本田から生まれた数多くの選択肢

2010/03/09(火)

2010年3月8日:本田圭佑がフォワードだって?
日本がバーレーンと戦った先日の夜、この起用法には正直言って驚いたが、少なくとも岡田武史監督がチームを活性化する方法を真剣に模索しているのだということはわかった。
試合の2日前、私は、日本サッカーの観察者である同僚の外国人と本田について話をしていた。日本代表の中盤中央の理想的な組み合わせは稲本と本田だろう、とその同僚は話した。日本代表が中盤やペナルティエリアの外側で何の成果もない小さなパスを繰り返すのを見るのはもう飽きた、とも彼は、言っていた。

さらに、稲本と本田の両選手は試合をしっかりとコントロールして、何かを起こしそうな雰囲気があったし、気迫を込めたプレーで試合の主導権を奪う準備ができている状態になっており、とくに本田からは、距離に関係なくいつでもゴールを狙ってやろうという思いが見てとれたそうだ。
「でも、長谷部と遠藤のコンビはどうだい?」と私は反論した。「岡田監督はこの2人をエンジンルームに起用するのが大好きなのだが」
このコンビなら、俊輔と憲剛、松井と大久保に合わせれば、中盤を幅広く使えるだろうね、と同僚は述べた。つまり、彼は中盤にパワーと冒険心が欲しいと思っていて、稲本と本田なら守備面でも、攻撃面でもそれを提供してくれると考えているのだ。

岡田監督も同じようなことを考えていたに違い。バーレーン戦で本田をフォワードに起用したのはまさに上記のような理由があったからだし、彼を積極的に攻撃に参加させることで、攻撃を活性化し、試合を有利に進めたいと考えたのだろう。
最初に書いたように、この起用法にはびっくりした。本田はサイドでプレーする選手で、利き足を活かせる左サイドでは堅実な左バックの前でプレーするオーソドックスなウィングとして機能し、右サイドではサイドから中央に切れ込んで、驚異的な左足で鮮やかゴールを奪うのが持ち味だとずっと思っていたからだ。

どの位置でプレーするにしても、本田にはこのような冒険心を持ち続け、試合の主導権を奪うのだという自信をなくさないようにして欲しい。
長谷部に遠藤、それから俊輔にも豊富な経験が備わっているが、試合の流れをしっかりつかみ、試合を支配する能力がまだ欠けていると私には思えるし、チームがステップアップするため、さらにチームが緊急事態に陥ったときにチームメイトを鼓舞するためにはこのような能力が不可欠なのである。

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松井と森本にはW杯代表がかかった試合

2010/03/02(火)

2010年3月1日:両チームとも来年1月にドーハで行なわれるアジアカップ本大会への出場資格を得ているものの、水曜日の日本対バーレーン戦は、ヨーロッパから帰ってくる、少なくとも2人の選手にとっては依然として重要な意味を持つ試合になるのかもしれない。
私の言う「2人」とは松井大輔森本貴幸のことで、両選手とも南アフリカ行きの代表最終選考に残れるかどうかはまったく不確かな状況だ。

カターニャで見せている潜在能力の高さから、森本がチームの救世主になるかもしれない、と多くのファンが信じている――あるいは「願っている」が適切な表現かもしれない――としても、代表でのキャリアという冷酷で、厳粛な事実がその思いに水を差す。森本がこれまで日本代表でプレーしたのは、途中交代で出場したスコットランド戦と先発出場したトーゴ戦の2試合だけなのである。
トーゴ戦では鮮やかなゴールを決めたが、相手の質が期待していたのとは程遠い状態だったし、5-0といスコアは日本代表のこれまでの試合で最大の点差の一つだった。

