怒りのヴァンズワム
川口能活のポーツマスからの移籍をジュビロ磐田が申し出たことにより、オランダ人ゴールキーパー、アルノ・ヴァンズワムは磐田退団も辞さずという覚悟でいる。
イングランド南海岸のクラブで年頭にメンバーから外され、現在も先の見えない川口と自分との交換トレードをジュビロ磐田が画策しているのを知り、ヴァンズワムは激怒した。
さらに、大柄のオランダ人は、6月の末に契約が切れたとき、自身の将来について再考することを明らかにした。
「マネージャーが電話してきて、ジュビロが川口と僕をトレードさせるというニュースが新聞に出ているって言うんだ。僕はポーツマスに移籍させられるってさ」とヴァンズワム。
「そんなこと、なにも聞いていなかったから、クラブに行き、どうなってるんだってたずねた。
川口には興味があるし、僕がポーツマスに行きたがると思ったってクラブ側は言ったけど、こうなるまでに僕の意向を聞こうともしなかったんだ。
クラブに対して僕はきわめてプロフェッショナルな態度で応対してきたけど、選手をこんなふうに扱うのは、間違っている」
契約が切れたあともジュビロに残りたいかという質問に、ヴァンズワムは答えた。
「日本には残りたい。家族は日本が気に入っているし、子供たちも学校でうまくやっている。でも今はどうなるかわからない。ジュビロからの回答は、今月末までに伝えられるそうだ」
ヴァンズワムは、32歳。オランダリーグのフォルトゥナ・シッタルトで14シーズン、プレーしたあと、2000年にジュビロに入団した。
ジュビロ磐田がJリーグのファースト・ステージで優勝し、チャンピオンシップで鹿島アントラーズに敗れた昨シーズン、ヴァンズワムは、Jリーグのベスト11に選ばれた5人のジュビロ選手のうちの1人であった。
昨シーズンの30試合でジュビロが許した得点は、リーグ最小の26点。ヴァンズワムはこの30試合のうち26試合でプレーし、欠場は肩の故障による4試合のみ。
ヴァンズワムがジュビロと新たな契約を結ぶことができず、ジュビロがポンペイ(ポーツマスFCの愛称)の悪夢から代表ゴールキーパーの川口を救いだすことができるとすれば、ヴァンズワムの次の可能性は浦和レッズへの移籍であろう。
ハンス・オフトとビム・ヤンセンのオランダ人コンビが現在指揮する浦和レッズは、昨シーズン鹿島でプレーした高桑大二郎の獲得に失敗し、開幕2連敗。高桑は、その後東京ヴェルディ1969に移籍した。
ただしヴァンズワムが入団したとしても、浦和レッズは3人のブラジル人、フォワードのエメルソンとトゥット、攻撃的ミッドフィルダーのアリソンのうち1人を手放さなければならないだろう。
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