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トルシエが俊輔を代表から外した理由

2002/05/20(月)

 金曜日に行われた日本サッカー協会のワールドカップ代表発表で、秋田豊と小笠原満男の名前が読み上げられた瞬間、会場の記者達は思わず息を呑んだ。
 そして中山雅史の名前が4人のFWの一人として発表された時、会場には喝采が起こった。
 しかし、やがて中村俊輔が代表から漏れたという事実に気がつきはじめた。

 先月行われたキリンカップでの対スルバキア戦、ホンジュラス戦では横浜マリノスの23歳MFは代表監督フィリップ・トルシエに認めてもらうべく全力でプレーした。
 不本意だった昨シーズンから一転、彼は代表チームへの手応えを感じていたに違いない。
 しかし、フタを開けてみるとやはり肝心な場面で彼は取り残されてしまった。

 ハンサムであり、性格も穏やかで何より左足から放つ素晴らしいフリーキックに魅了された多くのファン、特に若い女性達はガッカリしたに違いない。
 しかし、トルシエにとってはそれだけでは物足りなかったのだ。

 中村や彼のサポーター達にとっての厳しい現実とは一体何だったのだろうか。

 トルシエは中村を左MFとしてしか使えないと見ていた。ただ、このポジションは攻撃のみならず守備に対しても積極的に関わるスタミナと当たり強さが必要とされる重要なポジションである。
 トルシエがこのポジションの第一候補に選んだのは小野伸二である。そして交代要員として、攻撃に転じる時は三都主アレサンドロ、守備を固める場合は服部年宏がいる。
 従って中村は第4候補という事になるのだが、GKを除いた20人のメンバーの中で一つのポジションに4人のプレーヤを選ぶ余裕が果たしてあるのか?
 答えは明らかに「ノー」だ。

 一方、横浜マリノス監督のセバスティアン・ラザロニはトルシエが中村の使い方を間違えていると考えている。
 中村は左サイドMFではなく、中央で司令塔をさせるべきだと考えている。
 しかし、そのポジションには中田英寿がいる上に、トルシエの信頼厚い森島寛晃がバックアップとして控えている。
 仮にトルシエが中村を司令塔として考えるなら(実際は彼の当たりの弱さゆえあり得ない事だが)3番候補となったのかもしれない。
 しかし、鹿島アントラーズの若き司令塔、小笠原満男が選ばれた。
 結局ここにも彼の居場所はなかったのだ。

 彼のフリーキックとコーナーキックが素晴らしいというのは間違いない。しかしそれをしても中田英寿、小野、三都主に次いでここでも彼は4番手なのだ。

 結局のところ、トルシエはメディア、世論、そしてスポンサーからの俊輔を推す圧力を拒んだ形となった。
 そしてトルシエのこの決断は彼に対する批判を噴出させる事になるだろう。しかしこれは間違いなく正しい決断なのだ。

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