森本に期待が集まるのは、もちろん、日本代表に頼れるストライカーがいないせいなのだが、彼がワールドカップ(W杯)代表の座を確固たるものにするためには、今後も日本代表で存在感をアピールする必要がある。バーレーン戦では、確かなパフォーマンスと力強さ、前線を率いる存在感が岡田監督の求めるものとなるのだろうが、森本がゴールを一つか2つ決めることができれば、まさに岡田監督の要求への満額回答となるだろう。

松井については、代表チームでの評価がいまだ定まっておらず、真価を発揮できないときも岡田監督は我慢強く見続けてきた。この点は、大久保への対応と本当に類似している。
松井はいつも彼らしいプレー――柔らかなボールタッチと動きの良さがあり、危険で精力的――をしているのだが、結果が伴わないことが多い。派手な技巧を減らし、もっと確実なプレーをすべきであると私は今でも感じており、バーレーンとの今回の真剣勝負は彼がそのようなプレーをする格好の機会となるだろう。

ヨーロッパから招集される選手のなかでは、長谷部本田が南アフリカ行きの切符をほぼ手中にしており、松井や森本のようなプレッシャーを感じることはないだろう。
両チームとも予選突破という課題は達成しているものの、今回の試合はまだ重要な意味を持っているのである。

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俊輔の復帰が日本を盛り上げるかも

2010/02/23(火)

2010年2月22日:現在、日本のサッカーには盛り上がりが必要であり、中村俊輔がそれを提供してくれそうな雰囲気だ。ファン、メディア、それからひょっとすると選手たち自身も東アジアサッカー選手権での代表チームの低迷ぶりに意気消沈し、何か明るい材料、自尊心と自信を高めてくれるようなものを必要としている。
だから、スペインで期待に応えられなかったからという理由であっても、俊輔の帰国を歓迎するムードには変わりはなく、彼は帰ってきたヒーローなのである。

中村俊輔がセルティックを去る決意をした昨夏に彼の獲得に失敗したマリノスは、今度は同じ失敗を繰り返したくないだろうし、年俸や契約期間、契約金の交渉になれば中村サイドに席を蹴られないよう万全の体制を敷くだろう。契約はまだ成立していないが、両者が速やかな契約合意を望んでいるようなので、中村は余裕を持ってJリーグに帰り、試合に向けて体調を整えることができる。
それから、注意をワールドカップに向ければいいし、岡田武史監督とっては、俊輔をエスパニョールのベンチに座らせているより日本に戻す方が安心だろう。

スペインではうまくいかなかったが、かの地に移り、子供時代からの夢を叶えようとした中村を、誰も批判することはできない。私自身も、お金が一番の理由だったとは考えてもいない。31歳になった彼が大好きだったリーグでプレーするチャンスを受け入れようとしただけで、そのチャンスを見過ごしたなら彼は選手生活の残りの期間、ずっと後悔していたことだろう。

スコットランド――ヨーロッパの低レベルのリーグで、そこの2大クラブの一つでプレーしていた――から、スピードがはるかに速くて、競争も厳しく、チームもエリート・クラブではないスペインへの移籍は、選手生活の後期に差しかかってきた彼にとっては負担が大きすぎることが明らかとなった。
しかし、俊輔の評価は損なわれてはいないし、彼は今でもその経験を大いに活用することが可能であり、刺激を本当に必要とする現在の日本のサッカー界に彼のスター性が新風を吹き込むかもしれない。

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代表はどうなってしまうのか?

2010/02/16(火)

2010年2月15日:惨憺たるありさま。日曜日に韓国に1-3で敗れたあと、東アジア選手権における日本の戦いぶりはこう表現するしかない。
中国と0-0の引き分けというのは良くない出足であり、3-0の勝利を収めた香港戦も、圧倒的に優位な立場でありながらフィニッシュを決められず苦労し、不満足な内容だった。
ホームで3試合して1勝、優勝しなければならない大会での3位という結果は、ホスト国という立場を考えると紛れもない失態で、南アフリカに向かうまで4ヶ月も残されていない現時点で、日本代表が今後チームを建て直し、自信と気迫をとり戻すことができるのかどうかという不安も残る。

