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2002年4月

優勝杯への大きなチャンス

2002/04/27(土)

東京発(4月27日):ワールドカップが近づいてきた。それは弱小チームにとってはナビスコカップ優勝という願ってもないチャンスが出てきたという事だ。
ナビスコカップ予選は今週土曜日から始まる。16のチームが4つのグループにわかれ、5月12日にかけて総当たりのリーグ戦を行い、それぞれのグループの上位2チームが9月に行われる準々決勝に進出する。

弱小チームにとってのチャンスとは、強豪チームはベストメンバーで戦えないと言う事だ。例えば、鹿島アントラーズやジュビロ磐田の主力選手達は、来週のキリンカップの日本代表としてスロバキア、ホンジュラスとの試合に備えチームを離れている。
弱小チームにとっては、強豪チームを破ってベスト8に進出する大きなチャンスなのだ。

アントラーズからはGK曽ヶ端準、MF中田浩二、小笠原満男、そして、FW鈴木隆行、柳沢敦の5人が、そしてジュビロからはDF田中誠、MF服部年宏、福西崇史が、また昨年のナビスコカップ覇者の横浜Fマリノスに至っては、DF中沢佑二、松田直樹、MFトリオの奥大介、中村俊輔、波戸康広が代表チームの参加の為に出場できない。
こうした主力選手達の欠場は、ガンバ大阪やベガルタ仙台といったチームを優勝候補に押し上げる事になるに違いない。

今シーズンJ1へ初の昇格を果たしたベガルタ仙台は快進撃を続け、7試合を終わった段階でリーグ3位という好成績を残している。
ベガルタ仙台は土曜日にグループAの1回戦を鴨池競技場でジュビロと対戦するが、出場できないのは日本代表候補で、ここまで5ゴールをあげている山下芳輝の一人だけである。

現在4位のガンバは代表チーム主将の宮本恒靖が出場できない。しかしチームの柱である宮本が不在でも、戦力的にはナビスコカップを制する力は充分持っている。

浦和レッズからは代表チームに呼ばれた選手はいない。現在得点王で絶好調のブラジル人プレーヤー、エマーソンに率いられ、グループDを勝ち抜くチャンスは大きいだろう。

弱小チームにとっては、ナビスコカップで強豪チームを破る絶好のチャンスである。
それこそ1992年にリーグが発足して以来の絶好のチャンスなのではないだろうか。

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マリノスの見事な補強手腕

2002/04/25(木)

 あるシーズン、チームが1部リーグ残留に苦労すれば、チームのオーナーはほとんどの場合間に合わせの補強をするものである。
 つまり、外国人選手を解任したり、未知の選手を寄せ集めて建て直しをはかったりだ。

 しかし、横浜F・マリノスは既知の日本人選手でも良い選手なら幸運を呼び戻してくれることを知っていて、ほんの数ヶ月で降格候補から優勝を争うチームへと変身を果たした。1995年のリーグ・チャンピオンであるマリノスは、昨年11月のまさにシーズン最終日まで2部降格の危機にあった。
 1部生き残りが決定すると、クラブは3人のブラジル人選手のうち2人-ディフェンダーのナザと左サイドのミッドフィルダーであるドゥトラ-の残留を決定した一方で、ストライカーのマルコ・ブリットの退団を認めた。
 ブリットのあとに入ったのは、コンサドーレ札幌から移籍してきた、確かな実績、評判をもつウィルであったが、マリノスはそれ以外にも日本のクラブと3つの重要な移籍契約を交した。
  この巧妙な取引により、マリノスはワールドカップの長い中断を控えた第1ステージ第7節、ジュビロ磐田、ベガルタ仙台を抑え、リーグの首位に立ったのである。

 バック・ラインでは、マリノスは長身で、自信に満ちた若きセンターバック、中澤祐二を東京ヴェルディから獲得し、中澤は日本最高のディフェンダー松田直樹とのコンビにも素早く適応した。
 ミッドフィールドでは、中盤の中央でのポジションを約束してジュビロ磐田から奥大介を獲得。奥はジュビロの強力な5人の中盤での左サイドの役割に倦んでいたのだった。 前線でウィルのパートナーを務めるのは、これも元ジュビロの清水範久。清水はつねに1軍にいるのが精一杯という立場で、レギュラーとして先発メンバーに入ることはほとんどなかった。

