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日本中が待ち焦がれた日

2002/06/04(火)

 さいたまスタジアムでベルギーと対戦する火曜日の夜、日本中が味わってきた鬱憤がようやくとける。
 1998年、日本代表は史上初めてワールドカップ出場を果たしたものの、楽勝かと思われたジャマイカ戦を含めて3戦に全敗し失意のうちにフランスより帰国した。
 ワールドカップ出場の経験もないサッカー後進国としては多大過ぎる程の期待を持っていた日本人にとっては受け入れがたい現実であった。

 日本代表監督フィリップ・トルシエと代表チームは、トルシエが作戦面、技術面そして戦略面での準備は完了したと語った昨年末から来るべきワールドカップ初戦に備えて来た。
 そしてその時点で23人の代表候補のうち欠けていた1〜2つのポジションについても既に決まった。

  日本代表キャンプは非常に明るく選手達も火曜日の夜に満員のさいたまスタジアムのピッチに出るのが待ちきれないといった様子だ。
 チームは調子も雰囲気も申し分ない。そして中田英寿をはじめチームの柱となるべきMF達も好調である。
 パルマでの不調を乗り越え中田は今や彼のキャリアの絶頂期を迎えようとしている。そしてチームの攻撃力の柱という重責を果たそうとしている。

 小野伸二はフェイエノールトで素晴らしいルーキーシーズンを過ごしてきたし、一方稲本潤一もベンチに居ながらも大きな成長を見せてきた。
 特に稲本はガンナーズではほとんど試合に出る機会がなかったとは言え、トップクラスの選手達との練習で多くの事を学んだ筈で、アーセナルでの将来を確固としたものにする為にもワールドカップでは張り切ってプレーする事だろう。

 怪我で大幅な戦力ダウンを余儀なくされているベルギーに日本は勝つこともできるだろう。
 ただ、ベルギーは6大会連続でワールドカップ出場を果たしているし、1986年には準決勝進出も果たしている。そう楽観できる事ではないと言う事は選手達もよくわかっているはずだ。
 初戦に勝つ事ができればそれこそ国中が熱狂の渦になるが、それ以上に重要な事は負けないと言う事だ。負けると6月9日のロシア戦で大きなプレッシャーを受ける事になってしまう。
 引き分けで良しとする事を選手達もファンも覚えておく事が重要だ。ファーストラウンドの3試合の初戦で統制と冷静さを失うわけにいかないのだ。

 この試合についてはテレビの瞬間最大視聴率の記録を作るだろうと言われている。最大で70%とそれこそ国中の殆どの人がテレビを見る事になるのではないか。
ニッポンフィーバーが列島を揺らす事になるだろう。

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