それから、俊輔がいなかったし、長谷部もいなかったし、本田も、松井も、森本も……という言い訳はどうか勘弁して欲しい。日本には、遠藤と憲剛、大久保と玉田といったような、チームを本当にステップアップさせ、ゲームを管理すべき経験豊かな選手が充分に揃っていたのだ。ただ、彼らは今回、その存在感を発揮することができなかった。

韓国の2点目は、日本代表が落ち目にあることを如実にあらわしていた。李昇烈イ・スンヨルのシュートは中澤の背中に当たり、為す術のない楢崎の頭上を越え背後のゴールネットを揺らした。ツキに見放されているときはこのようなゴールが決まってしまうものである。

その後すぐ、ペナルティエリア内でまたも発生した小競り合いにより闘莉王に退場が宣告されたときの韓国の態度は本当に気分の悪いものであった。キャプテンの金正友(キム・ジョンウ)は自チームの選手が倒れていることをレフェリーが見逃していないかどうかをわざわざ確認していたし、レッドカードが出されたときに他の韓国選手がこぶしを握り締め喜んでいる光景はとりわけ不愉快だった。ゴールに喜ぶのはわかるが、相手選手が退場を宣告されたときに喜ぶのでは、手の込んだ策略で相手を罠にかけたことを示唆しているようなものである。「Fair Play Please」なんて、冗談にもならないぜ!

まあ、後半早々には正義が果たされたのかもしれない。前半に大久保へのファウルによってイエローカードをもらっていたキャプテンのキムが、岡崎に対するレイト・タックルにより闘莉王と同じようにピッチを去らなければならなくなったからだ。

日本がこの試合を乗り切るには自らの長所をせいいっぱい発揮する必要があったが、1-3であっさり敗れ、最下位の香港の1つ上なだけの順位で大会を終えた。
今後数週間で、日本代表は今よりはマシになるのだろうか? 面白くない日々が続くなか、岡田監督にとっての救世主あるいは運命の好転が訪れる可能性があるとは、私にはどうしても思えないのだが。

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不満の声が代表を鍛える

2010/02/09(火)

2010年2月8日:岡田武史監督はワールドカップの準備としてタフな試合を何試合かしたいと望んでいたが、東アジア選手権では早くもそのような試合があり、日本は中国と0-0で引き分けた。
名前だけは豪華なヨーロッパのチームが、半分の戦力、半分のスピードで相手をする無意味な親善試合とは違い、この試合はまっとうな相手と戦う公式戦。選手たちにはそれ相応のプレッシャーがかけられ、それに相応しいコンディション調整が求められていた。
日本は勝つことができず、楢崎正剛がPKを止めていなかったら負けているところでもあり、南アフリカのワールドカップでも楢崎がチームにとって貴重な存在であることがはからずも証明された。

気迫に満ちた中国チームとたびたび激しく競り合ったシーンで、ひたむきさや集中力が欠けていたというわけではないようだが、日本は点を取って勝ち切ることができず、味の素スタジアムの観客から野次とブーイングを浴びせられた。
ファンには、よくぞやってくれた、と言いたい。ワールドカップを間近に控えた今、選手たちを引き締めるにはそれしかないのである。Jリーグでは寛容で、物分かりの良いファンに選手たちが甘やかされており、代表の試合にやってくる観客のなかには、ブルーのウェアを身に着け、自分の贔屓選手を徹底的に応援するのが大好きな「ファッショニスタ」がかなりの割合でいることは周知の事実である。

だから、味の素のスタジアムでのファンの反応は岡田監督にとっても良いことで、今後は批判的な目が向けられているなかで自分の選手たちを観察できるようになるだろう。こうした厳しい状況に自ら立ち向かう選手も出れば、プレッシャーや期待に押しつぶされる選手も現れ、監督にとってはワールドカップ代表の23人を選ぶ参考となるだろう。

