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ブレーク間近のもう一人の「ONO」

2002/02/24(日)

 小野伸二は彗星の如く現れた。そして今、彼はロッテルダムの強豪、オランダ1部リーグ、フェイエノールトでまた頭角を現し、確実にヨーロッパの名プレーヤーへの道を歩いている。

 しかしJリーグには最近成長著しい攻撃的MF、もう一人の「ONO」がいる。来週末に開幕を迎えるJリーグの優勝候補のひとつ、柏レイソルの23歳、プレーメーカー、大野敏隆がその人である。

 レイソルのイギリス人監督、ステファン・ペリマンは今シーズンの大野はチームの鍵だと感じている。そしてそれを証明するかのように、彼をキャプテンに指名した。
 「彼は優れた技術を持った個人プレーに秀でた選手だ。しかし今ではそれだけでなく、周りのプレーヤーの事も活かす事ができるようになった」ペリマンは語った。
 「そもそも、私は彼の個人プレーについてどうこう言うつもりはない。彼はもともと優れたパサーでもあるからね」

 浦和レッズの本拠地、埼玉出身の大野は1997年7月に隣県千葉の柏レイソルからデビューした。出場数はちょうど100試合、そして16ゴール挙げている。
 ペリマンは昨シーズン途中から、チームを立て直しここまで育てた西野朗監督の後を継いでヘッドコーチから監督へと昇格した。
 西野監督指揮下のチームでは、大野はチームの司令塔としてプレーしていたが、ペリマンは一人のプレーヤーに大きなプレッシャーを与える事は相手のチームにとってもディフェンスしやすく、ひいてはチーム機能を止めてしまう事になると考えたのだ。

 そこで、ペリマンは大野にチームの為にこそ彼の天賦の才を行かしてくれるよう言ったのだが、既にその効果が現れていると感じている。
 「昨シーズンのセカンドステージでは、それこそ彼はチームプレーに徹してくれた」ペリマンはそう付け加えた。
 「彼は決して不満を言う事もなかったし、それどころか彼はきちんと自分の役目を果たしてくれた。それを見て、彼ならきっとキャプテンとしてチームを引っ張っていってくれると感じたんだ」

 レイソルサポーターから「ヒットマン」と呼ばれる大野敏隆は、浦和のキャプテンを務めた小野伸二よりも注目を受けるのは遅かったかもしれない。しかし彼もまた輝かしい未来に向けて歩みだしている。

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