしに口笛を鳴らし、プレーが上手くいかなくなるたびに騒々しいヤジを飛ばした。

 初夏の美しい陽光のなかにいる、約6千人のメキシコのファンの姿は、新潟のビッグスワン・スタジアムでは素敵に目立っていた。
 彼らは早朝から東京発の新幹線に次々と乗り込み、巨大なソンブレロ、太鼓、笛、オモチャの木の楽器と歌とテキーラで車内を占領していた。90分間、彼らの素晴らしい声援は途切れることがなかった。
 「オーレ! オーレ!」メキシコが自在にボールを回し始めると、この声援が続いた。まだ試合開始から5分しか経っていないのに!

 暑さと湿度のなか、クロアチアは年老いて、疲労しているように見えた。前のワールドカップでの見事なプレーは見る影もなかった。
 クロアチアの次の相手はイタリアである。そして、2度負けてしまえばセカンドラウンド進出は事実上不可能となる。
 今回、クロアチアが早々と帰国することになっても驚く人はいないだろう。

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