次の試合である木曜日の香港戦は、残念ながらあまり試練の場にはなりそうにない。日曜日の夜の韓国対香港戦で、両チームに力の差がありすぎるのがはっきりと見てとれたからだ。それでも日本にとっては、気持ちを落ち着かせるために早い段階でゴールを奪うことがやはり必要だし、韓国がそうしたようにチームの勢いというものをアピールしなければならず、そのような課題が新たなプレシャーとなるだろう。

チャンスが巡ってきたときには、日本は、あわてふためいて逆上したり、再び訪れたチャンスにさらに硬くなったりするようなことなく、リラックスし、状況を冷静に見定めてそのチャンスをものにする必要がある。
日本は、日曜日の韓国との厳しい試合の前に、ファンを味方につけ、ファンの信頼と勝点3を得ておかなければならない。 つまり、この大会は岡田監督にとって非常に大きな意味のある試合になりつつあるのだ――岡田監督が想定していた以上に、あるいはひょっとすると監督が望んでいた以上に。

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立候補したい気持ちもわかるけど…

2010/02/02(火)

2010年2月1日:2018年または2022年のワールドカップ開催地に立候補している国のなかには、すぐにでもこのイベントを開催できるところがいくつかある。そのうちの一つは、もちろん日本で、大会の円滑な運営と成功を保証するのに必要なスタジアム、インフラストラクチャ、ファン層をすべて持ち合わせている。
ただし、そうだからといって日本が再び開催地に立候補するのが名案だとは私は思わない。とくに2002年に韓国(同じように2022年開催に限定して立候補を表明)とワールドカップを共催したばかりのこの時期には。

まあ、日本の開催地立候補もわからないでもないし、過去の代表監督であるフィリップ・トルシエやジーコイビチャ・オシムをはじめとする多くの人々の支援もあるにはあるが、私には、勝つチャンスはひいき目に見てもごくわずかであり、勝つ確率は2016年のオリンピック開催都市に立候補した東京よりもはるかに低いと思えるのだ。
第一に、2018年ワールドカップはヨーロッパ開催が確実な情勢だ。フットボールが隆盛しているこの大陸で2006年のドイツ以来ワールドカップが開催されていないということになるからだ。FIFAのゼップ・プラッター会長もそのような発言をしており、他の大陸には開催の見込みはまったくないようである。1966年の開催国であるイングランドが2018年大会開催の本命と目されているが、ロシアもダークホースとして台頭してきており、12月のFIFAの投票でサプライズを起こす可能性も否定できない。

したがって、日本の最大のチャンスは2022年になるのだろうが、やっぱり私には日本以上に可能性のある国があるように思える。たとえば、これまで開催経験がなく、FIFA にとって新しいマーケット、新しいフロンティア開拓のチャンスとなる国々である。
具体的に言えば、オーストラリアが頭に浮かぶし、2022年はオーストラリアで開催してもいいと思う。オーストラリアは素晴らしいスポーツ国だし、ファンタスティックなワールドカップとなるだろう。オーストラリアはラグビー・リーグ(13人制ラグビー)やラグビー・ユニオン(15人制ラグビー)、オーストラリアン・フットボール、クリケットと比べてサッカー(この場合、まさに「soccer」という用語の使用が適切なのかもしれない)があまりなじんでいないという評論家もいるが、大都市のスポーツ好きな住民は大会を心から楽しむだろうし、ワールドカップを一つの長いお祭りに変えてしまうかもしれない。

2000年のシドニー・オリンピックのときにキャンベラとブリスベンで日本代表の試合を観戦する際にあちこちを旅したが、その雰囲気は信じられないほどで、もしワールドカップが開催されれば同じように素晴らしい雰囲気は再現されるが、その規模は海外からやってくる数千人の旅行者をも巻き込み、はるかに壮大なものになるに違いないと確信したものだ。