 日本人選手たちはマリノスの経営陣の信頼に応えようとし、ブラジル人選手たちはカリスマ監督、セバスティアン・ラザロニの忠実な部下となっている。
 ただ不安な点がひとつあるとすれば、ワールドカップ後に予想される、ゲームメーカー中村俊輔のレアル・マドリードへの移籍であろう。

 噂によれば、ラザロニはビスマルクを日本に呼び戻したいらしい。ビスマルクはかつてのヴェルディとアントラーズのゲームメーカーで、昨シーズン終了後鹿島を解雇され、現在はフルミネンセ在籍である。
 ビスマルクが中村の代りにゲームメーカーを務めるとすれば、すでに3人のブラジル人選手を登録しているため、1人が身を引かなければならない。
 チームの首位の座を保つために、ラザロニには中断後もしなければならない仕事が山積しているというわけである。

 しかし、代理人任せで未知の選手を獲得する代りに、自分たちで実績のある選手を獲得するというクラブの賢明な選手獲得方針が成功したことは確かだ。
 おそらく他のチームも、高価な新ブラジル人選手で間に合わせの補強をするよりは、マリノスのやり方を見習うのだろう。

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変革の必要性を映す光景

2002/04/22(月)

東京発(4月17日):Jリーグで行われる延長戦がどれだけ無駄な事なのか、先週土曜日の東京スタジアムでの試合はまさにその良い例だと言える。
前後半レギュレーションタイム90分が終了した時点で東京ヴェルディとヴィッセル神戸は1対1の同点だった。
世界中のほとんどの国では試合はそこで終了し、チームはそれぞれ勝ち点を獲得、ファン達はある者は喜び、そしてある者は肩を落として家路へ向かう。
それまでの話だ。

しかし日本のJリーグでは、プロサッカーの新しいファン獲得の為にできうる限り勝敗の決着をつけようと様々な方法を模索し試行錯誤している。
喜ばしい事に、1998年のシーズンを最後にPK合戦による方法は中止された。しかし、Vゴール方式による前後半各15分の延長戦がまだ行われている。

そもそも延長戦というものは、ゲームの中でも最も面白くない部分である。
選手たちは既に90分間フルに闘い疲れ切っている。そして延長戦ではそれが見事に現れている。
ミスパス、(最近のヴェルディでは見慣れてしまったが…)ミスタックル、そして怪我。弱いチームは対戦チームにポイントを与えない為(延長戦で勝った場合は2ポイントの勝ち点、90分で勝った場合は3ポイントが与えられる)に30分間を守る事だけに専念する。
ゴールデンゴール(JリーグではVゴールと言うが、国際マッチではこう呼ぶ)とは言うものの、実際はゴールデンと呼ぶにはほど遠く、大概は対戦相手の失策や疲労の結果と言うに等しい。そして2時間近くを健闘したにも関わらず勝ち点を全く得られないという結果になる。

こうしたJリーグの方式には多くの批判はある。そして今シーズンになってからはJ2では延長戦が廃止されたにもかかわらず、J1では依然として延長戦が行われている事に対して批判があがっている。
同じリーグであるにも関わらず、違う勝ち点システム?
まったく奇妙な話である。

サッカーの世界において一番の醍醐味は、格下と言われるチームがトップチームのホームスタジアムで戦法、戦術、そして気力を駆使しホームチームを押さえ、あわよくばゴールを決めるという事である。
トーナメント戦での延長戦、ゴールデンゴールはそれこそ歓喜に満ちたシーンを演出する事もあるのだろうが…。

1993年のリーグ発足以来、Jリーグは今までのように企業中心ではなく地域中心といったように短い間に色々と新しい事に挑戦してきた。
プロ化した事によって、リーグはまるでコンベヤーベルトのように日本代表チームに優秀な選手を送る事ができるようになった。しかしそのシステムは諸外国のリーグと足並みを合わせる必要がある。

ヴェルディ対ヴィッセルの試合を見た人なら誰もが延長戦はただの時間の無駄だと感じたに違いないのだ。
結局試合は1−1の引き分けに終わったのだから。

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結局、俊輔はどうなるのか?

