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マリノスの見事な補強手腕

2002/04/25(木)

 あるシーズン、チームが1部リーグ残留に苦労すれば、チームのオーナーはほとんどの場合間に合わせの補強をするものである。
 つまり、外国人選手を解任したり、未知の選手を寄せ集めて建て直しをはかったりだ。

 しかし、横浜F・マリノスは既知の日本人選手でも良い選手なら幸運を呼び戻してくれることを知っていて、ほんの数ヶ月で降格候補から優勝を争うチームへと変身を果たした。1995年のリーグ・チャンピオンであるマリノスは、昨年11月のまさにシーズン最終日まで2部降格の危機にあった。
 1部生き残りが決定すると、クラブは3人のブラジル人選手のうち2人-ディフェンダーのナザと左サイドのミッドフィルダーであるドゥトラ-の残留を決定した一方で、ストライカーのマルコ・ブリットの退団を認めた。
 ブリットのあとに入ったのは、コンサドーレ札幌から移籍してきた、確かな実績、評判をもつウィルであったが、マリノスはそれ以外にも日本のクラブと3つの重要な移籍契約を交した。
  この巧妙な取引により、マリノスはワールドカップの長い中断を控えた第1ステージ第7節、ジュビロ磐田、ベガルタ仙台を抑え、リーグの首位に立ったのである。

 バック・ラインでは、マリノスは長身で、自信に満ちた若きセンターバック、中澤祐二を東京ヴェルディから獲得し、中澤は日本最高のディフェンダー松田直樹とのコンビにも素早く適応した。
 ミッドフィールドでは、中盤の中央でのポジションを約束してジュビロ磐田から奥大介を獲得。奥はジュビロの強力な5人の中盤での左サイドの役割に倦んでいたのだった。 前線でウィルのパートナーを務めるのは、これも元ジュビロの清水範久。清水はつねに1軍にいるのが精一杯という立場で、レギュラーとして先発メンバーに入ることはほとんどなかった。

 日本人選手たちはマリノスの経営陣の信頼に応えようとし、ブラジル人選手たちはカリスマ監督、セバスティアン・ラザロニの忠実な部下となっている。
 ただ不安な点がひとつあるとすれば、ワールドカップ後に予想される、ゲームメーカー中村俊輔のレアル・マドリードへの移籍であろう。

 噂によれば、ラザロニはビスマルクを日本に呼び戻したいらしい。ビスマルクはかつてのヴェルディとアントラーズのゲームメーカーで、昨シーズン終了後鹿島を解雇され、現在はフルミネンセ在籍である。
 ビスマルクが中村の代りにゲームメーカーを務めるとすれば、すでに3人のブラジル人選手を登録しているため、1人が身を引かなければならない。
 チームの首位の座を保つために、ラザロニには中断後もしなければならない仕事が山積しているというわけである。

 しかし、代理人任せで未知の選手を獲得する代りに、自分たちで実績のある選手を獲得するというクラブの賢明な選手獲得方針が成功したことは確かだ。
 おそらく他のチームも、高価な新ブラジル人選手で間に合わせの補強をするよりは、マリノスのやり方を見習うのだろう。

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