日本の立候補にはリスクはないが、正直言って、2002年からそれほど離れていない時期にまたも立候補を決めた理由、それから関係者が勝てると思っている理由が私にはわからない。
もし日本が2018年大会の開催地となれば、いや2022年大会の開催地になっても、南アフリカ大会で岡田武史監督の代表チームが準決勝に進出する以上のビッグ・サプライズとなるだろう。

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日本のマンチェスター・シティ、名古屋グランパス

2010/01/26(火)

2010年1月25日:現在、名古屋グランパスのファンはマンチェスター・シティのサポーターにかなり近い感情を抱いているに違いない。多額のお金を払ってスター選手を獲得し、タイトル奪取が話題となっているからだ。
名古屋についてとても興味があるのは、野心的な投資というポリシーを導入した最初のシーズンにトップまで上り詰めることができるだろうか、ということ。今回は監督のドラガン・ストイコビッチと彼の雇い主が求めていたものがはっきりと達成されたことになる。2011年のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の出場権を得られる3位以内というのはもはや目標にもならなくなり、狙うのはナンバー1だけなのである。

土曜日には、浦和レッズにいた闘莉王と大分トリニータにいた金崎夢生の二人の名古屋移籍会見が行なわれた。ストイコビッチ監督によれば、闘莉王は最近の数シーズンはサッカーを楽しんでおらず、監督しての目標は、練習やサポーターたちとの交流の場で闘莉王の顔に笑顔をとり戻すことだという。
また、ストイコビッチ監督としてはささいなケガでもすべて完治させて欲しいと思っているだろうし、ワールドカップ・イヤーにおける闘莉王の変身によって、天皇杯決勝で失ったACLの 出場資格が再び名古屋にもたらされるかもしれない。

私個人としては、闘莉王の名古屋移籍が決まったときには少しがっかりした。そもそも移籍先の話題はヨーロッパのチームばかりに集中し、とくにウィガン・アスレティックFCトウェンテが有力視されていたからだ。闘莉王の野望はヨーロッパでもそれなりのリーグでプレーし、より高いレベルで自身を試すことであるのだと私は思っていたのだが、言うまでもまくピクシーはとてもカリスマ性のある、魅力的な人物で、さらに上記の2クラブでは、日本で提示されたようなサラリー(推定年俸1億5,000万円)を受けとることはできそうにない。

金崎の加入は、名古屋にとって大きい。彼のことを私は、岡田武史監督のワールドカップ代表メンバー入りのダークホースである、とみている。彼のスピード、ひらめき、意外性は日本の攻撃陣のオプションを増やしてくれるかもしれず、とくに厳しい試合の最後の20分間にベンチから送り込むと効果を発揮すると思えるからだ。
シーズンが終わった時にはアントラーズレッズをはじめ、ほとんどすべてのクラブが金崎を獲得したがっていたが、彼は名古屋を意中のクラブとしており、その思いを貫いた。

グランパスのファンにとっては心躍る時期だが、たくさんのお金をかけて作り上げたチームですぐに結果を出さなければならないピクシーにとっては、重責を負ったシーズンが前途に待ち受けていることになる。その気持ちはマーク・ヒューズ(マンチェスター・Cの監督であったが昨年12月に解任)ならよく分かるかもしれないね!

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稲本にも、岡田監督にもグッド・タイミング

2010/01/19(火)

2010年1月18日:稲本潤一がワールドカップ・イヤーの年頭に帰国し、川崎フロンターレ入りするのには納得だ。かつてのガンバのアイドルはこれまで数シーズンに渡ってヨーロッパで苦労を重ねてきたが、フランスの地は彼にとってはもはや「遠すぎた橋」であり、撤退すべき時期にさしかかっていた。非常に困難な環境のスタッド・レンヌではそれほどの印象を残すことができず、彼はついに、「もうやることはやった、Jリーグに戻ろう」と決心したのだ。
稲本にとってはグッド・タイミングである。南アフリカに向けての代表チーム強化の過程で彼にスポットライトが当たることが多くなるだろうし、彼自身も毎週、試合勘を養うことができるからだ。