2002/04/18(木)

 フィリップ・トルシエは、つねに選手とのゲームを好む。
  ゲームとは言っても、サッカーではなく、心理ゲームのことだ。
 そして、そのゲームに巻き込まれるのはいつも、もっとも才能豊かな選手である。
 最初は、小野伸二であった。
 次が、中田英寿。
 今回は、中村俊輔の番である。

 左利きのフリーキックの魔術師は、ワールドカップの日本代表選手枠23人に入るのだろうか?

 現時点では、フランス人監督のみぞ知る、だ。だたし今週、彼は中村が代表枠に入ることをはっきりと示唆した。能力を評価してのものではなかったが。
 ファンもビジネス界も中村の代表入りは大歓迎であろう。トルシエも認めるように、サッカーという競技がまだ定着の過程にある日本では、こういうことも極めて重要なのである。

 水曜日のコスタリカとの親善試合を前にしてのおなじみの冗舌な記者会見で、トルシエはワールドカップの日本代表枠を次のような3つのグループに分けることを明らかにした。
 1)先発候補としておよそ14人。このグループに入ると思われるのは、二人の中田(英寿と浩二)、小野、松田直樹、波戸康広、戸田和幸、稲本潤一、服部年宏、宮本恒靖、森島寛晃、柳沢敦、鈴木隆行、高原直泰。
 2)途中出場でインパクトを与えることのできる選手、あるいは複数のポジションをこなせる選手。ここに含まれるのと予想されるのは、三都主アレサンドロ、明神智和、それから中山雅史(と私は信じる)。「2番目のグループは、心理学で言えば別の人格」とトルシエ。「出場が1分、あるいは10分、20分だけでも力を発揮できなければならない選手達」である。
 3)大会中出場するかどうかはわからないが、「スポンサー、イメージ、写真映りのための選手」(1,2名)。ここでトルシエが話していたのは、まさに俊輔のことではないか!

 昨年ほとんど起用しなかったものの、みんなをハッピーな気分にするために中村は結局23人の代表枠に入る、とトルシエは示唆したのだ。
 トルシエの話は冗談なのか、真剣なのか?

 問題は、いかんせん彼がしばしば前言を翻してきたということである。
 実際は、トルシエは昨年末にワールドカップ代表選手枠に入る23人をすでに決めていて、昨今の親善試合は状況を複雑にしたにすぎなかった、ということなのかもしれない。
 小笠原満男や三都主のように、新たな選手が次々とやってきてはそれぞれ素晴らしいプレーを見せたが、トルシエには全員を選ぶことはできない。選ぶことをできるのは、23人だけだ。

 中村は上記の1番目のグループにも、2番目のグループにも当てはまらない。中村は途中出場では力を発揮できないというトルシエの過去の言もある。
 したがって、この横浜マリノスの選手が代表選手枠の23人に入るルートは、3番目のグループということになる。

 私の考えるところでは、トルシエは真剣で、中村は現在またも考え込んでいるのかもしれない。
 トルシエは、最適なバランスとみんなをハッピーにする方策を求めるという厄介な仕事を抱えており、多くの選手が同レベルで並んでいるため、彼の思考を読み取ることは困難な課題である。
 しかし、この瞬間も、中村はフランス人監督以上に悩んでいるに違いない。

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ゴンを忘れちゃいませんか?

2002/04/15(月)

 今年に入ってからフィリップ・トルシエに選出された代表チームのいずれからも外れたゴン、中山雅史だが、外れた事によってかえってその存在が注目を浴びている。
 一体、日本で最も頼りになるベテランストライカーに何が起こったと言うのだろう。
 トルシエ監督のワールドカップ構想から既に外されてしまったというのだろうか。
 それとも、中山については全てを知り尽くしたトルシエ監督が単に他の選手を見たかっただけなのだろうか。
 私は後者であると思いたい。

 来週のコスタリカとの親善試合の出場メンバーからも中山は外されてしまったが、私は彼がワールドカップの出場メンバーに選ばれる事は間違いないと思う。
 きっとトルシエ監督も中山がコンディションの調整と体調維持に専念できるように、既に彼にそれを告げているのではないかと思う。

 中山は34才である。ワールドカップでフォワードとして出場するには年をとりすぎているとも言える。(カメルーンのロジェ・ミラにはそんな事はないと言われそうだが…)
 トルシエは中山を日頃からチームのムードメーカーで若い選手にとって彼の存在は非常に大きいと見ている。
 彼がいつも見せる情熱、責任感、そして代表チームのユニフォームを着る事への誇りは非常に大切で、トルシエは若い選手の何人かにはそれらが欠けていると感じている。

