レアル・マドリード、なにするものぞ−FC東京の心意気
フォワードを一人にして戦うことを考えたとき(この場合は、35歳のブラジル人フォワード)、FC東京の監督、原博実はある野心的な目標をたてた。
新しいシーズンの開幕戦、東京スタジアムで自身が指揮するチームが王座に君臨する鹿島アントラーズをどう猛に攻め立て、4−2で粉砕したゲームを見守ったあと、原はFC東京の将来のあるべき姿について語った。
「ウチはビッグクラブじゃありません」と原は認める。「でも、ビッグクラブを悩ませるようなチームにはなりたいと思っています」
彼はスペインを引き合いに出し、レアル・マドリードやバルセロナといったビッグクラブに対するアラベスやベティスにFC東京をたとえた。
「アラベスやベティスがレアル・マドリードと戦うとき、選手もファンも一丸になります。FC東京もそんなチームになってくれたらと思っています」
「エキサイティングで、攻撃的なサッカーを続けていたら、ファンも増えるし、収益も上がる。そうすれば、トップクラスの選手とも契約ができる。現状は、うまくやりくりしていくしか、仕方ないですけれどね」
かつて日本代表のストライカーだった原は、今シーズンからFC東京の監督に就任し、前任者の大熊清が東京ガス時代から7年にわたって基礎を築いてきたチームを引き継ぐことになった。
24歳のバイーア出身のブラジル人選手、ジャーンがサンドロに代わってディフェンスの中央部に入った以外は、選手も変っていなかった。
原は4−5−1のフォーメーションを採用し、ベテランのブラジル人選手、アマラオをただ一人トップに置き、右サイドからキャプテンの佐藤由紀彦、左サイドから小林成光、中央をブラジル人の同僚、ケリーがサポートするようにした。
アントラーズ戦では、小林が2ゴールし、残りの2点はセンターバックの伊藤哲也とケリーが得点した。
とはいえ、実際に目を奪ったのは23歳の宮沢正史のプレーぶりであった。中央大学出身の宮沢は、これまでFC東京でのリーグ戦出場経験は1試合だけ。しかし、鮮やかな白のシューズとエレガントな左足の技巧により、宮沢はミッドフィールダーとして堂々たるプレーを見せた。
原は、この試合が宮沢にとって2試合目のリーグ戦出場であることを知りもせず、宮沢を選んだのは、練習試合で調子が良かったからだと述べた。
原がこのようなやり方でつねに選手達を刺激し、次々とゴールが生まれるなら、FC東京のファンもきっと今シーズンの活躍に応えてくれることだろう。
レアル・マドリード、なにするものぞ!
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