代表監督の岡田武史にとっても、これは嬉しいニュースとなるだろう。レンヌのベンチで陰に隠れた存在となる代わりに、「イナ」が継続してプレーできることは分かっている。中盤のエンジンルームについては、岡田監督のお好みは長谷部遠藤のコンビなのは明らかだが、稲本がスタメンに割って入る可能性もまったくないとは言えない。彼のボールを奪う能力、身体的な強さと経験は日本代表にとって大きな戦力となるからだ。

また、すでに整っているチームに稲本が新加入したフロンターレでは、高畠監督が新シーズンの開幕週にどのような選手起用をするのかも興味深い。昨シーズン、関塚監督が好んでいたのは、中盤の中央で谷口横山がプレーし、(中村)憲剛がピッチを幅広く動き回るかたちだった。
谷口と稲本は、似ている点がとても多くある。二人とも自陣から相手陣まで精力的に動き回り、自陣の深い位置から駆け上がって攻撃に参加する選手である。もっとも、空中戦にかけては、稲本も谷口の非凡な能力にかなわないだろうが。
横山は関塚監督のお気に入りだったが、谷口と稲本が強力なコンビネーションを築けるのが証明されると、レギュラーに入るのは難しくなるかもしれない。

実は私は、2シーズン前に高畠監督が指揮を執った際に採用していた、憲剛と谷口のパートナーシップを中心とした実質4-2-4のフォーメーションが好きだった。おそらく高畠監督は今回もこのかたちを試すものと思われ、その際には憲剛がフォワード3人の後ろというはるかに前の位置でプレーし、稲本が谷口の横に来るのだろう。

名古屋グランパスと同じように、フロンターレも戦力層が厚く、それぞれの監督は適切な組み合わせを発見するまで時間がかかるかもしれない。ただし、稲本がベンチで過ごす日々が終わったのは確かであり、Jリーグ全体にとってもこの人気者の復帰はメリットとなることだろう。

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バヤリツァも期待する吉田麻也の海外移籍

2010/01/12(火)

2010年1月11日:本田圭佑VVVフェンロからCSKAモスクワに移籍すると、今度は同じく名古屋グランパスに所属していた吉田麻也がオランダに移り、フェンロのジャパニーズ・コネクションを維持する。
では、この若きセンターバックはオランダでとの程度やれるのだろうか? 結局のところ、海外に移籍した日本人ディフェンダーはそれほど多くはいない。海外のクラブは、日本人トップ・プレーヤーのディフェンス力ではなく、創造性やテクニックに着目するのが普通になっているからだ。

吉田の実力判断にかけては、かつて名古屋のディフェンス中央で彼とコンビを組んだミロシュ・バヤリツァ以上の人物はいない。二人とも、名古屋での最後のゲームが元旦の天皇杯決勝となり、バヤリツァは残留せず母国のセルビアへ旅立とうとしていた。
要約すれば、バヤリツァは、吉田にはヨーロッパで成功する要素がすべて揃っていると考えているが、吉田はもっと強くなり、ミスを減らさなければならないとも感じているようだ。
「あのリーグは難し過ぎるというわけじゃないし、日本に似ているから吉田なら上手くやっていけると思うよ」とこのセルビア人は言った。「まだ21歳という若さなのにとても物静かで、自信を持っている。空中戦は強いし、ゲームも読めるようになりつつある」。

ただし、バヤリツァもご多分に漏れず、日本的なお行儀の良さ――たとえば、ファウルをしたあとに相手に謝ったり、手を貸し立ち上がらせてやったり――が、ヨーロッパでは災いするかもしれない、と指摘をしている。ヨーロッパでは競争がもっと激しく、練習でもスタメン入りを目指して選手がしのぎを削っているからだ。
日本での美徳やしきたりは忘れ、大きな失敗をしないように注意したほうが良いだろうね。ヨーロッパで大きな失敗をすると、チームから弾き出されるというのが普通だからね。それだけは気をつけないと」。