 これまで225試合のリーグ戦に出場し、127得点をあげている中山の得点力という事について言うと、今年はいまいちベストには遠い状態だ。5試合で1得点しかあげていない。
 しかしこの事は中山にとって代表入りへの障害となる事はないだろう。トルシエ監督も彼の得点能力は知り尽くしている。数試合ゴールできていなくても、特に彼のような選手にとっては取るに足らない事だ。

 ワールドカップが近づき、選手達にプレッシャーがひしひしと押し寄せた時こそトルシエ監督には中山が必要になるのだ。
 彼の興奮と意欲そして自信が周りの選手達によい影響を与える。
 なんと言っても、中山には98年のフランス大会で日本で唯一のゴールをジャマイカ戦で決めた経験がある。

 ジュビロのサポーターとゴン中山のファンの皆さん!心配する事はない。中山のワールドカップ代表入りは間違いない。

 もしトルシエ監督が中山を代表から外すような事があるとしたら、それこそ大騒ぎになるだろう。日本代表が決勝トーナメント進出という目的を果たすには彼の力が必要なのだ。
 仮にベンチに座っているだけだとしても。

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名波をめぐる騒動

2002/04/11(木)

 オーケイ。だから私だって、名波浩は良い選手だってわかっているんだ。でも、ちょっと待って欲しい。

 先週土曜日の名波のジュビロへの復帰はまるでキリストの降臨みたいな歓迎ぶりで、例によって日本のメディアの扱いは下にも置かぬという具合であった。
 膝の故障による6か月の戦線離脱のあと、29歳の左利きのミッドフィールダーはジュビロが1-0で勝利した神戸の試合の後半に出場した。試合は、延長の1分過ぎ、福西崇史のゴールで勝負が決した。
 結果、名波は47分足らずプレーしたことになるのだが、彼を崇拝する日本のメディアは、代表候補ではもの足りず、代表チームへ名波が即刻復帰することを求めた。

 だが、 名波は日本にとってそんなに重要な選手なのだろうか?
 彼はトップクラスの偉大な選手なのだろうか?
 フィリップ・トルシエが作り上げた現在の若きチームに、名波が付け足すものがあるのだろうか?

 たぶん私はメディアの少数派に属しているのだろうが、上記の3つの設問には「ノー」と答えたい。

 名波のことを考えると、私の思考はポジティブではなく、ネガティブなものとなる。
 不注意なヒールキックでボールを奪われてしまったシーンが思い出されてしまうのだ。まあ、そのときも技巧に観客は歓声をあげたりしていたのだが。
 3年前にイタリアのベネチアに入団したときのことも思い出されてしまうのだ。いかんせん弱体チームで彼は結果を残すことができなかった。ほとんどのシーンで、彼は左サイドに張り付いたまま。そこにいることが幸福であるように見え、総じて言えば何らかの印象を与えることはなかった。

 さらに私には、中国戦での日本代表メンバーであった姿が思い出されてしまうのだ。その試合では、トルシエは彼を左サイドに起用したのだが、彼がしたことといえば、イタリア仕込みの審判団との口論のみ。
 2000年10月、日本が優勝したレバノンでのアジア・カップで彼がMVPに選ばれたのは認めよう。しかし、相手の実力を見ることも大切ではないだろうか? ウズベキスタンの実力は? イラクは? カタールは?

 技術的に言えば、名波はもちろん良い選手である。左足のプレーが過度に多いが、なかなかのパサーであり、試合を見る目もあるし、危険なフリーキックも持っている。
 しかし、最高のレベルで成功するにはより以上のものが必要となる。
 必要なのは、ハートであり、気迫であり、精神力であり、決断力であり、エネルギーであり、打てば響くということなのである。このような面で、私は名波が代表に値するのかと疑うのである。

 ミッドフィールド左サイドでの名波の起用を考えているとトルシエは言うが、この発言は私には意外である。名波にはスピードがないし、ディフェンスの裏に回ることもほとんどないからである。
 中央の攻撃的ミッドフィールダーのポジション争いは中田英寿、森島寛晃、小笠原満男らがすでにリードしており、名波に空いているポジションは守備的ミッドフィールダーしかない。
 ボールを奪うだけでは名波は満足しないだろうし、名波がタックルできない場合に備えて誰かを配置するのは好ましくない。

