フィリップ・トルシエは、日本代表監督在任中に多くのことを成し遂げた。
しかし、まだ成し遂げていないことがあるとすれば、一つはキャプテンを固定させることだろう。
宮本恒靖は、フランス人監督が抱えている問題の答えを知っているつもりだ。答えは、「俺」、だからだ。
このガンバ大阪のディフェンダーは、フィールド外でもフィールドにいるときと同じように頭の回転が早く、理知的であり、キャプテンの腕章をつけてプレーすることの責任を楽しんでいるのである。
ウッジのビジェフ・スタジアムで水曜日に行われるポーランドとの親善試合でも日本代表のキャプテンを務めるのかという質問に、宮本は、「できれば」と答えた。
「僕のポジションはチームにとってとても重要なので、選手として大きな責任を負わなければなりません」
「キャプテンを任されたら、他の選手にも指示を出さなければなりません。でも、それも楽しみたいと思っています」
リーダーになりたいと公言する日本人選手はめったにいないし、このような姿勢をトルシエが見過ごすはずもない。トルシエが宮本をキャプテンに任命したのは、昨年11月のイタリア戦が最初だった。
宮本は神懸かり的なプレーで応えた。ハイライトは、至近距離で決定的なチャンスを掴んだローマの王子様、トッティへの信じられないようなタックルで失点を防いだことだった。
先週木曜日のウクライナ戦での1−0の勝利によって宮本の地位が確固たるものとなったとは必ずしも言えないが、故障により森岡隆三の離脱が続けば宮本がポジションを保持し続けることになるだろう。
25歳のセンターバックは、ワールドカップの日本代表メンバー23人に入る絶好の機会を得たことを認識している。
「もちろん、森岡さんのケガは僕にとってチャンスなのかもしれないけれど、僕はそれ以前からもずっとポジション争いをしてきたんです」宮本は素早く指摘した。
事実、森岡が故障する前でも、昨年10月にサウサンプトンで2−2で引き分けたナイジェリア戦や、1−1で引き分けたイタリア戦において、宮本はなにかと議論の的となるトルシエのフラット3のバックラインを率いていた。
「森岡さんの気持ちはわかります。僕も前にケガをしたことがありましたから。森岡さんがケガから復帰するまでに僕がしなければならないことは、トルシエに僕の能力をアピールすることです」
日本代表のフラット3は、極めて積極的にオフサイド・トラップを仕掛け、中盤で相手チームにスペースを与えないように素早く押し上げるものであり、チーム全体の成功に関わる重要な要素である。
もしフラット3のシステムが崩壊すれば、チームは苦境に立たされ、もしスムースに機能すれば、しばしば相手チームを混乱させることができる。
センターバックにはプレッシャーがかかるものだが、その役目をこなすだけでは宮本は満足しない。
ムッシュ・トルシエ、キャプテンの腕章をどうか宮本に。