これは、吉田のプレーのなかで私もはっきりと気づいていた点であった。とくに、ボールをしっかりコントロールするかわりに、胸でボールの方向を変えチームメートに渡そうとする、彼のあのやり方には困惑していた。あれはとても無造作で、リスキーなプレーであり、オランダでは即座に禁止されるような類のものなのである。
バヤリツァに同じよう感じているかと尋ねると、彼はこう答えた。「彼は若いよね。あれはジャパニーズ・スタイルなんだよ!」。

本田がロシアのビッグ・クラブに移籍したように、吉田もフェンロで地位を築けば、同じようになるかもしれない。最初の試合は1月14日のフェイエノールト戦だ。
「フェンロが足がかりになるかもしれないね。彼はとても若いし、私が来た最初の頃よりずっと進歩してプレーのレベルも上がっている。彼を手助けし、指導し、それから場合によっては彼をなだめることもしてくれるような選手がチーム内にいるともっといいんだけどね」とバヤリツァは会話を締めくくった。

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ごめんね、ピクシー、でも判定はまったく正しかったよ

2010/01/04(月)

2010年1月2日:ドラガン・ストイコビッチのことは大好きだし、尊敬もしているけれど、元日の「玉田事件」についての彼の見解には同意しかねる。
要約すると彼は、74分にガンバのペナルティエリア内で玉田圭司が倒れたとき、グランパスにペナルティキック(PK)が与えられてしかるべきだった、と考えていたのだ。その時点でのスコアは1-1であったが、PKが与えられていれば、「ガンバ4-1グランパス」というスコアとはまったく異なった結果となっていたかもしれない、とグランパスの監督は試合後の記者会見で述べた。

ピクシーには悪いが、ダイビングとみて玉田にイエローカードを出したレフェリーの扇谷健司の判断はまったく正解だと私は思った。右サイドでじっくりとした組み立てがあったあと、玉田がガンバのボックス内に突進した。そのときの彼の体勢は右足でシュートを打つのに最適であったが、彼はシュートの代わりに体を地面に投げ出し、PKを得ようと考えたのだ。
玉田が圧倒的に得意とする左足の方にボールがあれば、おそらくシュートを打っていただろうが、利き足でないほうにボールがあったため、彼はそのシュートの機会を生かそうとはしなかった。ダイビング/シミュレーションに対するイエローカードは当然であり、私はレフェリーのこの断固たる処置を評価した。何と言っても、この日はニューイヤーズ・デイ(元日)であり、エイプリルフール・デイではないのだから。

ただし、ピクシーの見解は異なっていた。「PKが与えられてまったく当然であるのに、玉田がもらったのはシミュレーションに対するイエローカードだった」と彼はメディアに語った。
「シミュレーションだったのかどうかは私にはわからない。ロッカールームで玉田の話を聞いただけだが、彼はガンバのディフェンダーと接触したと話していたよ。ベンチから見た感想を言えば、ガンバはとてもラッキーだったね」

このような状況下では、監督は選手に対して、なぜシュートを打つ代わりにダイブしたのかを問い詰め、さらに場合によっては選手を叱責して欲しいと私は思う。こうしたことは公の場で行なう必要はないし、試合後2、3日して冷静になってから2人だけで面談してもいいだろう。
ピクシーの言うとおり、結果はまったく違ったものになっていただろう――ただし、「レフェリーがPKを与えていたら」ではなく、「玉田があの明らかなシュートチャンスをものにしていたら」と仮定すればだが。

ガンバについては褒め讃えるしかない。天皇杯優勝に値するだけのファンタスティックなプレーを見せたし、アジア・チャンピオンズリーグの出場権をすでに獲得しているのにあれほどのモチベーションと集中力を発揮できたのは驚きであった。

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