 もちろん、私は名波がチームの救世主になるだろうとはまったく思ってはいないし、先週土曜日に名波が復帰したさいのメディアのヒステリックな歓迎ぶりにも驚いてはいない。
 私は思うのだが、彼を選ぶことは時代を逆行することになるのではないだろうか。なんといっても、日本代表チームは最近の数ヶ月、名波なしでも極めて良好な結果を残してきたのである。

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集客不足に喘ぐJリーグ

2002/04/08(月)

「日本のサッカーファンよ!一体どうしたと言うのだ!」
 ワールドカップ開催の年であるにも関わらず、観客動員数の伸び悩みにJリーグ関係者は頭を痛めている。まさに彼らはそう叫びたい筈だ。

 第4節を終えて平均観客動員数は15440人である。これは昨シーズンの平均より1000人以上も少ないのだ。
 ワールドカップを目前に控えて国内のサッカー熱も高まっているというにも関わらず、それがなぜ国内の試合の観客動員数に反映されないのかリーグ関係者は理解できない。

 「もちろん我々も現状はよくわかっていますし、大きな問題として捉えています」リーグ事務局企画部チーフスタッフの佐野毅彦氏は言う。
 「最も心配なのは、我々にはその理由がわからないという事です」「恐ろしささえ感じます」

 今シーズンJ1に昇格を果たしたベガルタ仙台は、これまでのホームゲーム3試合についてまずまずの集客数を得て健闘しているが、他のチームは苦戦している。
 これらの中にはゲーリー・リネカーやドラガン・ストイコビッチ等を擁し人気チームの一つでもあった名古屋グランパスエイトも含まれる。ここ2週間、東京ヴェルディーとの試合では7231人、そしてその後のコンサドーレ札幌戦では11279人の観客動員数しかあげる事ができなかった。
 スーパースターだったストイコビッチの引退に加え、楢崎正剛を除いて日本代表選手がいないという事がファンをスタジアムから遠ざけていると見る人もいる。

 ヴェルディも深刻な状況だ。土砂降りの雷雨の中の試合とは言え、ホームの国立競技場で先週土曜日に行われた柏レイソル戦の観客数はわずか8349人だった。
 仮にJ2に降格するような事になれば、今シーズン後はチームの運営が成り立たなくなる可能性もある。

 佐野氏によれば、Jリーグ自体もワールドカップ後の観客動員数の減少はある程度予想していたが、ワールドカップ前に減少している事実については相当危機感を感じ、各クラブに注意を呼びかけている。
 「観客動員数を増やす事は難しいだろうとは思っていたが、ワールドカップ人気も手伝って希望的観測をしていた事は事実です」
 「観客動員数をいかに増やすか、リーグやクラブは決して楽観視してはならないという事だと思います。どんなスポーツでも同じですが、お客様に来てもらえないと言う事はリーグとして成り立たないからです」
 「かといって、観客動員数を増やす特効薬なんてありません」

 先シーズンの平均観客数は16922人で、これはバブル崩壊前1993年にリーグがスタートした後、1995年以来最多の数字だった。
 天候が良くなり、ゴールデンウィークになれば多少は観客数も増えるだろう。しかしワールドカップ後にまた人気選手が海外移籍等で日本を離れる可能性を考えるとリーグ関係者にとって観客動員数の伸び悩みは頭痛の種となりそうだ。

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ベングロシュの見た日本代表

2002/04/04(木)

 ワールドカップのキックオフまで残り2か月をきり、日本代表は肉体的にも、精神的にも素晴らしい状態にある。

 ここに記すのは、日本在住のジョゼフ・ベングロシュの見解である。ベングロシュは、FIFAやUEFAのコーチたちの間でもっとも尊敬されるサッカー関係者の1人である。
 ベングロシュは国際的な経験も豊富で、12年前、イタリアでのワールドカップではかつてのチェコスロバキア代表を指揮し、チームを準々決勝にまで導いた。
 現在Jリーグのジェフユナイテッド市原の指揮をとる、歴戦のスロバキア人監督は、先週の水曜日ロッズで日本代表がポーランドを2-0で破った試合を見て、強い印象を抱いた。
 ただし、手放しで褒め称えているというわけでもない。かの試合は、日本と韓国で開催される本番へのウォームアップ・マッチに過ぎないからだ。

 「日本チームのパフォーマンスは素晴らしかったし、とても良い結果が出たと思います」その長いキャリアにおいて、アストン・ビラやフェネルバチェ、セルティックを指揮したベングロシュはそう語る。
 「チームとしての自信、気迫、それにチームワークも見せてくれました。しかも、—これがいちばん大切なのですが—選手たちが自分自身を信じていることがわかりました」

 今回の勝利により、日本のフル代表は、1971年にアイスランドを2-0で破って以来、ヨーロッパの代表チームにアウエーで初めて勝ったことになる。とはいえ、最近のホームでの戦績を見ると、日本代表はユーゴスラビア(1-0)、ウクライナ(1-0)をそれぞれ破り、昨年11月にはイタリアと1-1で引き分けている。

 「はい。ポーランドでの結果には驚きませんでした」とベングロシュは言い添える。「なぜなら、あれは強化試合にすぎないからです。
 「大きな大会の前にはかならず、強化試合を何試合かこなす必要がある。ただそれだけのことなのです」
 「ただし、日本チームの雰囲気は悪くないし、フィリップ・トルシエはよくやっています。しかし、大切なのはワールドカップでの試合なのです」

 その日の日本チームのスターは、パス・センスと試合勘で抜きんでていた、パルマのゲームメーカー、中田英寿であった。

 「彼はヨーロッパでプレーしていますが、これは重要なことなのです。なぜなら、経験と自身が具わるからです。同じことは、小野伸二にも言えるでしょう」とベングロシュは語った。

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実力を見せつけた中田

2002/04/01(月)

 3月28日:中田英寿をめぐって交わされてきた批判や論争は一気に解消した。水曜日にポーランドのロッズで行われた強豪ポーランド代表との試合で、中田は再び彼が抜きんでた選手である事を証明した。
90分間フルに走るスタミナ、ボールコントロール、視野、それに付け加えパスの正確さは日本代表のみならず、ポーランド代表を加えた中でも最も秀でていた。

 誰もその日の中田を止める事はできなかった。ゴール前への素晴らしい詰めで1点目のゴールを決め、市川大介のクロスを高原が決めた2点目では逆サイド市川へのお膳立てとなるパスを出した。

 ポーランド代表のイエルジ・エンゲル監督は中田を絶賛し、彼のプレーを見る事ができて光栄だとまで言った。
また、普段めったに個人を誉める事のないフィリップ・トルシエ監督でさえ、中田のプレーには非常に満足であり、中田がこういうプレーをする限り日本代表チームの重要な一員であると語った。
もともとトルシエ監督の目には、中田の才能は明白に映っていた。ただ、トルシエの思い描く“チーム”の枠の中でプレーできるか、また母国の為にプレーするという意欲を中田が持ってくれるかという事が問題だったのだ。
試合後の記者会見でトルシエ監督はポーランドでの4日間というもの、中田の姿勢はこれまでとまったく違ったと言い、今シーズン、パルマで味わってきた苦悩が彼を変えたと考えている。
「以前なら中田はマネージャー5人、専属の医者を2人連れてヘリコプターで現れていた。しかし今回は一人で自転車でやってきたんだ」トルシエ監督はその姿勢の違いをそう表現した。

 今後、中田とトルシエ監督の確執が話題になる事はないはずだ。トルシエ監督と日本代表チームには今や理想的なチームリーダとして成長した中田は欠かす事ができない。
以前には中田の事を14・5人居る先発メンバー候補の一人と言っていたトルシエ監督だが、やはり心のどこかでは中田は特別だとわかっていたようだ。
水曜日はその事がはっきりと証明された。そしてワールドカップを2ヶ月後に控えて、日本代表チームは最高の状態にある。

 ポーランドのエンゲル監督は「日本は単に11人の良い選手が居るだけではない。その11人と同じようなレベルの選手が25〜30人いるんだ」と指摘した。
「ワールドカップでは、中田のような選手が一人居ることで、チームはガラリと変わるんだ。今回は非常に勉強になったよ。今日の中田は最高だった」

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